休日の投資コラム。
今回はチャートを読み解く「日本株」についてのまとめ。
(詳しくは前の記事も見てください。)
ちなみに...書いていて長くなってしまったので、前後編にわけています。
話を始める前に、まずはチャートを見てみよう。
我らが日経平均。いわゆる1990年初頭のバブル崩壊から株価が低下し、その後の低迷、そして徐々に回復といったところであろうか。
このブログに何度も出てくる記事だが、世界はインフレに傾く。そしてある時に突然「恐慌」となる。
そんなことを聞くと疑問に思う。
「日本はずっとデフレだったではないか」「物もサービスも値段なんてほとんど変わらなかった」と。
ここ最近物価が上がってきている。それを肌で感じ、みな驚いている様子である。
それくらいここ数十年間デフレが続いていたのである。
いわゆる「失われた20年、30年」というやつだろうか。
ではこの20年間、30年間というのは一体なんだったんだろうか?
そして劇的な価格上昇を見せている昨今の日本株は、これからどこへ向かうのだろうか?
これを理解するためには、まずこの20年、30年間の日本の金融政策について知る必要がある。
「世界はインフレに傾く」
やたらと登場するこのワード。そのインフレをコントロールするのが各国の中央銀行、わが国の「日本銀行」である。
私たちがお金を預けたり、借りたりするのは「市中銀行」。
「中央銀行」は「市中銀行」の銀行の働きをする。「銀行の銀行」。頭取みたいなものと考えればよい。
市中銀行が集めたお金を預かり、銀行間のやり取りの御手伝いもする。
政府が集めた税金の管理などもする。「政府の銀行」
要するに日本全国のお金の管理をする番人。
貨幣の流通・景気の動向など分析し、「よりよい経済状況にするにはどうすればよいのか」を日々考えている。
1990年代初頭のバブル崩壊。そこから低迷した日本経済。
そんな状況を立て直すために何をすればよいのか?
悩んだ末に日本銀行が出した答え。それは大きく2つ...
①金利の爆下げ ②国債の爆買い
「貨幣は債務から作られる」
故に市中銀行が民間への貸し出しを増やせば、市場にお金が増えていく。
だから日本銀行は金利を爆下げしてどんどん民間企業への貸し出しを促したのである。
どこまで下げたか。マイナスまで下げたのである。日銀当座預金に入れっぱなしだとお金を逆に取られるのである。
なんて強引な方法なんだ...。
けれどもこの方法だと貸し出さなければお金が生まれない。
日本経済は長期の不調が続いていた。そんな中で「お金を借りて新規事業をしよう」とかなかなか考えられない。
貸出先がなければ、どれだけ金利を下げても債務は生まれない。故にお金も市場にながれないのである。
そこで行われたのが国債の爆買い、いわゆる「量的金融緩和」であり日本が世界に先立って始めた。
市中銀行が持っている日本国債を日本銀行が購入することで、市中銀行にお金を増やす。そして市場に出回るお金の量を増やそうとしたのである。
日本銀行は日本国債を爆買いした。買って買って買いまくった。
その結果が下のバランスシートである。
当座預金というのが、要するに市中銀行がもっているお金である。
国債を買いまくって、そのお金を市中銀行の口座に振り込んでいると考えればよい。
この表をみても、どれだけ日本銀行が国債を買っているかわかるだろう。
いかがだろうか。
日本銀行の金融緩和策、①金利の爆下げ、②国債の爆買いが今もなお延々と続けられている。
(もちろんこんなに単純な話ではない。あくまでも「分かりやすく」を心がけて書いている。)
実際、日本の真似をするように世界の各国が同様の金融緩和を行っている。
健全化したかはわからないが、この方法で世界各国が自国の経済をインフレに誘導できているのである。
むしろ、ここ最近は金融緩和の影響で世界経済が急激にインフレに向かったため、ほぼすべての先進国が利上げを通じた金融引き締めを行っている。
その例外が、わが国日本である。
ちょっと長くなってしまったので、ここで一回休憩。前後編に分けようと思う。