書道を題材にしたお話らしい。それは読みたい!と手にした本、一気に読んでしまいました。
主人公はホテルマンの続力(つづきちから)、筆耕を依頼するのが書道教室を開いている遠田薫(とおだかおる)。
登場人物はそれほど多くなく、教室の生徒、ホテルの同僚など。
筆耕を引き受けた遠田氏の文字は素晴らしいけど、彼はちょっと変わり者。
教室の生徒との関わりも面白く、遠田氏が飼っている猫の「カネコ」がいい味を出していました。
「書」って、人間の本質が現れてしまうらしいです。高校の部活が書道だったのに、全然書いていない現実を観つつ、やはり退職後は筆を持ってみたいと思った小説でした。
書道には興味が無くても、全く問題のない、楽しい小説です。
