年間の観光客数約5000万人を誇る京都。

その数はニューヨークと同じ規模と言われていますが、

訪れる観光客は、春、秋に比べ、冬は大きく落ち込みます。


そこで、京都市では、「食」をテーマに、

市内の88の有名料理店の協力を得て、

街全体であるプランを企画しました。

それによって、今まで知ることが出来なかった

新たな京都の魅力の発見につながり、

冬の訪問客増加につながっていると

言われていますが、

そのプランとは…




横山龍太のブログ


割安なメニューを統一価格で提供するプラン






京都市と京都国際観光レストラン協会などは、

秋の紅葉シーズン後の閑散期対策の一環として

2012年2月1日より、市内の88の有名料理店の協力を

元に、割安な特別メニューを一斉に提供するプランを開始しました。


2100円、5250円、10500円、15750円と

4種類の価格をつけた特別料理を用意。


菊乃井本店や京料理木乃婦、魚三楼などが参加。

京料理は「高級で入りにくい」というイメージもあるが、

固定価格にして幅広い客層、新たな顧客の開拓を

狙ったプランでした。




なるほど、

冬の閑散時期に値段を下げるというプランは

しごく当たり前の企画ではあるが、

敷居が高い京都の料理屋が協力してやったという

ことに企画性があるのではないでしょうか。


ここで心配なのが、ブランド力が下がらないかどうか。

ルイ・ヴィトンはブランドを下げないため、

決してセールスやCMをやらないといいます。


現在、お試し価格で提供したとしても、

なかなか次に結びつかない、お金の使い方を考えますと、

効果はいかほどのものか疑問です。



高級ホテルグループの星野リゾートが価格を下げずに、

高級路線で人気を持続していることを考えると、

むしろ、閑散地対策は値段ではないと思います。


星野リゾートが、高級感、ブランド感を持続している、

一つの理由として、じゃらんや一休に頼らない宣伝方法があります。



独自のウェブ展開を貫き、HPを最大限魅力あるものにしています。

旅館紹介の写真も、普通は1回撮影し、掲載したら終わりというケースが

多いのですが、星野リゾートでは、

一定期間掲載すると、また違う魅力を伝える写真を掲載したり、

閲覧数が少なかった写真を、すぐに取り換えたりしています。

そのため、HPはいつみても魅力ある紙面になっており、

ブランド感が保たれている訳なのです。



京都の料亭もこれと同じことが言えると思います。

まだまだ、敷居が高いと思っている人は多いはず。

価格を下げたことが吉と出るか凶と出るか、

結果は春に分かるのでしょう。