普段使いのお茶碗や湯飲みなど、陶器一般を「瀬戸もの」と呼ぶくらい、瀬戸地方は古くから焼きものが盛んです。
その「瀬戸焼」と、瀬戸から移住した職人が始めた「美濃焼」の名品を観てきました。
メインビジュアルの「肩衝(かたつき)茶入 銘 大嶋」。
高さ11.9㎝は、茶入としては大きく、写真では伝わりにくい、色彩の微妙な変化は、実物を見ると美しかった。
「茶入」という道具で思い出したのは、以前静嘉堂文庫美術館で観た、所有者が織田信長~豊臣秀吉~徳川家康と移ったものを、明治になって岩崎家はなんとしても手に入れたいと落札した、というお話でした。
「茶入」は美術品でありながら、誰が所有したという歴史的な事も含めての価値も問われる、ちょっと特異な茶道具のようです。
他にも天目茶碗、水差し、蓋物、松平不昧の書などを観てきました。
その後、遠山邸の母屋(国指定重要文化財)も見学。
平日の午後、とても静かな空間で畳に座り、のんびりと庭の萩の花を愛で、憩いのひとときを過ごしました。
厳しい残暑もようやく終わりそうな素敵な秋の一日となりました。


