イタリア便り 甘い&辛い Italia dolce ed amaro

イタリア便り 甘い&辛い Italia dolce ed amaro

北イタリア暮らし28年目
Dolce 甘い Amaro 苦い Piccante 辛い Salato しょっぱい、な日々

ボンジョルノ~

暑くて思考回路もショートしそうな真夏。

 

日本より少しは湿度が低いものの、

ここは本当に北イタリアなのかな?!

 

日なたに停めておいた車に乗りこむと

車内温度計は50度以上を示している💦

 

 

 

さてイタリアにも「オレオレ詐欺」はあるの?

とよく聞かれるが

 

その答えは

 

ほぼ無いですね。

 

 

なぜなら

 

親が我が子の声を間違えることが、

まず無いので。

 

 

じゃぁそれはどうして?といえば、簡単。

 

 

イタリア人親子は

 

 

ほとんど毎日、

 

 

電 話 し て い る か らw

 

 

電話魔=イタリアン

 

 

ちなみに欧州で一番の携帯普及率を誇るのは、

もちろんイタリア。

 

また、あなたが飛行機でヨーロッパを旅したと

想像みてください。

 

着陸した瞬間に通話モードにして

「いま着いたよ」と

母親または妻、彼女に電話するのは

 

間違いなくイタ男。

 

なんか話し反れてきた…

 

 

ともかく

マンマ(お母さん)たちは、

 

子供らが何歳であっても

毎日ほとんど電話しあう。

 

まぁ、お父さんも。

 

 

生まれてから学校、職場までが

すべて同じ市内で済むことも多々ある

イタリアの作りなので

 

会いに行ける距離であれば

さっと親の家に立ち寄るのはごく普通。

 

 

ただイタリアで、働く独身の大人が

親と同居しているパターンは

相当に珍しい方。

これはまた別の機会に話すとして

 

 

もちろん中には

遠く何百キロも離れて暮らす親子もいる。

外国に住むことだって多い。

 

でも、どれだけ近く&遠くに住んでいても

距離は関係なく

 

 

ほぼ毎日、

最低でも10分は電話する

最近はもっぱらビデオ通話ですよね。

 

 

内容は別に大したこともなく

今日は何があった、何食べた、どこ行った、

そんな感じの報告。

 

 

というわけで

 

赤の他人に「マンマ、おれだよ俺」

Mamma, sono io, sono io! 

 

などと電話されても

 

は? 誰じゃい? 

 

秒で終わる。

 

 

従って、日本であるような

オレオレ詐欺は成り立たないわけ。

 

mike

 

その代わり、でもないが、

被害が増えているのが

 

銀行など金融機関に成りすましたもの。

 

電話もしくは、チャットで来るという。

 

「あなたの口座が危険です」

「クレカで〇〇ユーロの支払いが発生しました」

 

日本でも多い手口とは思うが

 

どうして?? と呆れるくらい

リンクをクリックしたり

簡単にパスワードなど伝えてしまう人がいる。

 

 

そんなのあり得ないと思っていたけど

実際ここ半年くらいの間に

知っている人が3人、

 

口座から有り金ぜんぶ引き落とされた

という話を聞いた。

 

偶然だが皆さん40代男性。

 

はぁ?? (@_@)

 

お気の毒。自業自得とはいえ… 

 

 

あと、これはどうやら新たな手口らしいが

 

日本でいうLINEのようなチャットアプリに

知らない番号からこんなメッセージが来る。

 

「チャオ。今日20時から4人で予約したよ、

 コンファームお願いしまーす」

 

ピッツェリアかレストランと間違えてる?と

思わせる内容。

 

気になった人が返信したりすると

向こうの思うツボ、となるみたい。

 

私にも立て続けに3~4件きたけど

ブロックするまでもなく速やかに消去。

 

しつこかったらブロックと思ったけど

なんといっても

一番良いのは相手にしないこと。

反応しないこと。

 

なかには非常に巧妙なのもあって

あれ? と一瞬、気を引かれたりする。

やれやれ、気を付けよう。


 

on the sea


さて日本の学校もやっと夏休みですね!

 

こちらはもう1ヵ月以上前から、

9月半ばまで長い夏休みですわ。

 

先生も生徒もいいなぁー 

Buona estate!

北イタリアでは例年4月ごろ雨の日が増え

ちょっとした日本の梅雨のようになる。

 

雨を吸ってぐんぐん育った木々は

5月には目の覚めるような新緑を芽吹かせる。

豊かな緑は、そのままイタリア国旗にも含まれる。

 

Verdeヴェルデ+Biancoビアンコ+Rossoロッソ  

 イタリア  イタリア  イタリア  イタリア  イタリア  

 

バジリコ、スパゲティ、トマトの3色だよ 

とイタリア人たちは笑っている。

(それを言うなら日本のはまさに梅干し日の丸弁当…)

 

 

しかし今年はなんだか空模様がずっとおかしいまま、

ぐずついた天気ばかりで6月も終わろうとしている。

 

我が家の猫の額ほどのベランダ、一年前の写真を見たら

ハーブ類や紫蘇などもりもり育ち始めていた。

ラベンダーに越冬したシクラメンなども色とりどり。

 

今年はといえば植え替えや種まきのタイミングを

完全に逃してしまった… 

 

  雨  雷  雨  くもり  晴れ  霧 

 

 

さて、一部の人の言動だけで

「イタリア人は」とか「日本人は」などと

カテゴライズしても仕方のないことだが

 

やはり 国民性 というのか、お国柄ってありますよね?

 

ある程度の大雑把な思考パターン、行動パターンは

出身地(育った環境)に左右されると思っている。

 

イタリアで生まれた日本人でも、

こちらの学校へ通ったなら中身はイタリア人になるように。

 

というわけで長年イタリアで働いている私だが、

生まれ育ち、社会人生活最初の数年は日本なので

やっぱり思考回路の根っこは日本人のソレである。

 

 

もう何度も書いているけど、私のザックリ印象は

 

日本人は 日本 

計画をしっかり立て、入念な準備で完全遂行。

常に先を見越して備えている。辛抱強く几帳面。

チームワーク重視。

 

突発的なできごと → 対応下手、即決しない

       責任とりたくないのか?黙っている。

 

イタリア人は イタリア

細かいプランに沿って進行 → しない(できない?)

入念な準備 → しない(できない?)

 

目の前のことから対処 → とっ散らかる、収集つかない

           時間はエンドレスに延びる。

 

突発的なできごと → そもそもいつもそう、問題なし

      責任とか関係なく思いついたら直ぐ言う。

      無限の体力、根気強い(めちゃ頑固)。

 

 

ひらめきや解決策はどちらもキチンとある。

でもそれをまず、計画に落とし込みゴールを設定し

そこに向けて最も効率的に進めたいのが日本人。

 

ひらめいた事を片っ端からとりあえずやってみて、

どんどんモディファイし、帳尻合わせ天才なイタリアン。

こんな感じかな。。

 

 

世の中に日伊合弁プロジェクトは星の数ほどあろうが、

この辺の違いが 

 

ものすごいストレス

としか思えない場合は、まぁうまくいかない。

 

そういう例もいろいろ見てきた。

衝突するだけで歩み寄れずに終わる。

 

特にジャパン・アズ・ナンバー1を生きた世代は

イタリア人なぞ完全に馬鹿にしきっている。

よく知りもしないのに。

稀に、そういう傲慢な人たちも見てきた。

 

 

人間の「自分の方が正しい」という思い込みは

なぜあんなにも強いんでしょうね。

 

もちろんアタマではよく理解しているつもりの私ですら

疲れてくればどうしても、彼らが時間にルーズに思えて

イラァッむかつき となる。

 

 

逆に、日伊それぞれの長所をうまく活かせたら

本当に最強チームだと思う。

 

 

なんというか、言葉でうまく表せないが

 

日本人とイタリア人の根底の感性は

とても近いものがあると、私は勝手に思っている。

 

美を感じ得る繊細さとか

豊かな四季と自然に囲まれた国土を持つ共通意識、

 

DNAに刻まれた手作業 ものづくりの心や

深く幅広い地方の伝統と文化

 

義理人情に厚いところや

ちょっと小狡い人間臭さも受け入れちゃうところとか

 

 

 

だからうまく歯車がカチッと噛み合うと

奇跡のような素晴らしい力がうまれる。

 

 

そんな瞬間が味わえるから 

なんだかんだ言って

まだ私はこちらで働き続けるのだろうと思う。

 

一生懸命な日本のビジネスマンたちに乾杯!

愛すべき憎めないイタリア人たちに乾杯!

 

猫3匹と同居する友人、アレッシア。

2年前までは4匹いた。

 

猫たちはいずれも15才をこえ、

長老格はそろそろ20年近く生きている。


どの猫さんも腫瘍やら何かしら病気、問題があり

アレッシアはしょっちゅう動物病院に行く。

長生きしてほしいから可能な限り手は尽くすという。

 

 

ときどき留守を預かり

キャットシッターを引き受けるが

この猫はこの薬、あちらは別のソレ、と多々あり

うまく与えられないこともあるから

私は少しばかり緊張する。

 

私も猫と住んでいるからわかるが

とにかく彼らの表情豊かなことよ!

猫だって相手が誰かわかっているし、

ゴハンをくれる人、トイレ掃除してくれる人は

ちゃんと認識している。

 

 

 

一方、別の友達R夫婦の家にも猫がおり

ごくさいきん仲間が増え3匹になった。

生後間もない仔猫をひきとったのだ。

 

空腹で鳴くから3時間おきにミルク、

それも最初は合うのが分からず

お腹をこわし大変だったという。

 

排泄はとうとつに出てくるので都度、水洗い。

まぁとにかく育児再現よ、というRは3人の母。

寝不足で目の下にクマがくっきり。

 

 

ふつう仔ネコは、最低でも2ヵ月までは

母猫と一緒に過ごすのが望ましいらしい。

 

だのに、この母猫はどういうわけか

育児を放棄したのだという。

元の飼い主が外出から戻ったら、4匹いた仔猫に

母猫は乳を与えず放置していたという事だった。

 

かろうじて生き残った茶トラ色の仔猫を、

Rたちは引きとり育てることにしたわけ。

 

 

R家の長老ネコはというと、まだ10才余りだが

4月に入ってとつぜん頭部にコブのような膨らみができ

調べたら悪性腫瘍ということだった。

 

コブは少しずつ大きくなって、

5月初には左目を少し圧迫する感じになり

もう目が全開できないようだった。

 

もはや治療する術はないです、

化学療法もあるけどどれだけ効果があるか…と

獣医が言い、私たちは皆ショックを受けてしまったけど

Rたちは延命の化学治療はしないと決めた。

 

そんな気持ちを知ってか知らずか

本人は至って静か。

 

痛いとか苦しいとか、どう感じていたのか…

先週、静かに眠るように逝った。

 

というわけで、

一時的に3匹になったR家の猫ファミリーは

また2匹に戻った。

 

 

ちなみに犬は、イタリアでは農村の番犬などは別として

まず飼い主と同じ家の中に一緒に住む。

庭に繋いでおき散歩のときだけ歩くなんてことはない。

日本と違って畳はないし、床は洗えるタイルかフローリングだしね。

人のベッドに上げて寝るかどうかは、家庭で意見が分かれるところ…

 

 

 

スペインに住む娘一家を訪ねた友達、

孫たちと楽しい時間をすごしたそう。

数日後に帰宅したら

 

飼い犬は嬉しさのあまり吠えすぎて過呼吸?で失神。

飼い猫はさっそく庭でトカゲを捕まえ、足元に献上したそうな。

 

 

動物たちのシンプルな愛情表現  飛び出すハート

 

 

生まれること、生きること、死ぬこと、自然のしくみ。

 

若い命、年老いた命。

淡々と生きるように見える動物たち。

 

生きるために、生きる。

 

そんなことを感じる北イタリアの日々。