日銀の金融政策決定会合の結果、今後も金融緩和を続けることになった。日銀の植田総裁は為替レートの変化が直接物価に影響する部分を物価上昇の第一の力と呼び、日本国内の景気循環の効果(第二の力による物価上昇)とは関係が薄いとして無視するようだ。目標2%とは、後者による物価上昇に限っての話のようだ。https://www.youtube.com/watch?v=k4LHqEHOd3s

インフレ率2%を目標に続けたアベノミクスの金融緩和は単に円安誘導であり、輸出業者に対する不景気対策としての短期的効果はあったものの、本質的な経済対策ではあり得なかった。そして、今日の様に日銀がほとんど金融政策が実行できないという大きな副作用を残した。つまり本質的な経済改革の必要性に対する誤魔化しとなり、時間を浪費するだけとなった。(補足1)

今回の記者会見では、3月の会合の時と殆ど何も変わらない話に終わり、結果として今後更に円安が続く可能性が高くなった。実際、会見後一日でドル円レートは2円程円安方向に動いた。記者会見の中で(上の動画12分ころから)、為替介入の他にも国債買入量を減少させるかどうかの話もあったが、それも3月の時の話と変わらず、何らかの行動に出る可能性は無いようだ。

この円安の効果だが、タイや台湾等東南アジアから日本に来る人達には物価が安くて助かると言う人が多く、我々日本人にはまるで経済破綻近くの国として馬鹿にされているように感じる。最低賃金などもタイなどの国よりも安いと言われると、日本はアルゼンチンの様に再び途上国状態になるのだろうと思ってしまう。

円安の原因は周知の通りである。日本はゼロ金利だが米国は金利が5%以上であり、その金利差による。FXでも何でも1万ドル買って持っていれば、一年後にはほゞ500ドル分の利子が付いていることになる。差し当たりドルを買っておこうと考えるのは極普通である。

植田総裁への記者会見では、ドル売り介入しないのかという質問が多く為されていた。植田総裁にはその意思は無いようだ。つまり、出来ないか効果があまり見込めないのだろう。この為替介入をしない理由を分かりやすく説明しているのが、楽天証券のアドバイザーの方の話(以下の動画)である。https://www.youtube.com/watch?v=YhiNmVDf01s



一般に為替介入は何らかの異常があって発生したことなら短期にそれを是正する効果はあるが、本質的な原因で起こっている場合には、為替介入の効果は一定時間後に無くなり、結局資金の無駄遣いに終わってしまう。国債買い入れ量を減少させることの可能性についても聞き手から質問があったと思うが、様子見状態だという話だった。

つまり、本質的な円安に対して為替介入をすれば、FXや株式で、その動きについて行けない素人が損をして、それを利用する玄人が金を稼ぐだけということになる。為替介入は外貨準備を用いて行うが、その資金を無駄に使うだけであると言う。(補足2)

現在、日本の外貨準備高は12000億ドル程度とG7中最大であり、原資に不足はないという。今後本質的な理由で更に円安が進めば、この外貨準備金がより有効に使うことが可能である。今無駄遣いして、投機筋に儲けさせるのは得策ではないだろう。(補足3)

 

上記動画で、日銀は国債買い入れを急激には減らさないと言う植田総裁の話については、十分な解説が無かった。多分それは政治つまり財政の問題だからだろう。本ブログでは、巨額の財政赤字の累積が日銀の利上げを阻止していることを説明するために書いている。

 

2)国債買い入れを減らさないこと

植田総裁は、国債保有の減額を能動的な金融政策として使いたくなく、将来自然に減額していくことに期待しているようである。日本円の価値が急激に低下する今日、政治的にも非常に不安定化した日本国の国債の価値は、10年前に比べて大きく低下している。そんな中で国債買い入れを減額すると、国債価格が市場で決定されることになる。

 

ゼロ金利時代の長期国債の価格は、大きく低下することが予想される。前回ブログ記事にも書いたことだが、日銀が保有する500兆円以上の長期国債の価値が既に実質的に大きく低下しており、日銀は実質債務超過であることが明確になる。つまり、国債価格を市場が決定することになれば、日本国債の利率を相当上げなければさばけなくなり、金利を上げることにつながる。

従って、日本政府の放漫財政が原因で、日銀は国債を買い入れざるを得ない。そうしなければ、国家財政が破綻する可能性が高くなる。(補足4)日銀の金融政策よりも国家財政が上にあり、それへの対応として日銀が買い入れる量を決める必要があるということである。

 

この問題は、以下の動画の6分15秒から、為替アナリストとして著名な佐々木融氏により解説されている。是非、最初の10分程を視聴してもらいたい。https://www.youtube.com/watch?v=KysROBY3Xc8

 

 


政府の巨額財政支出継続の結果、日銀は現在約500兆円以上の巨額の国債残高を持つに至った。もし、この国債を市場に徐々にでも放出するとなると、国債値下がりは防止できない。国債値下がりは金利上昇から2%よりも遥かに高いインフレを招く可能性がある。つまり、日銀の資産の実質的価値の減少は、同時に円の信用下落に繋がる。(補足5)

国会議員には、この国家の財政に対し安易に考えているように思う。前回引用の江田憲司議員の言葉もそうだが、他にも自民党の西田昌司議員の以下の動画での言葉も、上記のような危険性への配慮が全く感じられない。https://www.youtube.com/watch?v=vnjDuA8IVJg

以上から、この円安に対して日銀には打つ手が無いのである。つまり、黒田前総裁の時に行った異次元の金融緩和の付けを、今になって日本は支払わされているのである。日銀にはとり得る金融政策の幅が殆どなく、米国連銀の金融政策に同期して、ドル円レートが上下することになる。

 

為替が不安定な現在、円安だからと言って日本の企業の国内回帰が進んでいない。それは、米国が利下げをすれば、直ぐにでもまた130円からそれ以上の円高に振れることになる。そんな情況では、危なくて国内回帰することが出来ないのだ。

大まかに言って日銀券発行の裏に同額の国債発行がある。日銀に十分な幅で金融や為替政策がとり得る余地を残すことを考えれば、財政赤字の対GDP比が諸外国の値と比べて大きく乖離していることは深刻な本質的問題である。この巨額の国債残高の意味を、今思い知っている情況であると思う。

 

 

3)適正な為替レートは2010年に達成されていた1ドル80円だった

 

相応しい為替レートは、名目実効為替レートと実質実効為替レートが同じ場合だろう。そこで以下のニッセイ基礎研究所による解説記事を引用する。https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=71027?site=nli

 

下の図は、この解説記事から抜き出した国際決済銀行による日本円の名目及び実質の実効為替レートである。

 

 

これを見れば、2010年までの為替レートは大きく円安に振れていたことが分かる。1990年頃でも実質としては、円の実力は名目の倍程度あった。しかし、そこから急激に円の価値が減少し、2010年ごろには名目と実質がほぼ一致している。

 

つまり、2010年の1ドル80円のレートは円高などではなく、正しいレートだったのである。その時の不況を円高不況と呼ぶのは間違いで、前日銀総裁の黒田氏の時におこなったマクロな金融政策で円安誘導することは、一時的な対症療法的な意味はあったかもしれないが、根本的に間違った対策だったと言えるだろう。

 

デフレ不況の原因を三本の矢で克服するというアベノミクスは言葉の上では正しいかもしれないが、日本の経済が円滑でない原因を正しく追及しないで、安易に円安誘導に走ることになった。三本の矢の最初の一本だけ放ち、あとの二本が放たれなかったことが問題なのである。日銀による大量の国債買い入れによるマネーサプライを増加させる金融政策だけでは副作用が大きい。

 

その結果、日本円の信用は下落し、中央銀行が自国都合で金融政策が実行できないほどになったのである。この悪政に手を貸した前日銀総裁の罪は重い。


 

日銀も日本政府もこの失敗は隠すだろう。(補足6)

 

以上は、元理系の一素人の文章ですので、批判や間違いの指摘等歓迎します。

 


補足:

1)このことは何度も議論している。2022年に書いた以下の記事を観てもらいたい。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12723713884.html

 

2)SMBC日興証券の宣伝では、57万円程の証拠金で10万ドルの買いポジションが持てる。一か月の間に今の金利差が続けば、金利差分の儲け(スワップ)が54900円にもなる。それに加えて円安が1円進めば10万円の儲けが加算される。為替介入して円高に振れれば、その時がFXを楽しむチャンスとなる。正義(悪だくみを砕くタイプ)なき為替介入の愚かさが理解できるだろう。

 

3)田中氏によると、外貨準備は約12000億ドルであり、現在の為替では約170180兆円となる。現在外貨準備をこんなに大量持つ必要がないので、為替介入で得た円はそのまま国債残高を減少させることに利用可能だという。つまり、NTT株を売って5兆円ばかり欲しいと政府が思うなら、NTT法改訂などという姑息なことをせずに為替介入をすれば簡単に稼げるという話である。

4)このままの情況で日銀が国債をゼロに近づければ、国債価格は著しく低下し、ハイパーインフレになる可能性が高い。日銀がそれを防いでいるのだが、その副作用として金融政策が自由にとれないというのが現在の円安である。

 

5)この問題に答えるだけの知識を、現在の私は持ち合わせていない。ただ、増資という形で帳尻を合すか、貸借対照表に国債の価値を額面で記載するかの何方かの方法をとるだろう。何れにしても、日銀の信用は減り、高いインフレの原因になると考える。

 

6)明治に始まった日本は、長州の下級武士たちが英国系の金融資本の指導で作り上げた国であり、日本民族が独自に作り上げた国ではない。かの国の支配者である金融資本家たちは、人類が長い年月を費やして作り上げた近代西欧文明の「真や善」を無視して、利己的に国家を支配し運営する習性がある。それは、ガザ地区の陰惨な情況や、ウクライナ戦争のインチキを見ればわかる。その指導で作り上げた日本も、同様に自分たちの国家支配を優先し、不都合は隠して済ませる体質である。

 

編集履歴: 15:25、18:45;翌日朝再度編集及び改題して最終稿とします。(以上)

1)2025年日経平均5万円の可能性

 

日本の株は日経平均で4万円を超えた後、直近では7‐8%下落している。今後のイスラエル対イランの戦争が本格的になり、更に米国のウクライナ支援予算が通ることでウクライナ戦争の帰趨が不明確になれば、もっと下がるだろう。(補足1)

 

ただ、これらの戦争が局地的に留まり世界戦争に発展しなければ、更なる円安やインフレの影響も重なり、2025年には日経平均は5万円以上になるだろう。これは経済アナリストとして高名なエミン・ユルマズ氏(補足2)の予言を元にしたシナリオである。https://www.youtube.com/watch?v=2PE6B4-x13g

 

 

このエミンユルマズさんの動画が公表されたのは日経平均が未だ30000円に到達していなかった時であり、その後株価が上がり4万円を一時超えたことから、上記仮定が満たされればだが、予言は的中する可能性が高い。結論として、円預金は日本株に投資した方が賢明だろう。

 

エミン・ユルマズさんが挙げる今後の日本株価上昇の根拠は、日本企業の実力がこの10年間で増加したことと未だ割安であることである。彼は更に、新たな冷戦構造の下で、日本に製造業などが戻ってくることや、金融における日本の役割が大きくなるなど、株価上昇の好条件が揃っていると指摘する。

 

今後更に進むと予想されるインフレの影響もあり、日経平均株価は2050年には30万円になる。新NISAが始まったのも、株価引き上げに対する効果は大きいだろう。ただ、一般人の資金のかなりの部分がバブルの米株へ向かっているようだが、それはあまり良い決断ではないと語る。

 

実際、世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェット氏も日本株を買いだしたことがネットに紹介されている。最近世界最大の投資会社のブラックロックが割安の小野薬品の株を買い増したというニュースもある。

 

あの堀江貴文氏も、日本株を推奨している。(https://www.youtube.com/watch?v=WNEsSTOZnq0230あたり)米国株があまり推奨されないのは、既に人気株がバブル状態だからである。次図は、GDPと株価総額のシェアをしめしている。

この図を見れば、米国の株が如何に高いかがわかるだろう。成長する国と停滞又は衰退する国では勿論株価は異なるが、通常の範囲にある国なら、株価とGDPのシェアがあまりも離反するのは何か変だということになる。その意味で、米国と中国の株には注意が必要だろう。

 

実績純益で計算した株価利益率(計算株価と直前期純益の比率)も、米国株の場合23.22023)であり、日本の14.6や世界の先進国平均の18.8より相当高い。(補足3)これらからも、下手な政治によるリスクを除外すれば、日本株への投資が推奨される。https://myindex.jp/global_per.php#google_vignette

 

エミン・ユルマズ氏は、最近の動画でも上記自説を繰り返す他、独自の日本の経済循環モデルなどからも日本株の優位性を説いている。明治以降、日本の経済は75年程の周期を経験しており、1950年代の日本の経済復興に対する朝鮮戦争特需と似た冷戦の効果が、今回の新冷戦構造でも考えられるというのである。現在、米国は日本を過去30年よりも強く必要としており、製造業などの日本回帰も起こると言うのである。https://www.youtube.com/watch?v=fAA9jZbZ9IM

 

この冷戦によって米国経済がより日本を必要とすることは、現在産業の米である半導体関連の情況にも表れている。半導体の素材や部品が供給できる主要国は、中国、台湾、韓国、日本の4ヶ国であるが、台湾有事や南北朝鮮対立などの影響が最も小さいのは日本である。

 

そう考えると、最近のTSMCの日本進出に日本政府が大金を出したことも、米国の意向が絡んでいるだろうと想像できる。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240224/k10014369011000.html

 

 

2)日本円安の影響

 

エミン・ユルマズ氏の解説する日本株が上がって当たり前の情況は、この10年の間に日本企業の経営が大分よくなったと言う話だった。ただ、日本人が感じている株価の急上昇は、米ドルで株価を見る外国人には実は幻である。為替レートを考えれば、ここ数年間、むしろ下がり気味だったと言えるだろう。

 

例えば、202121日の為替レートは104.914円でありその時の株価28966円を、2024419日の米ドル154.63円で換算して計算すれば、42692円に相当する。従って米ドル換算で見れば、昨年秋から年末の日本の株価急上昇は2021年初めの株価に比べて非常に低くなったので、急激に調整が進んだが未だ追いついていないということになる。(補足4)

 

 

 

円安が今後進行して短期間に200円になるという人もおり、そうなれば日本はエネルギーや原材料などのコスト増によって、経営環境が悪くなる可能性もある上、日本という国そのものに対する信用も低くなる。そもそも、ここ数年ドル換算で日本の株が安くなって来たのは、それが原因ではないのか?

 

 

上図は、各国の債務残高の対GDP比の比較である。これは政府の運営効率の比較とも言える。この大きな政府債務の多くは国債残高であり、その半分以上は日本銀行により保有されている。日銀の総資産額は740兆円余りだが、その内の約586兆円が日本の長期国債である。https://www.boj.or.jp/about/account/zai2311a.htm

 

その事実と既に述べた異常に高い日本国の債務対GDPの比は、日本円の信用低下の原因になっている筈である。日銀は金利引き上げをすれば、それは自動的に日銀保有の国債の実質的価値低下をもたらし、直ぐに実質債務超過となるだろう。

 

勿論、満期まで待つのだから、価値は変わらないと強弁することは可能である。しかし、通常の経済の感覚では、金利を1%上げれば満期まで10年ある債債の価値は10%以上下がる。日銀の純資産は5兆円ほどであり、586兆円の国債の価値がそれ程低下すれば、実質的に債務超過である。

 

その時、円で発行された日本国債の引き受ける外国機関は完全に無くなるだろう。現在、外国が保有する日本国債の総額とその全国債残高に対する割合は、下図にあるように、2021年以降は緩やかに下降している。今現在、外国人保有の割合が大きく低下していないのは、“ドル建ての日本国債”が多く売れているからだろうと推測する。

 

このドル建て日本国債だが、直接財務省が発行する債券ではなく、日本国債を為替と組み合わせた商品である。詳細は日経新聞の有料記事を読んでもらいたいが、日本円と日本国債の暴落を誘う危険性を大きくする仕組みだろう。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41429820Y9A210C1EN2000/

 

「日本国債は円建てなので、日本が財政破綻することはない」のは、日銀が日本政府の子会社的存在なので真実である。しかし、日本円の価値が急激に下がる可能性は、最近毎年貿易赤字であることと、新NISAで一般国民のお金が米国のインデックスファンドに向かっていること、更には上記”ドル建て日本国債”の増加などから、増加しつつある。

 

政府とその子会社の日銀が目指すべきなのは、長期的に無理の無い範囲のインフレを起こし、主として老人層に溜まっている個人金融資産の実質価値の減少を非常に大きな不満を引き起こさない形で実現し、国家債務を実質的に減少させる金融政策である。

 

現在のような情況下で国債大量発行と日銀買い上げが続けば、日銀の信用低下と過度な円安をもたらす。現在既に、日本円は安全資産などではなく、投機の対象になっているという記事もある。https://toyokeizai.net/articles/-/635176

 

上にも書いたように、日本人の多くが新NISAを利用してNasdaq100SP500などのインデックスファンドを買っている事が円安に拍車をかけている。それは将に、日本円の信用低下が既に国内でも発生しているということである。

 

このような情況でも、政府が国債をドシドシ発行して、景気刺激すべきだという人たちが居る。(補足5)所謂リフレ派と呼ばれる人たちである。財務省や日銀には流石にいないだろうが、このような意見が国会でも聞かれる。私も素人でたいして解っている訳ではないが、無責任な国会議員も居るものだと呆れる。https://www.youtube.com/shorts/dJHfQJw4TEc

 

 

補足:

 

1)この件については、しっかりフォローされている以下のブログ記事を参照してもらいたい。https://ameblo.jp/docomo1923/entry-12849277548.html 更にその中に引用されているシェリルさんのブログ記事 https://ameblo.jp/sherryl-824/ を推奨します。

 

2)トルコ・イスタンブール出身のエコノミスト、為替ストラテジスト。1997年に日本に留学。一年後に東大理科一類に合格、2004年に東大工学部を卒業、2006年に同大学新領域創成科学研究科修士課程を修了後、野村証券に入社。投資銀行部門、機関投資家営業部門に勤務後、2016年に複眼経済塾の取締役・塾頭に就任。

 https://toyokeizai.net/list/author/エミン・ユルマズ

 

3)株価利益率とは、株価総額を一年間の純益で割り算した値(PER)である。株価の評価に頻繁に使われる。その他のパラメータとして株価純資産比率(PBR)、更に総資産利益率(ROA)などがある。尚、エミン・ユルマズ氏が今後株価が10倍になる可能性がある企業の見分け方として、①過去4年売り上げ成長20%以上、②営業利益率10%以上、③上場5年以内、④オーナー企業かトップが筆頭株主の4条件を挙げている。この最後の情報が、今回のブログ記事で最も価値がある?!

 

4)為替レートで米ドル建てで見た日経平均のグラフは以下のサイトにある。

 

5)このような人たちは、日本政府が必死に財政出動を繰り返してきたことが、国家債務残高対GDPの比をあらわした図を見ても分からない人たちなのだろう。日本の中道から保守と言われる議員たちが、日本が基軸通貨発行国でもないのに米国の極左議員の主張するMMT理論に毒されているのは、非常に奇妙である。

 

(翌早朝補足5を追加し、語句の修正後最終版とする)

 

つい先日、池袋サンシャインビル隣の東池袋中央公園に「永久平和を願って」と書かれた「平和の碑」があることを知った。この公園は、東条英機以下の極東軍事裁判で戦犯とされた人たちが処刑された巣鴨プリズン跡に作られ、石碑はそのことを記念して建てられた。

 

この記念碑のことを知ったのは、あるブロガーのパンデミック条約・国際保健規則IHR改悪に反対する集会と池袋でのデモ行進を報じた記事に紹介されていたからである。https://ameblo.jp/docomo1923/entry-12848248070.html

国家主権を脅かす事態に抗議する集会が、国家主権を失った苦い経験を記念する公園で開かれたことになる。

 

「永久の平和を願って」という曖昧でお粗末な碑文と公園の片隅に追いやられた様な置き方から、日本国がこの瀕死の経験から”生還”したものの、何も学んでいないことを示している様に感じた。そして、その評価にピッタリの岸田首相と上川外相の日本国では、デモの効果は疑問であり参加者の心配事が現実になるだろうと思った。

 

この碑文について、ブログ投稿者に以下のようなコメントを書いた:

 

東京裁判のA級戦犯とされた人たちもここ(この石碑周辺)で処刑されたのでしょうか? そのような処刑場跡のモニュメントにしては非常に小さく控え目です。そのように作らなければならなかったのだろうか? また、「永久平和を願って」という文は、第三者的で、日本民族の誰かが建立したにしては不思議です。

 

これに対して、以下のような返答(主旨を変えず短縮)をもらった:

 

巣鴨プリズンを公園にする際に、管理する豊島区が碑を建てたとネットにあった。公園の隅の目立たないところに作られ、特別な案内板もないので、公園に来るほとんどの人はその碑の存在自体知らないようだ。特別な団体が建てたのではなく、豊島区として設置したので「第三者的」な文言になったのかもしれない。

 

つまり、国家はこの記念碑には関与しなかったということである。国はこの大切な経験から何かを学ぶことを拒否した、或いはその現場を国民からなるべく隠したかったとも考えられる。何方にしても日本の政府は愚かである。そしてその愚かさは、日本国民全ての責任である。

 

近代日本の建国は、日本国内部の歴史的経緯からではない(補足1)ので、国家としての纏まりもなく、国家主権なる言葉も単にお経の様に暗記されているだけでだろう。日本国には主権を国民の為に行使するという本来の国家の能力など無く、それがパンデミック条約とIHR改悪に無警戒な外相を生んだのだろう。(補足2,国家主権について)

 

2)巣鴨プリズン跡に作られた公園

 

元首相以下戦時の閣僚が当時の敵国に惨殺された現場に、同じ日本人がそれを記念し建立した碑であるにも拘わらず、その表の文章は第三者的且つ抑制的である。それが最初に感じた違和感であった。(補足3)

 

「永久平和を願って」と書かれているが、誰の為の平和で、どのような方法で誰が獲得するのかなど、何も書かれていない。その碑文には日本人の意思が表現されていない。

 

ネット検索すれば、この公園及び石碑についてのかなりの数の解説が見つかる。その一つの記事に、石碑裏に書かれた建立の趣旨が紹介されていた。https://tokyo-indepth.com/2022/04/05/ikebukuro-1/

 

第二次世界大戦後、東京市谷において極東国際軍事裁判所が課した刑及び他の連合国戦争犯罪法廷が課した一部の刑が、この地で執行された。戦争による悲劇を再びくりかえさないため、この地を前述の遺跡とし、この碑を建立する。昭和五十五年六月

 

そしてそのブログ記事には、この石碑について「見せたくない碑」との言及がある。日本国が自国の失敗をこの公園の訪問者になるべく見せたくないという解釈である。恐らくその通りだろう。見せたくないが建立しない訳にはいかないという中途半端な姿勢には、国家としての結束や統一性が感じられない。

 

3)巣鴨プリズン跡石碑が目立たなくした理由の推測

 

上に引用のtokyo-indepth.comのコラム記事に、この石碑を「見せたくない碑」と言及する部分があったと書いた。見せたくないのは、建立者が連合国に対して恐らく遠慮があったからだろう。その遠慮の根拠の一つに、日本国は東京裁判を受け入れることを条件に連合国と講和が出来たことがある。

 

このサンフランシスコ講和条約の第11条は以下のようになっている。

 

日本は、極東国際軍事裁判および国内外の連合国戦争犯罪裁判所の判決を受け入れ、それによって日本に投獄されている邦人に課せられた刑を執行する。 かかる受刑者に対する恩赦、減刑及び仮釈放の権限は、それぞれの場合に刑を課した政府の決定及び日本の勧告に基づく場合を除き、行使することができない。。。

https://treaties.un.org/doc/publication/unts/volume%20136/volume-136-i-1832-english.pdf

 

この巣鴨プリズンで絞首刑になった東条英機以下の当時の日本の指導者に対する裁判を、日本国は受け入れる約束をしているのである。現在、日本国がサンフランシスコ講和条約後の国際体制の下にある限り、その解釈を受け入れる義務がある。(補足3)

 

しかし、この戦争の経緯や意味を深く学ぶことは日本の国家主権の範囲内にある。日本が本当に講和条約のこの条文を受け入れているのなら、そして日本が主権を回復したのなら、あの戦争までの歴史を詳細に健闘し、そこから多くを学んで新しい日本の体制に活かすべきである。

 

仮にその戦争の経緯が連合国の悪だくみであっても、それを知ること及びしっかりと国民に知らせることは、国家主権の範囲内であり、サンフランシスコ講和条約11条は、それを禁止しているわけではない。

 

巣鴨プリズン跡をそのような場として国民に提供したくないのは、単に現在の日本国があの戦争をレビューしたくないからである。つまり、日本の政治勢力の中心は、第二次世界大戦で敗戦を経験しても明治維新の時に作られた大日本帝国のままだからだと考えられる。自分たちの失敗を国民に周知すれば、その地位が危うくなるのである。

 

そして、現在政府を牛耳る既得権益層の人たちが、二度目の敗戦プロセスに入る端緒として、パンデミック条約・国際保健規則IHR改悪があると思う。

 

終わりに:

 

パンデミック条約・国際保健規則IHR改悪は、グローバリストたちの世界帝国建設の一環で、保健行政に関する各国の主権を取り上げる企みである。それに反対する集会とデモ行進の趣旨を考えると、この公園で最近にない大規模な集会が行われた意味は、大きい。今後反芻され、大きな力を生む端緒となってほしい。

 

(19:00及び翌日早朝編集)

 

補足:

 

1)明治の日本帝国は、外圧の中で外国(英国)の影響下にあって、俄普請的につくられた国家であった。それまでの1000年間の歴史を無視して、英国の支援の下に天皇を国家の統治者とすることで短時間に創り上げた。そしてその実質的権力者として長州と薩摩の下級武士たちが座ることになった。現在も日本国の行政はその末裔が中心になって動いている。

 

2)国家主権とは、国家の構成要素のうち、近代的な領域国家における意思決定と秩序維持における最高で最終的な政治的権利をいう。具体的には、統治権( 国民および領土を統治する)、対外独立権(他国の支配に服さない)、政治的自己決定権(国家の政治的形態を決定する)三つからなる。

つまり、国家が国内最高の権力であり、外部の力にも従属しないことを意味する。西欧史的には、近代国家の成立に当たって、封建諸侯に分割されていた権力の国王への集中と、ローマ教会などの外部権力による干渉を排除するための理論として登場した。

 

3)「碑文なんて、そんなもんです」と言う人も多いだろう。感じ方は、あの戦争と東京裁判の異常性に対する感じ方によると思う。確かに「見ざる言わざる聞かざる」の日本なら、特別に不思議という程ではないだろう。その日本のままでは“日本民族”に未来はないと思うのが、”過剰”に反応する理由である。

 

4)サンフランシスコ講和条約第11条については、野田佳彦元首相による国会質問がある。https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a164308.htm

この質問は、この条文と日本との関連を考える上で参考になると思う。