おこんばんは。
夜更かしさんに今宵はどんなお話をしようかなと考えて最初に浮かんで来たのが、ミュージカル「スターライトエクスプレス」に向かう途中、人生でいちばんトイレに行きたかったこと。
ふふ、けっこう頻繁に夜中にトイレに起きることがあるからかしらね。
と、その前にやっぱり飲み物を用意しましょうか。
マダムちさりーな、今日のおすすめはありますか?
“そうね。その話題ならせめて飲み物は刺激の少なそうなフルーツティーはいかがかしら。
フルーツごと食べられるからほんの少しだけど、小腹を満たすのにも役立つわよ”
“それからね、こんなおいしそうなものもみつけたの”
“ブランデーバターですって。薄いトーストに塗っていただきたいわ。イギリスに行かないと手に入らなそうなんだけど”
まあ。わたしがロンドンを旅した30年前にも売っていたのかしら。あったのならほしかったなー。
そう、もう30年も前になるのだけど、ロンドン付近を長めに旅していたことがあるのです。
昔からミュージカルがとても好きだったから、ロンドンでミュージカルをたくさん観ようと思ってね。
ファントム、レミゼ、キャッツ、ミス・サイゴン、、、。スターライトエクスプレスにはそれほど興味はなかったんだけどせっかく本場にいるから観ておこうかなくらいの軽い気持ちで。
ツアーに入らない完全個人旅行で、その時は何日か共に行動した友だちと一緒で、たぶん昼間はいろいろ観光をしたんです。
それでそろそろ劇場に行かなくちゃという時間になり、貧乏旅行なのでけっこうな距離があっても徒歩で向かっていたんですよね。
そしたら歩いているうちにトイレに行きたくなって、そこはハイドパークかリージェントパークみたいな有名な大きい公園の中だったんだけど、全然トイレが見当たらない!
公園といえば札幌大通り公園が基準のわたしからしたら、「公園ならすぐトイレくらいあるでしょ?」と思ってたんだけど、見ても気づかなかったのか本当になかったのか、とにかく見つけられなかったんです。
まっすぐ向かわなくては遅れてしまうし、スマホなんてないから道もよくわからないし。
もちろん公園を出てもトイレのありそうなコンビニなんて見つからず。
景色を楽しむ余裕もなく、「トイレに行きたい」で頭をいっぱいにしてひたすら歩きました。
トイレに行きたい時ってじっとしてるのがつらかったりするでしょう?
でも極まってくると、動く方がつらくてじっとしてる方がまだマシになるんです!
破裂しそうな膀胱を抱えてなんとか劇場にたどり着いた時には開演数分前で、パンフも買わずトイレに直行!!
でもトイレは1階になくて階段をのぼらないと辿りつかない!つらし!!
なんとか漏らさずようやくたどりついたトイレの中、あまりに長く出続けるので開演しちゃうんじゃないかとやきもきしました
そんなこんなで観たスターライトエクスプレスは想像よりずーっと面白くてね、劇場に着いた時には激しい尿意に耐え続けていたのとずいぶん歩いたことでへとへとだったんだけど、終わった時には謎の力で身体中が満たされているような感じで
「どこまでも歩いていけそう」とみなぎっていました
この話はその時買ったスターライトエクスプレスのサントラを聴きながら書いているのですが、音楽にはこれほどエネルギーを復活させる力があるんだなとずいぶん感心したことを懐かしく思い出しました。
スターライトエクスプレスがおもしろかったよと教えてくれたのはその時一緒にいたのとは別の、亡くなった友だちで、もう会うことができないから淋しいけれど、思い出の中では会うことができますね。
さやちゃん、今はスターライトになってわたしたちを見守ってくれていますか?
あの長い旅行でいろいろな人と会ったけど、さやちゃんと一緒にいた時間がいちばん楽しかったよ。また一緒に行きたかったなー、、、。
今夜は優しい思い出とともに眠りにつきましょうね。
Sleep well.