蔦の葉に覆われた煉瓦造りの教会のような建物。設計は今井兼次。日本二十六聖人殉教記念館、遠山記念館美術館などを設計した方です。

 

 荻原碌山(おぎわらろくざん)は、パリ留学でロダンと出会い、帰国後珠玉の作品を残し30歳で夭折。膝をついて天を仰ぐ「女」(重要文化財)は有名です。

 

 私は時々訪れる「遠山記念館」や、新宿「中村屋サロン美術館」でも碌山作品に出合い、いつか碌山美術館に行こうと思っていた希望が叶って感動でした。

 

 碌山ゆかりの人々=高村光太郎、中原悌二郎、戸張孤雁、柳敬介ほかの作品も観ることができました。

 

 また碌山の絵画もあります。やさしい画風の油彩画も残した碌山でしたが、大量に喀血し、急死したのは痛ましい…。

 結核に罹患してはいなかったようで、皮膚の薬に含まれていたヒ素が、体内に静脈瘤を発生させたためでは、と推察されています。それにしても…早すぎる死でした。

 

 この美術館は郷土出身の美術家のため、長野県下の小中学校生が5円・10円の寄付を集めて資金にし、工事も手伝って完成させました。開館は1963年。

 HPでその動画を見ておいたため、煉瓦の1つ1つがとても貴重なものに思えました。