季節の変わり目は、設備管理担当にとっては大変な時期です。
気温の変化、天候の変化が激しく空調の調整が本当に大変です。
特に、利用者自身が季節の温度や天候の変化に対応しきれていないこの時期は、
監視盤画面に出ている温度と利用者の体感温度にはずれがありますので、ちょっと誤ると
大変なクレームの元になります。
室内は、基本フロアーのエリア単位毎にファンコイル、空調の両方で調整を行いますが、
エリアの広さや天井の高さ、窓の向き(東西南北)、利用者の人数、時間帯などの外部要因にも影響を受けることと,設定を変えても効果が出てくるまでには時間がかかる時間差なども考えて行われなければなりません。
それらを、低層階から高層階、ショッピングエリア、飲食店街、出入り口、エレベーター内などの温度、湿度、冷温水の流量などを細かく調整し、それらをビル棟ごとに細かく把握することは本当に大変です。
特に、春先は、冷房と暖房がエリア毎で、バラバラに動いているのでどこで何が動いているかを
ちゃんと把握することが必要です。
例えば、
オフィスフロアーなどで、朝寒いとクレームが入って温度を上げると、OA機器や出社が揃う頃になると急激に温度が上がり今度は暑すぎるとクレームが入りますし、
ファンコイルや空調噴出し口の風が強いとクレームが入り、現場に出向き風量を調整しても
昼頃になると今度は暑いとクレームが来て、再度現場で調整したりして朝から夜まで、
広くビル内を空調調整で走り回ります。
もっとも、空調は、個人の感覚に依存しますので全てを応えるわけにはいけませんので、
暑いとクレームが入っても、回りの人への影響を考えまずは、AHUの加湿度を下げたりして、
さらにクレームが入ったときに、設定温度を下げるなどの処置を行います。
また、クレームについてもエリア全体の人たちの合意を得ずにクレームを上げてくる人も多く、
対応や言動を間違うと後で大きくもめる原因に関わることになりますので、慎重な対応が
求められます。
ちなみに、冷暖房の切り替えは、画面で設定を変更するだけでなく各フロアー毎の
冷温水管の往きと還りの弁の動作確認や風量の調整などのそれぞれの現場行いますので、
ハードワークの作業です。
特に高層ビル群の場合は、確認する弁だけで相当な数になりますし、狭いダクト室内の奥まで
行くことが多くなりますので、覚悟が必要です。
自分も初めて2日間手伝いをさせてもらいましたが、携帯アプリの万歩計で 1万7千歩と
2万歩超えをしました。
ビル設備は、楽な仕事と聞きましたが、自分の現場ではそんな雰囲気はありません。
昼休みの1時間は取れますが、それ以外は、朝9時から夕礼が始まる17:30までは、
ずっと歩き通しの毎日です。
資格の勉強なんて、宿直の睡眠時間以外はできませんし、平日は帰ったらもう疲れて
寝るのが精一杯です。
これから、ビル設備管理を目指す方はこういった現場もあることも覚悟してくださいね。