神戸のあるマンションの住民総会で、共用部分での挨拶禁止が決まったそうである。http://news.livedoor.com/article/detail/12259022/    「子供に、知らない人に挨拶をされたら逃げるように教えているので、マンション内では挨拶をしないように決めてください」という投書がそのきっかけになったということである。

1)ネットなどで上記取り決めに対して、賛否両論がだされた。また、テレビのワイドショーなどでも、タレントたちが議論したようだ。その中で、遥洋子の意見が面白い。
「挨拶をするときには「いい人」にならなければならないと持論を展開したのち、遥自身は外出先で「さんざんいい人」を演じているので、家に帰ったら一切挨拶を止めたいと思っている」と上記取り決めに賛成したのである。出演者では他にもヒロミが賛成したと、この記事には書かれている。

上記の人たち(マンションの管理組合の議論を含めて)は、投書に書かれた問題を十分咀嚼しないで、議論している。それぞれが勝手に論点を決めて議論し、意見が全く噛み合っていない。つまり、投書の主は子供の安全を考えているのだとすれば、挨拶をすることで子供の安全に悪影響が出ないようにすれば良いのである。マンションの管理組合は、住人同士の親睦を図ることには賛成だとするなら、上記取り決めは「角を矯めて牛を殺す」類のものである。

例えば、投書の主の危惧を取り除くだけなら、子供には「知らない人に挨拶をされたときには、挨拶を返すだけにしてその後の相手をしない」と教えれば良い。また、マンション住民間での取り決めとしては、「子供に挨拶をしても、それ以上声をかけない」と取りきめれば、それで済む。

論点を明確にしないで迷走の末に、管理組合はバカな取り決めをやったのではないかと思う。また、その迷いの流れの延長で議論したタレントたちも、駄弁るのはできるがまともな議論はできないのだと思う。失礼!

2)殺伐とした都会の風景:
遥洋子さんやヒロミの考えは、「大人同士も挨拶もしないと取りきめれば良い」ということである。そのマンションの住人たちも、お互いに声をかけたくないので、上記投書をきっかけにして自分たちの意思に沿った取り決めをしたのかもしれない。上記の諺を用いれば、「牛は既に死んでいる」ということになる。そのマンションの住人も遥洋子さんも同じような世界に住んでいることになる。

もし、それが日本全体の風景だとすれば、この国は間違いなく潰れる方向にあるのだろう。中国やロシアが敵であり、それに備えるという議論がよくなされるが、現在の日本は当に、内憂外患に翻弄されているということになる。

遥洋子さんの考えを一言で言えば、「外で挨拶をするときには、いい人を演出しなければならないが、それは疲れる」ということだろう。どうせそれほどいい人ではないのだから、疲れるような演出を強要する日本文化の欠陥を自分が先頭に立って破壊すれば良いと思う。なぜできないのか?それは、彼女も他の人たちも真実や論理よりも個人的利益を優先するからである。

別の表現をすれば、日本には真実を重んじるという文化がないのである(補足1)。日本人は、「和を優先」しなければならないとか、「おもてなし」をしなければならないとか、心の中に蓄積するゴミを必死に隠して、表を飾るのである。

心の中では、そんな疲れる人間関係などまっぴらだという思いを抱いている。それが、孤独死やゴミ屋敷でゴネる住人を生む、日本の地域コミュニティーの抱える問題の根幹なのだ。

補足:
1)米国も政治に関しては同様である。真実は表にはなく、もっぱら裏に存在する。トラ
ロシアと日本の平和条約締結が遠のいたかもしれない。 
ロシアのニュースによると、ロシア連邦経済発展省のアレクセイ・ウリュカエフ大臣に対して、刑事事件として捜査が開始された。同大臣は、日露の経済協力の協議で、前面に立っていた人である。 http://jp.rbth.com/news/2016/11/15/647767 

ロシアは現在、プーチン大統領の独裁に近い状態であり、この時期の重要閣僚の刑事捜査はプーチンの意思だと考えられる。米国の次期大統領がトランプ氏と決まり、トランプ氏の対露発言が早速効果を現した様に思う。 

つまり、日露接近のロシア側の重要な動機は、ロシアの極東開発もあるかもしれないが、日米の間に楔を打ち込むことだったと思われる。次期大統領にヒラリー・クリントンがなると、米国は従来の対露姿勢をとり、米国との対決姿勢が大きな政治課題として継続する。 

また、中国から多額の献金などを得ているクリントンが次期大統領となると、中国のアジアでの力が益々大きくなる。現在、ロシアは中国と親密な関係を演出しているが、中露国境で中国の力が圧倒的になることに、脅威を感じる様になる。 

そのために、日本に近づいて千島だけでなく極東での経済開発を進めて、ヨーロッパから極東に亘って経済力と軍事力を持つ均一で強力なロシアを作りたい筈である。そのために歯舞と色丹の返還を行うことになっても、ロシア人の理解が得られる。

しかし、米露関係が改善し米国の経済制裁もなくなれば、日露関係の改善はそれほど急ぐことではなくなり、島の返還もロシア国内で理解を得られなくなるだろう。
その様に考えられないだろうか???
1)最近の国内外の政治において、暴言や失言が大きな影響を与えている。日本ではその失言で失脚やトラブルに巻き込まれる政治家が多い。一方、トランプ氏やフィリピンのドゥテルテ大統領の場合、「暴言」が逆に成功の鍵になった様に見える。
 
トランプ氏やドゥテルテ氏にも、一国のリーダーになるのだから、他の世界のリーダー同様並外れた知性がある筈である。日本のマスコミが揃ってトランプ氏の大統領当選を番狂わせといい、ドゥテルテ氏を粗野な人間の様に言ったのは、彼らマスコミ関係者に知性がかけていたからである。
 
日本の場合、世界に稀な社会をもつため、政治家の知性を疑うのは常識かもしれないが、世界を見る場合にはレンズを一般的なものに換える必要があると思う。つまり、この「暴言」の様な言葉の中に真実を見出さなければならないということになる。つまり、現代は過去の歴史の延長になく、新しい時代のコーナーにかかっているということだろう。
 
日本の内閣が、トランプ氏の次期米国大統領への当選に際して表明した「民主主義や人権、そして国際法に基づいた国家間の関係といった、基本的価値を共有する日米関係を揺るぎないものと考える」ことが、正しいのかどうかということになる。
 
2)民主主義、人権、男女同権や国際法などは、主に西欧が作り出した国際社会の枠組みを形容する言葉である。そしてそれらの言葉を記した旗を持って、経済のグローバル化とそれと必然として並行する政治のグローバル化を進めたのだと思う。(補足1)その方向の延長上に、未来の世界が見えなくなったのが現在という時点だと思う。
 
麻薬仲介人をまとめて殺すドゥテルテ大統領を、米国オバマ大統領は人権を盾に攻撃したが、それは「口先だけ介入」の多いオバマ大統領の虚しい行為だった。それに対する強い反感がドゥテルテ氏の暴言となったが、ドゥテルテ大統領の身には跳ね返って来たのは、衣を濡らす冷や水程度に終わりそうだ。また、南シナ海での岩礁を埋め立てて軍事基地を築く中国を、国際法を根拠に非難したが、習近平政権からは強い反発が帰ってきただけである。トランプ次期大統領の発言も、従来の国際的慣習を引っくり返す様な類であったが、グローバル化のフラッグシップである米国においても、非難を跳ね返して当選した。
 
多極化の時代が来ているのだろう。
 
その流れの中で、中国は東アジアの盟主となるだろう。それに対抗するために、日米同盟を命綱のように考えるのは、日本にとって非常に危険なことだろう。同盟関係でその代わりとなるのは日露なのかもしれない。しかし、ロシアと手を組むことに重きを置きすぎるのは危険である。それと同時に中国との関係改善を模索すべきであると思う。
 
とにかく、トランンプ氏が米国の新しい大統領に決まったが、それは外国の出来事である。課題は、そろそろ今後どの様な戦略で国際社会の中で生きていくかということを、日本が独自に考え実行できる様になることであると思う。
 
因みに、国際法は「法」というレベルのものでは無い。以前書いた様に、「法」にはそれを定める機関や組織に「権威と権力」がなければならない。例えば国連は、世界のほとんどの国から構成されるが、統一国家的組織ではない。したがって、各国家を縛るべき国際法を持つ権威と力は、国連のどこを探しても無い。それを北朝鮮の核や拉致問題などで日本国は思い知っている筈だけれども、その感覚は霞が関という「辺境の地」には届いていない様だ。
 
補足:
1)スペインやポルトガルが世界を植民地化する際に、先ずイエズス会宣教師を送り込んで宗教活動をした。彼らは「愛と救い」という言葉を用いて、新大陸等の住民を感化下のだろう。それと「民主主義、人権、国際法」を並置するのは間違いだろうか?