芝学園講堂の宇宙船ぽさがたまらない
たまたまこの付近を歩いていたんですが、びっくりしました。
なんだこの建物はと。宇宙空間で遭遇した方がさほど違和感のないこの外観。
これはきっと有名なモダニズム建築に違いないと調べたところ芝学園の講堂で1966年竣工とのこと。
僕が学生のころでは逆立ちしても入れない名門校ですが、生徒の方がうらやましいですね。
この特異な形状ですが、シアター形式の講堂だと思うと理解が早くなります。
左側のでっぱり部分から斜めへのラインは、2階観客席部分の形状です。それを屋根(?)のようにして、エントランス部分に使用しているわけですね。形態は機能に従うとはこういう建築のためにあるのかなと感じてしまいます。また、中央右のでっぱりは2階客席部分の階段でしょうかね。また、縦のラインは強度を増すための梁でしょうが、デザインとしてもアクセントになっています。ない方がすっきりする気もしますが、そうするとシンプルになりすぎるかなと。
こうした構造丸出し感が宇宙船というイメージにつながるわけですね。僕だけかもしれませんけど。
また、この講堂を調べたところ、第21回BELCA賞ベストリフォーム部門 という賞を受賞していました。外観があまり評価されていないところが納得いきませんが、きっと内装もすばらしいのでしょうね。ちなみに第一回の受賞に丸ノ内ビルヂングが含まれてることが涙を誘います。もうないがな。
街中を歩いていて楽しいのはこういうまだ出会っていないモダニズム建築に突然出会えることですね。
日本万国博覧会のパビリオンとレゴの親和性は高い
太陽の塔の内部が常時公開がニュースになるなど、今でも話題に上がる日本万国博覧会(大阪万博)ですが、なぜそんなに人気があるかというと、今では信じられませんが1970年ってまだ場所によっては普通に蒸気機関車が鉄道輸送の主力として活躍していた時代でもあるんですよね。そんな中たとえば万博の周囲を走っていたモノレールは運転手のいない自動運転だったんです。科学技術による生活の進歩という日本の行く先を明確に示す場でもあったわけで、日本にとって特別な意味を持つイベントだったんですよね、大阪万博って。
またパビリオンの色も白が多いですが、日立グループ館や電気通信館、虹の塔、三井グループ館などなど原色を使用したカラフルなものも多く、「未来はバラ色!」的な気持ちにさせてくれます。
さて、ようやく上記写真についてですが、レゴ(息子(4歳)の所有物)でガスパビリオンを再現してみました。テーマは笑いの世界だったそうでなるほど、正面からみると笑っているように見えます。
以下本物の画像のリンクですが、たぶん並べるどちらが本物か瞬間ではわからないと思います。嘘ですけど。
ガス・パビリオン画像
レゴのカラフルさと大阪万博のパビリオンのカラフルさ、造形の奇抜さはとても親和性が高いことがよくわかります。またレゴは引き算の造形というか、角ばったブロックと少ない部品ではおのずと本物に近づけることは最初から不可能となるため、デフォルメせざるを得ません。ですがそれが逆に本物の要素を際立たせる逆説の効果を発生させるわけですね。(本当だろうか?)
そして翌日には本物の万博同様、息子(4歳)に破壊されたました。第2弾として太陽の塔も作ったのですが、使徒みたくなってしまったため、公開は見送りました。何が言いたかったかというと、大阪万博もレゴもすごいよね、ということです。(たぶん)
あと上の写真はフォトショップでちょっとスポットライトを照らしてみました。
ありがとうガス・パビリオン。
景観VS公共事業
まあ推測するまでもないですけど、都市景観整備のために道路をタイルで覆った後に、地中に埋められた配管の工事をしたんでしょうけどね。これ鎌倉なんですけど、なんとなく景観への配慮が高そうな街な気がしますが、どうなんでしょうねえこれは。もうちょっとなんとかならんかったのか。
あ、ちなみにPhotoshopで加工したので、ここまで色が鮮やかってわけでないです。グーグルマップ先生で見ると、とほほになる前のものが見れますね。
http://maps.google.co.jp/maps?q=%E9%8E%8C%E5%80%89&hl=ja&ie=UTF8&ll=35.317455,139.549514&spn=0.001077,0.002328&sll=34.794951,136.015481&sspn=35.200333,76.289063&brcurrent=3,0x601845c20bcd49e7:0x7e56f1c0a0166015,0&hnear=%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E9%8E%8C%E5%80%89%E5%B8%82&t=m&z=19&layer=c&cbll=35.317455,139.549514&panoid=89vdRAxzWFG9IDRe5D9ywA&cbp=12,306.74,,0,27.18
竹山団地の人工池を見ずして団地好きを語るなかれ
小生団地好きを名乗っているにも関わらず、完全にノーマークでした。お恥ずかしい限りです。
神奈川県住宅供給公社の竹山団地のことです。
1971年の完成です。建設は鹿島建築で、現在の総戸数は2471戸だそうです。2800戸という記載もあったりして、もしかしたら竣工当時は今よりも団地数が多かったかもしれません。いずれにしてもマンモスコミュニティですね。南北に細長く、団地入口から端まで約1.1kmあります。また、丘陵地に造成されており、団地内の高低差はかなりのものです。
そして、竹山団地の最大の特徴がセンターゾーンにある人工池です。書き間違えではありません。これ人工池だそうです。
センターゾーンの設計は神奈川で特徴的なモダニズム建築を残しつつ、歴史的な評価が進んでいない群建築研究所です。ホームページに竹山団地に関する記載 があったので転記します。
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神奈川県住宅供給公社の竹山団地センターゾーンの場合には、中央に約1haの人工湖が計画された。以前の地形が谷戸・水田であったことから、その環境が尊重され、開発に伴う雨水の調整機能も兼ね備えて造成された。センターゾーンに必要な各種施設、全てこの人工湖に面するように配置され、近年話題になっているウォーター・フロントの良好な環境を形成している。生態系の完結した集合である水辺の自然を居住環境に取り入れた先進的な計画であり、このような人工湖を持つ団地は我が国にはまだ出現していない。--------------------------------------------------------------------------------
この人工池の存在が竹山団地のランドマークとなっており、住民を惹きつけているだろうことは想像に難くありません。
上の写真をちょっとアップするとこんな感じです。1階部分が吹き抜けになっおり、反対側にある道路から池側を見ることができます。わざわざこのような複雑な構造にしたのは、人工池の存在を強調するためだと思います。また地下一階部分(?)は商店街になっています。
さらにアップです。こちらは向かって左側の3101号棟ですが、特異な構造がよくわかりますね。果たしてこのようにせり出す必要があったのかどうかちょっと質問しそうになってしまいますが、それは野暮というものですね。
真横からみるとこんな感じです。写真の真ん中左下にあるスロープはあとで説明しますが2重構造になっていて、とてもユニークです。右下のでっぱりの構造物はトイレの入口です。
真横からの写真のアップです。一階部分は各住居へのエントランスと駐輪場と駐車場になっています。
各住居へのエントランスです。アールがかわいいですが、かなり狭い印象を受けます。1階部分のほぼ中央にあり、他の棟は構造が全く異なります。僕の予想ですが、建物のプロポーションをよく見せるためこのようは構造にしたのではないかと思います。
ということで、らせん階段になってます。団地でらせん階段なのは他にはスターハウスぐらいではないでしょうか?
人工池の反対側からです。
<スロープ>
3102号棟と3103号棟をつないでいるスロープの構造がとても面白いんです。2重構造になっていて、外周は高低差がゆるやかなスロープになっています。内側は階段になっており、勾配は急ですが、動線としては短いわけですね。
横から見るとこんな感じです。僕は最初よくわからなくて、階段を降りてから上る側のスロープ側に行ったら
元の場所に戻ってしまいました。無限ループ。
真横から見たところです。外周が完全なスロープにはなっていないのは、自転車とかで行こうとすると危ないからですかね。
<スロープ2>
これは3101号棟がわにあるスロープというか階段ですが、モダニズム全開のデザインが素敵すぎます。
プレキャストというのは工場で部品を作って、現地では組み立てるだけという工法でコストと納期を短縮させる工法です。僕は文系なのでちょっと自信ないんですが、これはおそらくプレキャスト工法だと思います。梁の部分を切りそろえることなくデザインとして使用しているわけですね。(たぶん)
メタボリズム建築との親和性も感じてしまいますね。
パイプが気にります。他の場所ではこのような構造は見受けられませんでした。
<近隣住区論6点セット>
当時の大規模開発団地は近隣住区論の影響が強いわけですが、竹山団地は僕の中での近隣住区論6点セット「小学校」「幼稚園」「商店街」「病院」「銀行」「郵便局」がすべてそろっているところが感動を呼ぶところです。
この案内図を見て興奮しているのは僕くらいでしょうが、当時の理念が珍しくまだ生きているんですね。
あまり特徴がないと思って一枚だけ写真を撮っただけなのですが、地図で見ると校舎はL字型を重ねたような構造になっていて、もしかしたら興味深い建物だった可能性があります。もうちょっと見ておけばよかったかも。
なんと幼稚園は2つあります。こちらは竹山幼稚園。
このとがった部分のオブジェ(?)がたまりせんね。科学万能主義と子供の無限の可能性が表象表現としてよくあらわされていると思います。大阪万博のソヴィエト館を彷彿させるものがありますね。(と思っているの僕だけだと思いますが)
こちらも幾何学的な構造がたまりません。
こちらは竹山南幼稚園です。
竹山幼稚園に比べて運動場が無駄に広いですね。奥にスタンドも見えます。
堂々たる商店街のラインナップ。団地内商店街はだいたいシャッター通りになっているか、営業していても相当に寂れているかのどちらかですが、竹山団地内の商店街は珍しく活気があります。
おそらく2000戸以上という戸数、坂が多いという地形、徒歩圏にライバルとなる複合ショッピングセンターがない、A-COOPという商店街の旗艦店が存在する、といった複合的な要素が重なり、近隣住区論が想定した日常の買い物は団地内でという想定が今でも有効性を持っています。
A-COOPです。この充実した商品群もいいですが、なんといってもこの梁(なんでしょうか)ですよね。このマッシブサはたまりませんね。こういうのをますらをぶりと言うんでしょうね。(絶対違う)
天井の正方形のユニットもプレキャストなんでしょうけど、構造をあえて見せているところがたまりません。バイトするならここでしたいです。
こちらは商店街ですね。向かって左側が人工池になります。
和菓子の大平屋。只今世間話中。。
鳥の巣&糞対策。
竹山病院です。地域密着の総合病院のようです。
上の案内図と同じ位置にあったので、竣工当時から場所が変わっていないと思います。
このように日常生活で必要なインフラは団地内に設けておくというのが近隣住区論の特徴のひとつです。だいたいの大規模団地ではモータリゼーションの発達に伴って近隣住区論の理念は古いものとなってしまったわけですが、竹山団地特有の環境と、それぞれの店舗の努力によってコミュニティセンターとしての機能を今も果たしているのだと思います。
<ポイントハウス>
さて、ようやく団地です。ポイントハウス、中層棟、高層棟とありますが、やはりポイントハウスのかわいさはたまりませんね。この写真の一番手前は4201号棟で、7棟が並んで立っています。壮観です。
4207号棟です。真ん中に階段があってそこから左右に分かれているわけですね。ちょっと張り出しているベランダがかわいいですね。
こちらは(たぶん)2206号棟です。4棟並びで構造はおそらく同じですが、外壁塗装の時期が違うのか、雰囲気がまた異なりますね。
2207号棟です。周囲の空間に余裕があるのがこの時期の団地の特徴ですね。贅沢です。
センターゾーンに手をかけすぎた反動なのか、非常にオーソドックスな作りです。でも、同じ中層棟なのに階段部分の両側に柱がせり出しているものとそうでないものがあります。せり出しているパターン(上の2つ)も、それぞれちょっとデザインが異なっているところが興味深いですね。
<高層棟>
3104,3105.3106の3棟が高層棟になります。
こちらは人工池の反対側から。
3106号棟は段差があります。段差フェチにはたまりません。
そんな段差フェチの方のために、段差部分のアップ(笑)
かなりの高低差ですね。
やはり高層棟になると強度が必要なのか、柱と梁が目立ってきます。
こちらは3105号棟。すっきりとした佇まい。
<オープンルーム>
なんとオープンルームが開催されていたのでちょっと覗いてみました。というか580万!頑張ればキャッシュで買えそうです。ちょっと本気で考えてしまいましたよ。
玄関です。写真だと広く見えますが、実際は狭めの印象です。
6畳の和室です。
こちらも6畳の和室。ふすまの破れた感じがとても昭和を感じますね。
こちらは4畳の和室。というか4室中和室が3部屋。
キッチンです。リフォームが必要でしょうか。でも580万ですから。
窓からの眺めです。公園があるので、眺望はいいですよ。いかがですか、580万。(しつこい)
なんと驚きのユニットバスです。でも・・(以下略)
団地好きブログでバスまで載せたのはあまりないと思います。(笑)トイレの写真も撮りましたがさすがにやめておきます。
<公園>
すでにかなりお腹いっぱいですが、公園もかなり見どころいっぱいです。こちらはオーソドックスな公園ですね。
堂々の2基編成の滑り台です。予算が余っていたのでしょうか?興味は尽きませんが、誰も遊んでいません。
おそらく豚さんです。手前の台座にもきっと何か動物さんがいたんでしょう。情報求む(笑)
竹山中公園の裸足で歩くと健康になるやつ(正式名称失念)です。記念にやっとけばよかったかな。
これも竹山中公園です。まるで森の中。とても団地内の公園とは思えないですね。
こちらは竹山2丁目公園です。ただっぴろいです。
上の写真の奥に見える階段です。このくらいの長い階段が至る所にあります。
2丁目公園には池もありますよ。
photoshopで作ってみました。壁紙にいかがですか?
というわけで竹山団地のレポでした。記事の後半に疲れがみえて、文字数が減ってますがご容赦ください(笑)
長くなってしまったので文章だけにしますが、団地内をかなり車が行きかっているんですよね。センターゾーンにバス停もあります。近隣住区論では幹線道路は団地の中には配置しないのですが、団地を歩いていてわかりました。勾配がきついんです(笑)だから、歩車分離をして安全を高めるよりも、自動車の利便性を取ったのだと思います。そういった作り手の住環境を改善するという理念や思想を感じ取ることができることが、1970年代ごろまでに造成された団地の魅力です。
それがマイナスの方向で作用してしまった滝山コミューン1974で有名になった滝山団地のケースや、住環境の整備に一応のめどが立った以降の消費する商品となってしまった公団住宅の話もありますが、それは次の機会で。
とにかく竹山団地の人工池。一見の価値ありです。
藤沢市労働会館のモダニズムっぷりはヤバい
何も知らずに偶然にこの建物の前を通りかかったのですが、僕のモダニズム建築アンテナが反応しました。これはかなりやばいのではないかと。まずこの地上階部分の軽やかさですよね、なんとなく菊竹清訓のスカイハウスを思い出しました。これはいい物件だ。
この建物、「藤沢市労働会館」(鉄筋コンクリート造一部鉄骨 地上4階、地下1階) といって、1976年に福利厚生施設に恵まれない中小企業労働者や各種団体の余暇・サークル活動・研修の場として、また地域住民の憩いの場を併せ持つ施設として開館したそうです。時代がかった名前ですね。とても素敵です。
設計は「群建築研究所」という設計事務所でした。神奈川を中心に活躍されていた建築事務所のようで、この藤沢市労働会館は1976年の神奈川県下建築コンクール最優秀賞を受賞しています。由緒ある建築なのですね。ネットで探してもあまり出てこないので、この藤沢市労働会館も群建築研究所も評価はこれからなのかもしれないですね。
群研究所(群建築研究所から改名?)のホームページ に、藤沢市労働会館に関する記述があったので転載します。(転載不可の場合はその旨ご連絡頂ければ削除致します)
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藤沢市労働会館の場合には、見晴しの良い小高い崖上の、かつての豪勢な住宅敷地の地形が利用された。主要な施設、ロビーやホール・食堂は地下に収められ、敷地の地上階は周辺の住民が自由に通り抜け、憩える広場として計画された。見晴しを遮らないよう高層棟の地上階はピロティ、ロビーやホール・食堂などのトップライトが広場の修景を形成している。良好な住宅地に規模の大きな施設を計画する場合、周辺の環境を損なうことなく、むしろそれを補強する手法が今後必要とされている。全体は蔦に覆われた城跡のイメージ、鉄部も錆仕上げである。
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確かに城跡っぽいなと思っていたら、そのイメージで作られていたんですね。また、周囲の環境に馴染むように作られたということですが、1976年当時にすでにこのような意識を持たれている建築家の方がいらっしゃったんですね。
うーん、確かにお城っぽい。ちなみにこれが入口です。
当日は休館日でしたが、中に入れました。内部もモダニズム全開です。レストランもあるようなので、ぜひ今度は開館日に行ってみたいですね。
建物の裏側からです。かなり傾斜のある土地に建てられているのですが、この写真からそれがわかりますよね。
また、上記でリンクした群研究所のホームページを見ると、地上階部分に当時は囲いがあったようですね。一枚上の写真の窓を覗き込んでみたのですが、なんと大ホールでした。219席あるそうです。左のパイプはいったい何なのでしょうね。ロシア構成主義に通ずるマッシブさを感じてしまいます。(たぶん違う)
平日は商業目的でなければ、市外の人でも全日39,150円で利用できるそうです。借りてみようかな(うそ)
ということであまりにうれしかったので久しぶりにブログの記事をアップしてしまいました。こんな素敵なモダニズム建築が注目されていないなんて、ちょっと意外でした。一応ドコモモジャパンの会員だし、提案してみようかな。
出水市役所はえらいモダンだった
去年の年末にばあちゃんがなくなり、久しぶりにばあちゃんちであるところの鹿児島県出水市に行ってきました。鶴の飛来地で有名なところです。もう大往生と言っていい歳だったのですが、やはりさみしいものですね。
さて、僕は仕事の出張で地方に行く機会がそこそこあるんですが、あれですね、JRの駅は立派だけど電車は1時間に一本だけ。駅前は寂れていて、栄えているのは国道沿い。しかもブックオフとかマクドナルドとかコンビニとかのチェーン店ばかり、という風景は全国の地方都市で共通なんでしょう。三浦展のいうところのファスト風土がばあちゃんちにも出現しておりました。
そんな中で久しぶりに出水市役所をまじまじと見たのですが、あれ、こんなカッコよかったのか。ほれぼれとしてしまった次第です。このグリッドの感覚がたまらないですね、リズム感があるというか。あと写真中央のエントランスのタイルの感じにもよだれが出そうです。
昔のプロポーションを保っていてすっぴんでも全然イケる美熟女といった趣でしょうか。(たぶん違う)
地方の年代物の市役所は予算がないせいで、改築がままならず、結果として当時の姿を保っていて僕のような一部のマニアが喜ぶような物件がまだまだあるのかもしれませんね。
ガソリンスタンドが示すアイコン
モノが示すアイコンっていろいろあると思いますが、ガソリンスタンドと言えば、大量消費社会を思い浮かべます。
ガソリンスタンドと言ってもサービスが行き届いていて、ノボリがやたらあるような日本のガソリンスタンドではなく、アメリカのかつて栄えた町でオーナーのおっさんが「ここもこんなにさびれちまった、昔は・・・」というようなガソリンスタンドのほうがなんとなくしっくりきます。(アメリカに行ったことがありません。あくまで想像)
そんな気持ちで上の写真(photoshopで加工済)を撮った後そんなことを考えました。
このガソリンスタンドは日本であって、日本ではない場所。米軍の施設の中のガソリンスタンドです。
横浜の根岸に米軍住宅があり、そこで年に一回フレンドシップデーというのが開かれます。屋台やステージ、子供用の遊具(トランポリンとか)などがあり、かなり規模も大きいお祭りです。
普段は中に入れないので外から見るだけなのですが、いつも閑散としているなと思ってました。
集会場とかが入っているコミュニティセンターなんだろうなと思っていたのですが、映画館やボウリング場、プール、スーパーマーケット、ピザ屋さんなどがその施設の中に入っており、ちょっと驚きました。アメリカ人が必要としている施設はおそらくすべて備えられているのだろうと。ちなみに映画館で上映されている映画はカンフーパンダでした。
事の是非は別として、戦後ずっと日本の中ににアメリカは存在し、日本自身も相当にアメリカナイズされいることに疑問の余地はありません。上のガソリンスタンドになんとなく郷愁を覚えてしまう自分もまたいたりします。
自分の中に肉体化しているアメリカとそれを拒絶したい自分がいますね。きっと親離れできない子供なんでしょうね。個人レベルでも、国レベルでも。
当ブログはコンテンツフリーになりましたのでご報告です。
企業の四半期決算の開示よりも更新回数が減ってしまった当ブログですが、何か皆様のお役に立てないかなと
考えまして、その結果ただ今を持ちましてこのブログがコンテンツフリーになりました。
まあ最近読んだ内田樹先生の本の影響といえばそれまでなんですけどね。
たとえば上の写真はすでに取り壊しが完了しており現在は跡形もない三信ビルの内部の写真でして、
もう撮ることができないわけですが、ご自由にお使いいただいて結構です。
もちろん文章もコンテンツフリーです。また画像や文章の二次改変もどうぞご自由に。
自分が撮った!とか書いた!と言い張っても怒りません(たぶん)
コンテンツフリーですので、画像の販売サイト等に登録されてもかまいませんが、おそらく時間の無駄になると思います。
ではどこかでこのブログに掲載した写真や文章に出会えたらいいなと思いつつ。
AOビルの奇抜さはなんとなく認めていいなと思う理由
普段は全く縁のないところですが、会社の同僚の結婚式の二次会の場所がそこだったという話でして。
今の会社に転職して2年弱なんですが、勢いで2次会に参加してみたたものの、
なんだか新郎新婦の同期会の様相を呈していました。
だもんで若干アウェー感が満載で、またそんな時に限ってフリーな時間が長かったりなんかして
居たたまれなくなって1人で散歩に出たときに撮ったのが上の写真です。
嫁さんにこの話をしたら「ありえない」と言われました。ええ僕もそう思います。2次会でひとりぼっちかよ。
ともあれ末永くお幸せに。
さて前置きが長くなりました。
青山3丁目に建つこのAoビルなんですけど、依然タモリ倶楽部で見てから、是非見に行きたいと思っていました。
テレビでは超法規的建築とその時呼ばれてましたけど、建築基準法を犯しているわけではなく、
建築基準法が想定していないような使い方をしてみました。というような紹介のされかたでした。
確か日照の基準を満たすためにこんな形状にしてみました。というような解説だったと思います。
上に行くに従って面積が大きくなっていく所が歴史主義に対する挑戦のような気もしますが、
不思議とそんな嫌な感じがしません。ランドマークとして自己主張しつつ、周囲に馴染んでいる気がします。
理由はおそらくいくつかあって、まず青山という消費の先端を行く街だからというのがひとつあると思います。
新しいものを受け入れる土地柄というのはやはりあるのでしょう。
西新宿でやや浮いているコクーンタワーとは対照的です。
また、外壁の素材感ですね。なんとなく軽やかです。
ガラス張りで柱は強調されておらず、むしろ縦のラインの細さを強調している気がします。
今はやりの脱建築の一つなんでしょうかね。
個人的にはkait工房や仙台メディアテーク、海外だとプラハのダンシングハウスあたりを見てみたいかなあと。
そんなことをつらつらと考えながら人生初の2次会ビンゴの当選の袋を下げながら(お茶とかでしたが)
帰宅しましたとさ。おしまい。