グリーンランタン:リバース/ジェフ・ジョーンズ

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初心者向けのアメコミの一冊とも言われるこの作品。確かに、事前の知識はほとんど必要ないし、絵も癖がないので、読みやすいが、それ以上に主人公や世界観に魅力がある。
主人公は、ハル・ジョーダン。「恐れを知らぬ男」「最高のグリーンランタン」と評されながらもま堂に堕ち、世界を歴史ごと変えようとしたり、かと思えば、失われた太陽を再点火しテ太陽系を救ったり、地獄から魂を召喚され、救済の精霊として転生したりと、なかなか慌ただしい人生を送っている。
これも、人気のテコ入れとして「スーパーマンの死」「バットマンの引退と復活」に並ぶイベントのせいなのだが、かつてのヒーローにそこまで悪堕ちさせるのも、アメコミならでは。
今回、ハルは十年ぶりにヒーローに帰還する。彼がどんな人物だったのかは、彼の昔の姿を知る友人の言葉でよくわかるし、彼の帰還を唯一快く思わないバットマンの言動で、悪堕ちしたハルがどれだけの事をしでかしたのか、その罪の重さもわかる(ただ、この時期のバットマンは人間不信モード)。
物語は、ハルが悪堕ちした際の名であるパララックスと言う存在が戻ってくると言う不気味なメッセージとともに始まる。同時に、ハルの身の回りに不思議な現象が起こり始め、ジャスティスリーグやグリーンランタンのメンバーは警戒を強める。
そして、衝撃の事実が明らかになる。パララックスは本来、知的生命体の恐怖と言うものに寄生する存在で、遠い昔に封印されたはずだったが、自ら復活するために、強い意志を持つ知的生命体を探し求め、ハルに寄生したのだと言う。心の奥底に芽生えた小さな不安や恐怖は次第に理性を蝕み、凶行に走らせてしまうのだが、だれしもが思ったように、その時点で彼はもうハル・ジョーダンではなくパララックスになってしまっていたのだ。
隠して、ハルは自分の名誉を取り戻すため、傷つけられた誇りをもう一度手にするため、再びハル・ジョーダン=グリーンランタンとして現世に舞い戻る。
一度地にまみれた男が、細かい理由は抜きにして、己の誇りをかけてもう一度立ち上がる。熱いぜ!
一度は裏切られながらも、それでもずっと友の潔白を信じつづける友たち。熱いぜ!
かつての罪は消えるわけではないが、「今はまだいい」と帰還を認めるひねくれ者。熱いぜ!
とにかくこの熱さは、日本の少年漫画に通じるものがある。その上、「ぐらいんランタン」と言う作品が持つ設定も、日本に大変馴染みがあるものなのだ。
・広大な宇宙をセクションごとに守護する警察機構
・武器は、意思の力を具現化するパワーリング
・24時間ごとの充電や黄色の物体には無効
・敵はかつての師
どこかで聞いたような設定が、盛りだくさんだ。絵も、鮮やかな緑と黄色がページ一杯に描かれ、カラフルな戦いを見せてくれる。まるでどこぞの宇宙警備隊や宇宙刑事を見ているようだ。
映画は壮絶に失敗したのだが、もう少し知名度が上がってもいいヒーローだ。