☆2025年8月22日(金)ソワレ シアター1010

 

 毎年上演されている作品、私もほぼ毎回足を運び、今回で12回目です。

 今年のキャストは初見の方が多いです。

 きみ(社家あやの)、檜山上等兵(中谷優心)、滝軍曹(KENTARO)、上原婦長(彩乃かなみ)。

 

 今回は5月に沖縄の現地を訪れてから観る、ということで、よりリアルに感じたことは事実です。

 歌も台詞もほぼ覚えてしまっていても、毎回キャストは違うので飽きることはありません。

 

 女学生たちが劇中で合唱する清冽な歌声…あの真っ暗で湿気が強い「陸軍南風原病院壕」の中を思い出すと、胸が痛みました。

 

 ♪お国のために 役に立とう できることは小さくても…

 ♪遥かな希望の熱い思い胸に 私は旅立つ まだ見ぬ明日へ

 

 こんな歌詞を歌いながら陸軍病院壕での日々が始まりますが、ここから南への敗走、隠れたガマで歌われる「小鳥の歌」。

 ♪あの小鳥になれたら 空を飛んで逃げよう 広い青空は故郷へ続く

 

 劇中の歌はみんな美しい旋律です。

 「ひめゆり平和祈念館」で女学生たちの写真を観たことを思い出し、二度とこんなことがあってはいけないと強く思う、昨品でした。

 

 今まで見たキャストのことなど、過去の記事を貼っておきます。

 

(歌詞に関しては、聞き覚えで書いたもので、間違っていたらすみません)

☆2025年8月22日(金)マチネ よみうり大手町ホール

 

 副題は「アメリカと日本の架け橋、桂子・ハーン」。

 第二次世界大戦後、日本に進駐してきたアメリカ兵と結婚し、海を渡った女性たちは、「WAR BRIDE」=戦争花嫁と呼ばれています。

 

 この作品は横浜に生まれ、キャンプ座間で働いていた山田桂子(奈緒)と、アメリカ兵フランツ・ハーン(ウエンツ瑛士)が恋に落ち、互いに尊敬し合いながらアメリカで暮らし、子育てをし、日米の架け橋となった…桂子・ハーンさんの物語です。

 

 1925年、当時としては国際感覚が有る家庭に生まれ、香蘭女学校(現在の横浜雙葉)を卒業。外国人シスターもいる環境で英語を学んだことが、後の職業へと繋がる。

 

 渡米して子育てをする中で、長男を亡くしてしまうのが痛ましい。電話を掛けてきて、じゃあまた、と言ったきりになってしまった…「ジャージーボーイズ」にも、こんなシーンがあった事を思い出しました。

 

 そんな哀しいこともありましたが、結婚した時に「日本とアメリカの架け橋になる」と決意したことを生涯忘れず、姉妹都市提携に関わり、生け花や茶道を紹介、そしてすばらしいことに、“現在95歳でご健在”です。

 

 この1月、主演の奈緒さんがモデルとなった桂子ハーンさんに会いに行ったこともプログラムに載っていました。

 

 女学生から老齢までを演じた桂子役の奈緒さん、熱演でした。

☆2025年8月14日(木)ソワレ 吉祥寺シアター

 

 5月に35日なんてない?実は6月4日=天安門事件をさしています。

 

 この事件で息子を亡くした母(竹下景子)と父(林次樹)。あれから30年近く経ち、年齢を重ねた母に不治の病が判明する。

 

 母は亡くなった息子の遺品を若者達に譲り、その時に「15分だけ息子の話を聞いて」と、かつての事件のことを伝えたいと思っていました。

 

 あのとき、デモに参加した息子はどこで誰に殺されたかすら不明、亡骸に会うことも叶わなかった母の無念は、今でも心の叫びとしてほとばしる台詞が、悲痛に響く。

 

 遺品を若者に譲っていることを知った親類は、現在政府の役人、当時を語ることは自分の立場を脅かすと、なんとかやめさせたがって、衝突。

 

 香港でこの作品を発表したのは2019年。日本初演は2022年。

 日本では今回「再演」できますが、香港では現在は上演禁止となってしまった、その事実は「事件はまだ終わっていない」ことを実感させられました。

  

 学生役のキャスト達も一緒に、力強い歌声を響かせての終演。自由を奪われて初めてそのありがたさが判ることに気付かされた、骨太の作品でした。

 

 

☆2025年8月9日(土)ソワレ 桶川市民ホール

 

 埼玉県桶川市にあった「旧陸軍熊谷飛行場桶川分校」は、戦後長く「引き揚げ者住宅」として2007年まで使われ、5年前に「桶川飛行学校平和祈念館」として開館。

 その「再建整備」に尽力された女性のことは、以前から知っていました。

 

 今回、市内の企業さんの創立55周年記念行事として行われた公演ですが、桶川飛行場は少年達を特攻兵として送り出していた学校であり、教官を務めた伍井芳夫さんは妻子を残して一緒に出撃、散華された…。

 

 その伍井さんのご遺族が、平和祈念館に尽力された臼田智子さん、そのご子息がこの企業の社長さん、という繋がりがあってこの公演が実現した…まさに紡がれたご縁だと感じます。

 

 劇は現代の学生が戦時中の知覧にタイムスリップ、そこで特攻兵のお世話をする「なでしこ隊」の女学生の一員になります。二度と戻れない出撃が近づく隊員達、見送る人たちとの交流の中で、命の大切さに気付く…。

 

 俳優さん達の凜とした佇まいが素敵でした。

 

 1人1人の命が繋がり、今ここに居ることが出来る。

 80年前の貴い犠牲の為にも、永遠に平和を保たなければと感じた夜でした。

 その余韻を残したまま、早朝バスに乗って北海道へと向かったのでした。

 

 

 北海道と言えば、美味しいもの。

 

 今回は10日昼・札幌駅構内自販機で☆サンドイッチ(サンドリア)「ふぞろいザンギザンド」(390)、10日夜↑☆旭川梅光軒本店「醤油ラーメン」(1,030)。

 11日朝はホテルの朝食、昼はスイーツのみ、夜は駅ビルのパン屋さんのサンドイッチ。12日朝古民家(宿舎)で、昼☆「ジンギスカン弁当」。

 

 他、11日の午前、以前から行きたかった珈琲軒「ちろる」にも行ってきました。三浦綾子の小説「氷点」にも登場する老舗、昨年冬、「旭川彫刻美術館」カフェで超美味しい紅茶を淹れてくれた方も、ここにいたという…。

 

 期待に胸を躍らせて入店。店内には「オラトリオ」が流れ、クラシックな雰囲気。

 お店の方お勧めの「手作りティラミス」と。こちらもお勧めの「中煎りフルーティな珈琲」を頼みました。

 このティラミス、見た目はお団子?見たいですが、今まで食べたことがないほんのり暖かいもの、最高に美味しかった。また旭川に行ったら絶対食べに行きます。

 

 ボリューム満点のザンギサンド=北海道外で買ったら、絶対値段は倍以上だろうと思う…の写真は撮り忘れましたが、最後に、バラ売りのお菓子の写真を。

 もっと買いたかった。

 

 今回、行くまで連日の暑さの中仕事でへとへとで、“なんで旅行入れちゃったのかなあ”と、少しだけ思ったりもしましたが、行ってしまえば絶好調。

 

 自分の体調もそうですが、高齢の実母もとても元気で、安心して行けたことに感謝!です。

(彼女は毎日バスに乗ってプールに通い、クロールで泳いでいる…今日で92歳です。)