身近な動物たちに教わること | イタリア便り 甘い&辛い Italia dolce ed amaro

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北イタリア暮らし28年目
Dolce 甘い Amaro 苦い Piccante 辛い Salato しょっぱい、な日々

猫3匹と同居する友人、アレッシア。

2年前までは4匹いた。

 

猫たちはいずれも15才をこえ、

長老格はそろそろ20年近く生きている。


どの猫さんも腫瘍やら何かしら病気、問題があり

アレッシアはしょっちゅう動物病院に行く。

長生きしてほしいから可能な限り手は尽くすという。

 

 

ときどき留守を預かり

キャットシッターを引き受けるが

この猫はこの薬、あちらは別のソレ、と多々あり

うまく与えられないこともあるから

私は少しばかり緊張する。

 

私も猫と住んでいるからわかるが

とにかく彼らの表情豊かなことよ!

猫だって相手が誰かわかっているし、

ゴハンをくれる人、トイレ掃除してくれる人は

ちゃんと認識している。

 

 

 

一方、別の友達R夫婦の家にも猫がおり

ごくさいきん仲間が増え3匹になった。

生後間もない仔猫をひきとったのだ。

 

空腹で鳴くから3時間おきにミルク、

それも最初は合うのが分からず

お腹をこわし大変だったという。

 

排泄はとうとつに出てくるので都度、水洗い。

まぁとにかく育児再現よ、というRは3人の母。

寝不足で目の下にクマがくっきり。

 

 

ふつう仔ネコは、最低でも2ヵ月までは

母猫と一緒に過ごすのが望ましいらしい。

 

だのに、この母猫はどういうわけか

育児を放棄したのだという。

元の飼い主が外出から戻ったら、4匹いた仔猫に

母猫は乳を与えず放置していたという事だった。

 

かろうじて生き残った茶トラ色の仔猫を、

Rたちは引きとり育てることにしたわけ。

 

 

R家の長老ネコはというと、まだ10才余りだが

4月に入ってとつぜん頭部にコブのような膨らみができ

調べたら悪性腫瘍ということだった。

 

コブは少しずつ大きくなって、

5月初には左目を少し圧迫する感じになり

もう目が全開できないようだった。

 

もはや治療する術はないです、

化学療法もあるけどどれだけ効果があるか…と

獣医が言い、私たちは皆ショックを受けてしまったけど

Rたちは延命の化学治療はしないと決めた。

 

そんな気持ちを知ってか知らずか

本人は至って静か。

 

痛いとか苦しいとか、どう感じていたのか…

先週、静かに眠るように逝った。

 

というわけで、

一時的に3匹になったR家の猫ファミリーは

また2匹に戻った。

 

 

ちなみに犬は、イタリアでは農村の番犬などは別として

まず飼い主と同じ家の中に一緒に住む。

庭に繋いでおき散歩のときだけ歩くなんてことはない。

日本と違って畳はないし、床は洗えるタイルかフローリングだしね。

人のベッドに上げて寝るかどうかは、家庭で意見が分かれるところ…

 

 

 

スペインに住む娘一家を訪ねた友達、

孫たちと楽しい時間をすごしたそう。

数日後に帰宅したら

 

飼い犬は嬉しさのあまり吠えすぎて過呼吸?で失神。

飼い猫はさっそく庭でトカゲを捕まえ、足元に献上したそうな。

 

 

動物たちのシンプルな愛情表現  飛び出すハート

 

 

生まれること、生きること、死ぬこと、自然のしくみ。

 

若い命、年老いた命。

淡々と生きるように見える動物たち。

 

生きるために、生きる。

 

そんなことを感じる北イタリアの日々。