夕方、恵比寿のタリーズでお茶をしていたら、田村正和男がいた。
もおおお、田村正和より田村正和っぽい男だった。
襟足長めに、海苔っぽいボリューミーーなもみ上げ。
水気ゼロの髪の毛はぱっさぱさ。
足を組み、片手を腰にあてエスプレッソを飲む正和。
どちら様ですか?と聞かれれば、
もぞもぞ声で、“てべれべせかず、です”
って、500点の答えが返ってきそうな男性。
ビジネスマンでギスギスしているタリーズが、
なんだかユニークな雰囲気になっていたのである。
その場にいる、みんなの期待を背負い
僕はバカなふりして、勇気を出しサインを頼んでみたのだ。
古畑任三郎で見せる“ん~~”の声も出ないほど
正和は“いいよ”って、くい気味で返事を返してきた。
僕の行動をよんでいたのか、それともサイン慣れしているのか。
ボールペンと手帳を渡し、サインが終わるのを待つ。
“田村正和。…なんちゃって”
こんな、おちゃめなサインだったら100点だ。
なんてことを考えて、窓の外をみていたら
テーブルに書き終えた手帳がおいてあった。
正和はその場から立ち去っていた。
ボールペンが挟んである場所を開く。
そこには、“京本正樹”と記されていた。
というのは、作り話で、
サインを頼むくだりからうそです。ごめんなさい。
でも、ビジネスマンでギスギスしていたここ恵比寿のタリーズで、
コーヒーよりも、ほっと一息つける時間を提供してくれた
正和っぽい人さん。ありがとう。
形はどうであれ、なんだか幸せな気分。
いっつもいる人なのかな?
うすうす感じてたけど、京本正樹もいつぞやサラサラヘアーになってる。
ただ、田村正和っぽい人を見たってだけの話でした。
すいません。
あと、