カム フロム アウェイ 2024年3月☓日

日生劇場 A席 J列 マチネ

 

楽しみにしていた

 

カム フロム アウェイ を見てきました。

 

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とっても良かったです!

 

ざっくりいうと

 

新しいミュージカル

 

だと思いました。

 

 

何が新しいかといえば、

 

① 主要キャストが12名もいて、それぞれがアンサンブルであり、プリンシパルであること。

 

② 9・11という、重い災害がテーマであること。

 

そして

 

③これまでのミュージカルと言えば

 

要所要所に歌があって、それを演者が歌い、ハイ拍手!次!というスタイルが

 

多かったけれど、

 

この作品は、コーラスのような、合唱のような、自然な流れで

 

どんどん話が進んでいくので、

 

全体で拍手したのは、2回くらいしかなかったと思う。

 

それくらい、場面転換が早く、セリフもどれも早口で、

 

サーッと話しが進んでいきました

 

また、

 

④ 舞台装置もほぼ椅子だけで、

 

一人の役者の役が、コロコロと変わっていくところも、

 

新しくて面白い! と思いました。

 

そして

 

なにより

 

 キャストの方々がみな素晴らしかったです。

 

出演者は、主役級の方々ばかり

 

それぞれが芸達者。

 

でも、誰かが目立ちすぎることもない。

 

衣装が普段着だったのでそれも良かったと思う。)

 

出演者のクオリティは半端ないし、

 

それぞれにみなさん、当たり前ですが、

 

膨大な早口のセリフも噛んだ人は誰もいなかった。

 

(普通に、それってすごい)

 

それぞれみな存在感があるけれど、誰一人「影」になるような人もいなかった。

 

このキャストで見れるってすごいことかもしれないなと思いました。

 

 

 

 

それぞれのキャストの感想です。

 

濱田めぐみさん

 

やはり、劇団四季時代から見ているワタシにとって、この方に一番惹きつけられました。

 

デニムのパンツの姿がスラッとしてかっこよかった。

 

この年代ですごいと思います。やはりかなりトレーニングしていると思う。

 

肌も更に美しくなっていたと思う。

 

歌もうまい。

 

ソロで歌うところもあって、

 

自分がパイロットになりたかったという生い立ちを歌うのですが、

 

さすがの表現力で、うなるほどうまかった。双眼鏡をガン見した。

 

本当にいくつになっても、どんな作品でも手を抜かないし、気を抜かないし、

 

いつも想像を超えてくる方だと思いました。

 

 

 

吉原光夫さん

 

やはりこの方も安定感と存在感がありました。

 

この作品ではコミカルな役も多かった。

 

ダンスもしっかり踊っていたし。

 

それから声がいいですね。喋っている声もいい。だから歌声も良い。

 

俳優さんにとってこれは神からのギフトですね。

 

VIVANなみの髭面でした。

 

そしてこの作品を見たらほんと実力があって、さらに進化していて、

 

ジャン・バルジャンの続投全然あり得る

 

むしろやってほしいと思いました。

 

 

 

橋本さとしさん

 

やはりこの方も過去にジャン・バルジャンやっただけのことがあって

 

とてもうまい。

 

ムーラン・ルージュのジドラーも素晴らしかったが、

 

今回も座長!って感じでみんなを引っ張っていた。

 

この作品でもコミカルな役が多かったけど、うまかった。

 

同じおじさんでも、

 

吉原さんは、怒らせたら怖そうだけど、この方は、怒っても許してくれそう。

 

こんなふうにかっこよく歳を取っているおじさんってなかなかいない。

 

吉田 鋼太郎くらいしか思い出せない。

 

この方は、テレビなどでもっと活躍できる方だと思いました。

 

 

 

咲妃みゆさん

 

ベテランの俳優さんだけど、

 

やはりいちばんこの作品の中で若い。若いレポーターという役もあったし。CAも。

 

セリフもたくさんありました。噛まないのはさすがです。

 

なんだか可愛らしい女の子が、

 

一生懸命ワイルドに演じているというようにも見えました。(褒めている)

 

吉原光夫さんと並ぶと、

 

まるでジャン・バルジャンとコゼットみたいにも見えました。(笑)

 

 

 

柚希礼音さん

 

なんか時々関西弁になっていました。いいのかな?アメリカの話だけど(笑)

 

ドレス姿じゃない柚希礼音さんも最高。

 

グラマラスでスタイルもいいから、ルッキズムばかりで見られるけど、

 

こうやって普通の格好してるとほんと、いい感じにそのへんにいそうなお姉さんに見えました。

 

 

加藤和樹さん

 

セリフもたくさんありましたが、とても聞き取りやすかった

 

すごく練習されていると思う。

 

なんかファントムを思い出しました

 

最後 田代さんと並ぶ、ロビンだったか、名前忘れたけど、

 

しおらしいところが上手いし、笑えた。

 

 

 

田代万里生さん。

 

覚えている限り、3人の人を演じ分けていたと思う。

 

ゲイの恋人、ガンダー町のひと、イスラム教の人。

 

どれもうまかったね。 

 

やはりこの方も、加藤さんも、浦井さんも背が高い。3人並ぶとなかなかの身長の高さでした。

 

笑うと男の子みたいなのに、年下から年上の役まで、幅広くいろいろな役を演じられていた。

 

 

 

安蘭けいさん

 

この方は宝塚退団後も一線で活躍され、いろいろな作品で主役を演じられていますね。

 

ぱっと見はきつそうな印象ですが、(個人的な意見です。)

 

全然嫌味な役はやらないですよね。

 

ラグタイムのマザーのような優しい母のような役や

 

スカーレット・ピンパーネルのような女性らしい役もたくさんやっていらしゃるので、

 

歌や実力のみならず、人柄が素晴らしいんだろうなと思いました。

 

そして歌も上手かったし、

 

男っぽいのかと思いきや、女性らしくて、魅力的な方だなと思いました。

 

 

 

森公美子さん

 

ほんといい味だしていたなあ。メインはシルバーヘアのお母さん(おばあちゃん)役。

 

歌もやはりうまかったし、すごかった。

 

最後の方のsomething’s missing の welcome to the rock の歌いだしの高音、最高。

 

天使にラブソングをのデロリスより、こういう役が似合うと思いました。

 

この役は劇団四季だったら、青山弥生さんが演じそうな役ですね。

 

脇役ながら、存在感があって、とても良かったです。

 

 

 

石川禅さん

 

アナスタシア以来です。

 

私はこの方の若い時を知らないのですが、今回も安定感があって、いい味出していました。

 

童顔なので、シリアスな作品より、コミカルな作品のほうが似合いますね。

 

実は殺人鬼だったみたいな役は絶対みたくない。(笑)

 

ほわほわしていて、にこにこしていて今回もアナスタシアのときの役に似ていて、

 

とても役に合ってました。

 

 

 

シルビア・グラブさん

 

ほぼノーメイクだったと思う。

 

でもそれが良かったね。ほんと、肝っ玉母さんでした。

 

すごくきれいなのに、びっくりするくらい地元の人になっていた。

 

こういう役がこれから増えていくと良いな

 

もっとみたいなと思いました。

 

 

 

 

話は変わりますが、

 

この舞台を見るなら、1階席の見やすい席のほうがおすすめです。

 

2階だと全体が見えますが、なにせ出演者が多いので、双眼鏡を覗いてしまうと

 

他の人の表情が見えません。

 

やはり同時多発的に、いろいろな出演者の表情が肉眼で見える

 

舞台に近い1階席がおすすめです。

 

特に 最初の welcome to the rock 。

 

こちらはyoutubeでも流れているのでネタバレしますが、

 

「そして私はラジオを付けた」 とそれぞれ3人がいったときは普通の顔なのに、

 

その後、しばらくしてWTCのニュースを聞いたときの驚いた表情に3人が変わる。

 

そこが双眼鏡で覗いていて面白かった。

 

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こちらは1階席後方からの眺め。

 

 

 

いつもの勝手な観劇推奨年齢ですが、

 

小学校高学年くらいからかなと思います。

 

セリフが早口なのと、同じ場面でも役柄がころころ変わるので、

 

それを理解できないと難しいし、

 

舞台セットは椅子だけで、それがいろいろな場面に変わるので(飛行機、避難所、バーなど)

 

小さい子は、ただ大人が椅子動かしているだけ、言ってることもわからない、

 

と苦痛かもしれない。

 

いろんな語彙もでてくるしね。

 

それから当たり前ですが、行く前に、911のことは知ってないと理解できないので

 

(911のことはセリフでしか出てこないし、ツインタワーに飛行機が突っ込んだこと、

 

ペンタゴンにも1機落ちたことなどは知ってないとわからないです。)

 

2001年って最近な気がしますが、まだ生まれてない世代もこの作品を見るので

 

それなりの理解はしていったほうがいいと思います。

 

 

 

それからいい点ばかり書きましたが、残念だった点としては、

 

やはりサーッと話が進んでしまうので、記憶に残らないといえば残らないかも。

 

ワタシは安定の最安値の席でしたが、今回はちょっと舞台が遠く感じた。

 

睡眠不足だったこともあり、途中少し眠くなってしまいました。

 

1階近くで見ていたら、もっと集中できたかも。

 

でも最後みんなが揃って歌う something’s missingとか finale のところでは泣けました(なんだそりゃ。)

 

途中笑えるシーンもいくつかありましたが、観客皆が笑うという感じでもなく、

 

それぞれクスクスという感じでした。

 

でもやっぱり面白いし、見に行ってよかった。

 

俳優さんたちも素晴らしかったし、今までにない新しいミュージカルで

 

なるほどなあと思いました。

 

 

阪神・淡路大震災や、東日本大震災や、能登地震を体験したことのある日本人にとっても、

 

災害が起きたら、こんなふうになるだろうなっていうのは、(現地のボランティア、物資不足、情報不足、家族との別れなど)

 

は ある程度想像できるので、理解しやすかったのもあると思う。

 

 

 

また、劇団四季でやるにも、すごく良い作品だと思いました。

 

だって、あからさまな「スター」が出てくる作品ではないので、

 

あの実力者たちがこの作品を作ったら、

 

絶対良いだろうなと思いました。

 

 

 

ずばり、どんな人に向いているかと言えば、

 

群像劇が好きな人

 

日常の、普通の人々が主役の話が好きな人

 

単独コンサートやショーみたいのが好きじゃない人。

 

派手さはないけれど、お話もよくまとまっているし、

 

音楽も良かったです。

 

タイタニックで、ローズとジャックがダンス踊るシーンみたいな、賑やかな曲調

 

ちょっと、バンズビジットに出てきた曲調にも似てました。

 

多様性、LGBT, 宗教違い、国民性の違い、人種差別そういうテーマもあったり、

 

アメリカっぽいと思いました。

 

最後は舞台上にオーケストラの方も出てきました。

 

舞台中は静かだったお客さんも、最後の拍手はすごかった

 

やはり感動する作品だと思いました。

 

 

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ロビーのフォトスポット。

 

 

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上演時間は100分間。

 

これを長いと思うか、短いと思うかは、あなた次第。

 

チケット代は12名のプリンシパルに支払うには安すぎるけれど、

 

一番安い席で11000円というのは結構な額でもある。