稽古の帰り、自分の乗っている電車で人身事故が起こった。
乗っていたのは一番前の車両。
鉄の塊にぶつかる強い衝撃と鈍い音。
駅員のアナウンス。
ぶつかったそれは人だ。
人が自らの身体を投げ入れるようなとき、何がどう巡ってそこに至るのか。
自殺者が年間に三万人を超える今の時代には、その一つ一つの人生に、何かがどうにか巡ってそこに至らせる。
そこに自分が必ずしも関係ないわけもない。
全てはどこかで繫がっている。
影響し合ってこの世界は存在してる。
なのに・・・
静まり返るも何事もなかったかのようなこの車内。
こうして想いを書き留める自分もまた、そのように映るであろうし、それではお前が特別かと言われればおそらく大差もないのだろう。
それでも・・・
それでも・・・
この想いが何かに繋がればとは思うのだ。
今も身体に残る。
車内は徐々に元に戻っていく。
聞こえて来る声も明るい。
どうしようもなく、心が重い。