コンサートの旅の2日目最初は「河口湖おもちゃ博物館」。 

 TV「なんでも鑑定団」にずっと出演されている北原照久氏のコレクションが展示され、レストランも併設されています。

 

 展示案内は北原さん=照久氏は義父にあたる女性、明るくて元気で、楽しく案内して頂きました。

 北原照久氏はブリキのおもちゃで有名ですが、展示室は古いレコード、おもちゃ全般=怪獣のソフビ人形、ディズニー、リカちゃん人形、宝塚のポスター、明治期の日本のおもちゃなど、多岐にわたります。

 

 壁面いっぱいの古いレコードの部屋では、かつてのアイドルを観ながら、ツアー参加所とついつい懐かし話。学生時代のことなど、初対面なのに盛り上がりました。

 

 大好きな人形、ここではテンプルちゃんのコンポジションドールがありました。戦前のポスターも興味深いです。

 見学の後は「ビーフシチューランチ」もここで。お肉がいっぱいで、とても美味しくいただきました。

 コンサートに行く1泊2日の旅でしたが美術館など3か所も廻りました。

 

 最初の行先は「山梨県立美術館」。ミレーの「種をまく人」がメインで、開館(1978)した頃に話題になったのを微かに記憶しています。

 現在も「ミレー館」という常設展示や、コレクションもバルビゾン派が充実。

 

 解説によれば、「種をまく人」はこことボストン美術館にあって、どちらを先に描いたかも判然としていない、どちらも名作。

 一方、有名な「落穂ひろい」もここは所蔵していますが、こちらは四季の連作として「落穂ひろい・夏」という作品で、4年後に描かれ、サロンに出品されたものは、オルセー美術館に在ります。

 ですが、山梨の「落穂ひろい・夏」もとても心和む作品です。

 

 ほか、四季連作として冬「凍えた天使」がここの所蔵、春「ダフニスとクロエ」は国立西洋美術館と知り、この作品は西美で1,2を争うくらい好きな作品だったため、なんだか嬉しくなりました。

 

 銅版画、木版画も見ごたえがあってもう少し時間があればよかった、と思いながら、次の目的地へ向かいました。

 

☆2025年9月20日(土) 河口湖ステラシアター

 『富士山河口湖ピアノフェスティバル2025』の“ピアニスト・イン・レジデンス辻井伸行”を観るツアーがあったので、行ってきました。

 

 まずはコンサートのことを。

 辻井さんのソロリサイタル。

 ベートーベン「月光」、ショパンのノクターン7番、8番、スケルツォ第2番、チャイコフスキー「くるみ割り人形」から数曲。ラストはプロコフィエフ「戦争ソナタ」。

 

 アンコールはベートーベン「悲愴」、2曲目が分からなくて、3曲目熊蜂の飛行、4曲目ラ・カンパネラ。

 

 会場の熱気=拍手ももの凄く、鍵盤をプリントしたシャツ姿の辻井さんも、生き生きと演奏されて、最高の時間でした。

 

 煌めくような音色の辻井さんの演奏、知っている曲を聴いているとさまざまな思い出が脳裏に浮かび、涙がジワリ。

 年を取ると蓄積されたものが多くなり、何を聴いても感動しやすくなる…今回特にクラシックはそれが顕著だと感じました。

 

 これで富士山が見えていたらもっと最高だったのですが、小雨のなか、何も見えなかったのが心残りです。

 

 ツアーのことは明日から追々書いていきます。

 

 表紙を観てもわかる通り、高校野球のお話です。「母」ですから、息子と母とが一体となって野球に邁進、その通りでした。

 

 アルプス席の母=菜々子。息子の航太郎は、中学時代から才能を発揮し、強豪校の監督から是非にと誘われて、高校に進学。

 強豪とはいっても、古豪ではない、めきめき強くなってきてはいるけれど、まだ甲子園出場はしていないチームでした。

 

 新入部の時から、各地から集まった精鋭たちとその親たちが醸す、微妙な空気感…野球部の保護者会って、一番熱心なイメージがありますが、熱心どころじゃない感じです。

 

 ベンチ入りやレギュラー入り、悲喜こもごも。親同士もいろいろ、どんどん読み進められて、あっという間に読み終えていました。

 

 菜々子と部員の母の中で一番の親友となった香澄が「男の子がいてよかった!」というくだりには、残念ながら経験がないため、「そうそう!」とは言えなかったのですが…。

 

 幼いころから息子を支え続けた母親の、息子が高校卒業となった時の「感慨の深さ」は、あまり部活に熱心じゃなかった文化部の娘の親だった私には、“計り知れないほどの大きさ、深さ”があったことでしょう。

 

(この仏像は弥勒如来坐像)

 一昨日は、日曜日でも午後8時まで開館していると知って、前売り券を買ってあったし、足を運ぶことにしました。

 

 興福寺北円堂には行ったことがあって、無著菩薩立像と世親菩薩立像は記憶にありました。

 また、前回(2017年秋)の「運慶展」にもこの2体は出展されていましたが、何度観ても素晴らしい…。

 

 今回は博物館本館の1室を北円堂内に見立てて、中心に弥勒如来坐像、両脇に無著菩薩立像、世親菩薩立像、四方には四天王=増長天・広目天・多聞天・持国天が配置されていました。全部「国宝」の仏さまです。

 

 興福寺北円堂の当初の四天王は、現在、所在は不明ということですが、今回の「四天王」は運慶が造った可能性が高いということで一緒に展示されていますし、とても馴染んでいるように感じました。

 

 しかし奈良に戻れば、この展示とは異なる(四天王は中金堂へ)ので、展覧会だけの特別キャスト、ということで、目に焼き付けてきました。

 

 高橋一生さんの音声ガイドも、作品数が少ない分、博物館の方との「深堀りトーク」が聴き応えがあり、興福寺で実際に録音された声明(しょうみょう)も聴くことが出来ました。

 

 特別展は会期末になるにつれ、混んでくる…今回は途中での展示替えもないため、行けるならすぐ、をお勧めします。

 

※二つ折りのチラシのもう片方は、無著・世親の菩薩立像。

美し過ぎる…。