市販の時刻表に掲載!? 広尾線幸福駅の仮乗降場時代のダイヤ
現在の北海道帯広市にあった国鉄広尾線幸福駅。全国区で有名なこの駅ですが、その生い立ちについては謎の部分が多いです。正式な駅としては昭和31(1956)年11月1日に開業。しかしそれ以前から仮乗降場として営業していたのはよく知られています。その仮乗降場としての開設時期が実はよく分かっておらず、石野哲氏による大著「停車場変遷大事典」では「昭和31年8月26日?」と、断定を避ける書き方をされています。現在、インターネット上ではこの日付を仮乗降場の開設日としている記述がほとんどです。ただ、それより前の時期から幸福仮乗降場が存在した証拠はいくつか私も見つけており、一番古い時代では昭和27(1952)年まで遡ることができています。高山拡志氏著「旧国鉄・JR鉄道線廃止停車場一覧」では昭和25(1950)年1月20日を開設日としていますが、典拠が書かれておらず、他の文献でこの日付を見たこともないので、裏付けは取れておりません。一例として、『補足事項 ”【仮乗降場紹介.28】幸福仮乗降場(帯広市;広尾線)”』こちらの記事に対して補足します。実はブログ記事執筆時点で既に昭和30年6月の釧路鉄道管理局発行の運転時刻表を所持していたのですが、そちらの確認を失念しておりま…ameblo.jpこちらの記事で、仮乗降場時代である昭和30(1955)年のダイヤをご紹介しました。このほど、さらに古い、昭和28(1953)年の、しかも市販の時刻表に、幸福仮乗降場が掲載されている物を発見したので、ご紹介します。こちらがその時刻表で、見開き1枚の一覧式、昭和28年8月1日発行とあります。この時刻表の広尾線の欄ですが、写真のように「(臨)幸福」とあり、1日2往復のみが停車していることが読み取れます。なおこの時刻表の昭和26年版も確認できましたが、幸福仮乗降場の掲載はありませんでした。「大樹町史」によると昭和30年10月1日に広尾線で初めて、帯広〜中札内間で気動車の運行が開始、それ以前は混合列車4往復でした。昭和31年6月1日より通学列車を除いて帯広〜広尾間全線の気動車化が完了、同33年1月25日より旅客列車6往復全てが気動車に置き換わりました。つまり、仮乗降場開設の当初は混合列車がこの幸福仮乗降場に停車していたということになります。特に幸福仮乗降場に限った話ではないのですが、あのような板張りのホームにSLの牽く列車が発着していたというのは、古き良き北海道の鉄道を象徴しているようで、想像するとなかなか胸が熱くなります。今でこそ観光名所と化していますが、昭和30年代はまだ全国的には認知されておらず、気動車化されてもしばらくは通過列車もありました。現存する幸福駅のホームも仮乗降場由来らしさを色濃く残しており、貴重な存在です。今回もお読み下さいまして、ありがとうございました。