――とある国立公園(ANIMAGA学園写生大会)

「それでは皆さん。 これから自由時間とします。 好きな場所で、好きなものを描いて下さい。 描いてもらった絵は、二時間後に提出してもらいますよ」

「ん~、やっぱり緑が多いところは空気が違うなぁ」

「・・・・・・・・・・・・」

「なんだ? カナンのやつ。 キョロキョロ辺りを見回して」

「おーい、カナン」

「え? なんだアルかぁ。 なに?」

「いや、お前がキョロキョロしてるから何してるのかなって思ってさ」

「狸を探してたのよ」

「狸? また何で狸なんだ?」

「えへへ。 この本読んでたら本物が見たくなったの」

「【有頂天家族】? 狸の話なのか?」

「京都を舞台にした狸の家族の話なの。 ちょっと可笑しくて、家族愛に溢れた暖かいお話なのよ」

「狸って言われたら、『平成たぬき合戦ぽんぽこ』が浮かんでくるなぁ」

「狸が人間味豊かに描かれている点では、同じかも」

「どんな話なんだ?」

「下鴨神社・糺の森に住む狸の下鴨矢三郎が、敵対する狸の夷川家、半人間・半天狗の『弁天』、落ちぶれた天狗の『赤玉先生』と関わりながら京都の町を駆け巡る青春ファンタジーよ」

「狸の次は天狗か。 まるで日本昔話だな」

「そういった人間以外の登場人物たちが、逆にすごく人間臭くて共感できるのよ。 微笑ましくて、何度も笑っちゃったわ」

「へぇ、そんなに言うんなら俺も読んでみようかな」

「ぜひぜひ! ほら、貸してあげるから」

「わ、わかったよ。 ちゃんと読むから。 そういえばこの作者って別の作品でブレークしたんだよな?」

「うん。 アルの言ってるのは山本周五郎賞を受賞した『夜は短し歩けよ乙女』のことね」

「たしか本屋大賞の2位にもなったんだよな」

「うん。 マンガ化もされてるから、そっちを読んで見てもいいかも」

「こっちは女の子が好きそうな本だな」

「私はデビュー作の『太陽の塔』も好きよ」

「最近アニメ化された作品もあったんじゃなかったっけ?」

「『四畳半神話大系』だね」

「ああ、これこれ。 オープニング曲をASIAN KUNG-FU GENERATIONが歌ってたっけ」

「個人的にはアジカンの起用って、中村佑介さん繋がりなのかなって思ってる」

「中村祐介って?」

「有名なイラストレーターで、アジカンのジャケットや『夜は短し歩けよ乙女』、『四畳半神話大系』の表紙絵を描いてるの」

「アニメのキャラクター原案も、中村さんがやってるんだよ」

「そう言われてみれば、『四畳半神話大系』のアニメって独特の雰囲気だしてたな」

「私もこんな絵描けるようになりたいなぁ~」

「この絵じゃ無理だろ」

「ちょ、何勝手にみてるのよ!」

「せめて森の木に明暗くらいつけろよ」

「そういうアルの絵はどうなのよ! 見せてみなさいよ!」

「・・・・・・・・・」

「う、うまい・・・・・」

「ふっ、同人誌で鍛えた腕をなめるなよ」

「・・・・・・ねぇ、なんで森の中に恐竜がいるの?」

「最近モンハンばっかりやってるからな、ああいう森を見るとモンスターが見える」

「この女の子は誰?」

「俺が今見てるアニメのヒロイン」

「なんでロボットが空飛んでるの?」

「飛行機雲が見えたんで飛行機を描いてたんだけど、気がついたらモビルスーツになってた」

「あ、あんたねぇ!」

「みなさーん! そろそろ時間です。 描いた絵を提出して下さい」

「はいはーい。 ちゃんと出来てるっすよー」

「ちょ、あんたそれを本気で提出する気!? 待ちなさいよ! アル!」

「それでは皆さん。 これから自由時間とします。 好きな場所で、好きなものを描いて下さい。 描いてもらった絵は、二時間後に提出してもらいますよ」

「ん~、やっぱり緑が多いところは空気が違うなぁ」

「・・・・・・・・・・・・」

「なんだ? カナンのやつ。 キョロキョロ辺りを見回して」

「おーい、カナン」

「え? なんだアルかぁ。 なに?」

「いや、お前がキョロキョロしてるから何してるのかなって思ってさ」

「狸を探してたのよ」

「狸? また何で狸なんだ?」

「えへへ。 この本読んでたら本物が見たくなったの」

「【有頂天家族】? 狸の話なのか?」

「京都を舞台にした狸の家族の話なの。 ちょっと可笑しくて、家族愛に溢れた暖かいお話なのよ」

「狸って言われたら、『平成たぬき合戦ぽんぽこ』が浮かんでくるなぁ」
’94年公開のスタジオジブリ作品。
餌場を奪われたたぬき達が人間に反抗しようとする様子を、コミカルかつシニカルに描いた作品。
餌場を奪われたたぬき達が人間に反抗しようとする様子を、コミカルかつシニカルに描いた作品。

「狸が人間味豊かに描かれている点では、同じかも」

「どんな話なんだ?」

「下鴨神社・糺の森に住む狸の下鴨矢三郎が、敵対する狸の夷川家、半人間・半天狗の『弁天』、落ちぶれた天狗の『赤玉先生』と関わりながら京都の町を駆け巡る青春ファンタジーよ」

「狸の次は天狗か。 まるで日本昔話だな」

「そういった人間以外の登場人物たちが、逆にすごく人間臭くて共感できるのよ。 微笑ましくて、何度も笑っちゃったわ」

「へぇ、そんなに言うんなら俺も読んでみようかな」

「ぜひぜひ! ほら、貸してあげるから」

「わ、わかったよ。 ちゃんと読むから。 そういえばこの作者って別の作品でブレークしたんだよな?」

「うん。 アルの言ってるのは山本周五郎賞を受賞した『夜は短し歩けよ乙女』のことね」

「たしか本屋大賞の2位にもなったんだよな」

「うん。 マンガ化もされてるから、そっちを読んで見てもいいかも」
小説のコミカライズ版。
全5巻からなり、オリジナルストーリーを多数収録している。
全5巻からなり、オリジナルストーリーを多数収録している。

「こっちは女の子が好きそうな本だな」

「私はデビュー作の『太陽の塔』も好きよ」
著者のデビュー作。
第15回日本ファンタジーノベル大賞の受賞作でもある。
第15回日本ファンタジーノベル大賞の受賞作でもある。

「最近アニメ化された作品もあったんじゃなかったっけ?」

「『四畳半神話大系』だね」
複数の平行世界を描いた作品。
’10年にアニメ化された。
’10年にアニメ化された。

「ああ、これこれ。 オープニング曲をASIAN KUNG-FU GENERATIONが歌ってたっけ」

「個人的にはアジカンの起用って、中村佑介さん繋がりなのかなって思ってる」

「中村祐介って?」

「有名なイラストレーターで、アジカンのジャケットや『夜は短し歩けよ乙女』、『四畳半神話大系』の表紙絵を描いてるの」
中村佑介の200点あまりのイラストを網羅的に収録し、その10年の軌跡を追う初の画集。

「アニメのキャラクター原案も、中村さんがやってるんだよ」

「そう言われてみれば、『四畳半神話大系』のアニメって独特の雰囲気だしてたな」

「私もこんな絵描けるようになりたいなぁ~」

「この絵じゃ無理だろ」

「ちょ、何勝手にみてるのよ!」

「せめて森の木に明暗くらいつけろよ」

「そういうアルの絵はどうなのよ! 見せてみなさいよ!」

「・・・・・・・・・」

「う、うまい・・・・・」

「ふっ、同人誌で鍛えた腕をなめるなよ」

「・・・・・・ねぇ、なんで森の中に恐竜がいるの?」

「最近モンハンばっかりやってるからな、ああいう森を見るとモンスターが見える」

「この女の子は誰?」

「俺が今見てるアニメのヒロイン」

「なんでロボットが空飛んでるの?」

「飛行機雲が見えたんで飛行機を描いてたんだけど、気がついたらモビルスーツになってた」

「あ、あんたねぇ!」

「みなさーん! そろそろ時間です。 描いた絵を提出して下さい」

「はいはーい。 ちゃんと出来てるっすよー」

「ちょ、あんたそれを本気で提出する気!? 待ちなさいよ! アル!」






