中国は、北朝鮮問題に対して何か効果的なことをやる予定はないだろう。それは北戴河会議で、北朝鮮と米国との間は消耗戦をさせると決めたことに沿っている。米国も北朝鮮の攻撃など、自分からはやりたくはない。

トランプ大統領の「北朝鮮の脅威に適当な対処がなければ「武士の国」である日本が自ら事に当たる可能性もある」と言ったという報道はそれを示している。韓国は勿論のこと、ロシアも北朝鮮を応援するが、制裁などすることはないだろう。 http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2017/11/blog-post_7.html 

つまり、日本だけが北朝鮮の核兵器のターゲットになりうる存在である。北朝鮮にとって、日本を脅すことに関しては何の躊躇もいらない。日本は平和ボケで、核兵器の意味すら知らない。日本人の多くは、核兵器を持つことは、戦争をして、核反撃で被爆(殺される)することだと考えている。国民の多数を支配しているのは、論理ではなく言霊だからである。 

米国はかなり北朝鮮の核兵器の小型化技術やICBMへの搭載技術などの進展情況を掴んでいるだろう。まだ、弾道ミサイルに搭載するほどの技術を得ていない可能性もある。北朝鮮危機は、トランプのBig Stickなのかもしれない。トランプ大統領は、米国からアジアに来た兵器のセールスマンなのかもしれない。習近平は商談ではこちらが上だと言わんばかりに、28兆円の商談で応じた。 

北朝鮮は、米国の現在のレベルの脅しで非核化なんか同意する筈がない。空母がウロウロしていても、何もしないことは分かっている。米国からリークされている可能性すらあるだろう。このままでは、立派な核保持国が半島に出来るだろう。 

唯一それを防ぐ可能性があるのは、日本の核兵器開発である。(日本人は、伊藤貫氏の本を勉強すべきだ。)その計画が具体化しそうになると、米国は中国と協力して圧力をかけ、日本に核保持の断念を強制するだろう。トランプも、日本と日本の政治家を馬鹿にしている。それを日本のマスコミは隠している。 

「中国の核が世界を制す」(伊藤貫)と、日本は朝鮮(統一)と中国のATMになるだろう。暗唱番号は、慰安婦と南京大虐殺など「歴史認識問題」である。恐らく、それらを避けようと思えば、唯一残された道は、ロシアとの関係強化だろう。つまり、日本がロシアカード(補足1)を保持すると米国が思えば、上記のシナリオが変わる可能性もある。 

中国とロシアは永遠の友好国たり得ないのは、地政学的に明らかである。米国は、イスラム圏とロシアを敵に廻すには中国と宥和的に成らざるを得ない。中国が日本を敵視する限り、米国は日本にとって永遠の同盟国たり得ない。(補足2)そして、これまでの70年間、米国は日本を隷属させることしか考えなかった。中国が日本と本質的に友好国になるとしたら、革命後だろうがその確率は小さいだろう。 

従って、日本にとって対米国&対中国の対策としては、当分ロシアカードしか残されていないのだろう。(補足3)ロシアが日本に対して真摯な態度をとるのなら、過去を乗り越えて関係を構築する共通のメリットがある。それは北方諸島の帰属問題を、日ソ共同宣言を遵守することで解決することだと思う。

補足:
1)ロシアカードと言う言葉が外交的に特別な意味を持つかもしれない。ここでは、ロシアとの関係強化を武器にすると言う意味で使う。
2)米国は日本と先の大戦の時に、忘れられない大罪を犯してしまった。それが過去に送られることを願っているだろう。それには二つのシナリオがある。いずれも、日本にとっては悲劇的なものである。詳細は想像してほしい。
3)それは、非常に危険な道である。そんな道しか残さなかったのは、戦後の吉田茂内閣以来の米国追従策以外、何も考えなかったのが原因だろう。

(最終編集11/10/18:15; 変更が多くなり申し訳ありませんでした。)
1)同朋大名誉教授の中村薫氏が中日新聞(11/71215面)に無量寿経を引用する形で、最近、人間関係で互いに緊張感が不足していると書いている。お経の言葉は「汝、起ちて更に衣服を整え合掌恭敬して、無量寿仏を礼したてまつるべし。」である。

 

中村氏は、この言葉を引用し「互いに衣服を整え、緊張感を持って、一人ひとりが、互いの人格を敬い合う人間関係の樹立が大事だ」と説いている。
 
「権力におぼれ、自分たちの主張を無理やり通そうとする国会議員。また、当選のためなら無節操に党を変わる議員など、襟をただした緊張感が足りないのではないか。家庭においても、嫁姑だけでなく、親子など家族同士で憎しみあうことが増えた。」と。
 
なるほどと思って、ネットサーフを始めた。そうすると、このことばは有名であり幾つかの解説を見つけた。下に紹介するのは、真宗大谷派専念寺の釈祐耕住職の解説である。

 

お釈迦さまが、長い大無量寿経を正しい姿勢で聴聞していた阿難尊者に「あなた、それでいいですか」と注意された言葉だという。真剣に聞いているつもりでも、仏さまを忘れて、いつの間にか自分が勝手に解釈した世界に座り込んでしまう人間の習性に、「起ち上がりなさい」とおっしゃった言葉だという。

 

2)最近、個人が公の空間に出ても、独居の時と同じ感覚で、緊張感をなくし唯我独尊というか、傲慢になっているように見える場合が多い。また、現代の日本社会に、“自分らしさ”を発見し、それを前面に出して生きることにこそ然るべき人生であると考える風潮がある。そして、そのプロセスに対して“自分探し”という表現が屡々用いられる。

 

これら個と社会の関係において、個を過剰に評価し尊重する風潮は、個の放任となり、現代の多くの“社会病”の原因となっていると思う。これは日本だけでなく、世界的な傾向かもしれない。(補足1)

 

しかし、人間は高度な社会を造って生きており、そこでは野生において個が持つ要素の内、多くを社会に委ねている。そして個の要素は、個が持つべき社会に規制された部分とそれ以外の個性として広がりのある部分に分けられる。この標準的な部分をキッチリと持つ様に育った人間を紳士(淑女)と呼ぶのだろう。

 

初等及び中等教育で大事なのは、社会で生きられるように、社会に貢献できるように、社会に規制された部分を身につけることである。それにプラスして、個性を伸ばすこと、そしてそれを社会の成長に活かせる様に、自分を作ることだと思う。(補足2)

 

その為に、初等教育においては先ず敎育すべきは、緊張感をもって先生の授業を受けるという姿勢である。中等教育までは、社会の仕組みとその中で生きるという人としての初歩を徹底教育すべきである。個性を伸ばす部分では、上記社会の成り立ちと教育の目的とともに、教えるべきである。

 

3)イジメについて:

そのような敎育をしておれば、学校におけるイジメなどあまり起こらないだろう。新しい知識を教わるという緊張感が学校の雰囲気を支配しておれば、その緊張感は生徒の「自分勝手」を封じる筈である。

 

学校のクラスルームは当然のことだが、一つの社会である。その社会への貢献、社会の成長と防御などを、生徒が自ら実践するのが、義務教育での必須であるのなら、社会の崩壊であるイジメを無くすることは、教育の一環に含まれる筈である。

 

自分を抑え、過去の人類が築いた叡智に学ぶ姿勢を持った人間は、自分を見る目と同時に社会を見る目ももっているだろう。その基礎知識を身に着けた人間には、その社会の欠陥や不足と同時に自分の適正も見えている筈である。

 

「自分探し」とは、自分を知ると同時に自分の生きる社会を知ることである。従って、社会を十分学ばない者には、自分のあるべき姿など永遠に見えないだろう。(補足3)

 

4)現代社会は、個人が襟を正す姿勢を奪ってしまった。その原因は、恐らく戦後英米文化を誤解して導入したのが一因だろう。その原因の一つに戦後の占領政策も大きな要素だろう。何故なら、上記社会に適合し、社会に貢献し、社会を防衛する姿勢は、日本古来の姿勢であり、日本が再び大国として復興しない様にそれを徹底的に破壊したのが、WGIP(戦争犯罪情報プログラム;war guilt informationprogram)だと思う。

 

自由、平等、そして人権は、近代西欧社会の大事な概念だという。しかし、それらはあくまでも社会の中の自分について、権利の側面を言ったに過ぎない。それを最大限に主張し、義務の部分を無視する様に育てられたのが、日本社会党などの左翼政党である。それをGHQは支援したことはよく知られている。(補足4)

 

社会の中に生きることを運命付けられた人間には、当然社会に於ける義務を負う。個人の自由は、社会のルールに従い、社会を防衛すること、他人の自由を尊重するという義務を知る人間のみの権利である。平等も、社会のルールが定める平等であり、個人が平等・不平等の決定権を持つ訳ではない。人権についても、現在の世界では国家あっての人権であるから、社会国家の安定に寄与する個人のみのものである。(補足5)

 

つまり、自由、平等、人権などの言葉を使う時に、社会の中の自分という視点で、それらの言葉が理解できていることが必須である。紳士淑女は個の主張においては謙虚であり、社会や国家を守るという意思と勇気を持つ筈である。(補足6)ただ、戦前の国粋主義は、国家は個人の為にあるという第一原則を無視しているので、論外である。つまり、国民全員が積極的に政治に参加し、政治家のレベルをあげることが大事である。

 
 (11/9/6:50編集)

 

補足:

1)世界がポピュリズムの方向に向かっていることは、それを示している。

2)戦前の国の為に身を捧げるという戦時敎育の反動と言えるだろう。しかし、長い歴史と高度な文明を持つ社会では、個人の社会への貢献なくしてはそれを維持できない。能力に限界のある個人は、自分探しよりも社会の構造やダイナミックスを学び、そこに自分を適応させる作業こそ急ぐべきことである。

3)ドイツの政治家、ワイツゼッカーの言葉「過去に目を閉ざすものは、現在に対しても盲目である」は有名だが、「世界に目を閉ざすものは、自分に対しても盲目である」とも言えるだろう。自分とは、時空4次元空間の中の原点であるから、これらは当然である。

4)GHQ民政局が、社会主義政党を支援したことはよく知られている。(ウィキペディアの55年体制参照)https://ja.wikipedia.org/wiki/55%E5%B9%B4%E4%BD%93%E5%88%B6
また、米国における社会主義者の進出、マッカーシーによる赤狩りについては文献も多い。
5)この社会、それを包含する形での国家を害する行動をとるものに、人権はない。

6)紳士であることを目指す意思を個人に植え付けることが、教育の目的である。札幌農学校のクラーク博士の言葉を引用して、ヤフーの知恵袋に質問の形で投稿したものを引用します。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1155470071

1)トランプ大統領の東アジア諸国訪問の大きな目的の一つは北朝鮮問題であり、もう一つは対外貿易不均衡の解決だろう。その二つは、密接に関係していることは、日本に米国製軍需品を買うべきだというトランプ発言で明らかである。
 
大事なことは、北朝鮮の核兵器は日本にとって脅威でも、米国特にその支配層にとっては脅威ではないことを日本は知るべきである。その結果、北朝鮮の核兵器は米国にとって足枷というより、日本を始め近隣諸国との折衝の武器となっている。
 
そのような理解に基づけば、日本は外交関係において主な交渉窓口を米国だけとするのは非常に危険だと思う。今朝のテレビ「スッキリ」において、ロバート・キャンベル氏が言っていたように、安倍総理が機嫌よくトランプ大統領と話をして、北朝鮮問題は米国に協力しておれば大丈夫だと思っていても、中国へ行き習近平主席と話し合った途端に日本での話がひっくり返る可能性がある。
 
トランプ大統領は8,9月に北朝鮮が日本列島を超えて打ち上げたミサイルを日本が迎撃すべきだったと語ったという。https://jp.reuters.com/article/idJP2017110401001904
また、最近のAFPの報道によれば、「トランプ大統領は112日、中国に対し、北朝鮮の脅威に適当な対処がなければ「武士の国」である日本が自ら事に当たる可能性もあると警告した」という。http://www.afpbb.com/articles/-/3149247
 
つまり、北朝鮮を非核化させるための攻撃は日本や中国にやらせて、日本にはそのための武器を売りつけ、中国は消耗させたいということである。それは、「アメリカ第一」で国際政治を進める米国にとっては確かに賢明な方法かもしれないが、東アジア諸国にとっては迷惑な話である。何故なら、何度も本ブログで書いている(下にも書いた)ように、朝鮮戦争の終結責任、そして終結が遅れたための北朝鮮の核武装に対する責任は、米国にあるからである。
 
2)中国共産党の最高機関である中国共産党全国代表大会(中共党大会)が、今年10月に開かれ、新しいチャイナ7が選ばれた。李克強を除く5人の中央政治局常務委員のうち、江沢民派だったのは韓正一人だが、現在韓正氏も習近平に忠誠を誓っているという。(補足1)
 
その中共党大会の2ヶ月程前に、北戴河会議という長老を囲む秘密会議が慣例に従ってひらかれた。通常、そこで中共党大会での決議事項の原案が決まる。その内容について、元警視庁通訳捜査官の坂東忠信氏が、あるネット記事の内容として紹介している。
 
その信憑性についての判断は慎重でなければならないが、以下のようなものである。
1。ロシアとの関係強化し、ロシアにヨーロッパや日本など他国を近づけるな。
2。北朝鮮と米国との間は消耗戦をさせろ。飛び火してこない様にしろ。
3。インドとは今はあらそうな。
 
以上は実際に北戴河会議で話あわれたかどうかと関係なく、中国の姿勢として合理的であり、従って信憑性が高いと感じられる。
 
夫々、非常に重要であり、東アジア外交の鍵となるような項目である。ここでは、短期的に北朝鮮問題を考えるために注目すべきは2。で、中国は北朝鮮問題に積極的に関与したくないと言うことである。北朝鮮への制裁決議があっても、制裁する振りだけは十分するが、実質的には殆ど何もしないことなど、今までの中国の対応を考えると、2。は一環した中国の姿勢だと合点が行く。
 
この件を考える上で、朝鮮戦争の歴史を振り返ることが必須である。つまり、国連総会は1975年に朝鮮戦争の休戦協定を平和条約に置き換え、国連軍を解散することが望ましいと決議した(ウィキペディア参照)。国連軍というが、実質的には米軍であるので、北朝鮮は国家体制の承認を米国に要求したが、米国はイエスとは言わずに、北朝鮮問題を温存した。
 
もし、韓国を休戦協定に参加させ、その後平和条約に休戦協定を書き換えておれば、今日のような事態には至ってなかっただろう。従って、今日の北朝鮮問題は米国が解決する責任があった筈である。
 
中国や最近ではロシアも、北朝鮮が核大国化するのに協力したのは確かだろう。中国の動機は、上記2。にあるように、北朝鮮問題を大きくして利用することだろう。ロシアも北朝鮮に味方し、且つ、日本と協力して千島開発をするなどして、西太平洋に覇権を拡大したいのではないだろうか。
 
東アジアにある4つの核保持国の内、一つが制御不能だというのなら、残りの3つの核保持国がその解決に当たるべきであり、日本と韓国はその責任の外に有る筈である。それにも拘らず、日本を巻き込もうとしているトランプ米国大統領とそれに協力する安倍総理の方針は、日本国を崩壊させる最初のステップとなる可能性がある。
 
ここは、石破茂氏が言うように日本が核技術を持つなり、核兵器を持つなりして、独自に北朝鮮の核の脅威には屈しない体制を築くべきだという姿勢を周辺諸国に示すべきである。http://www.sankei.com/politics/news/171105/plt1711050026-n1.html
そのためには、外交の表舞台では中国やロシアとも、もう少し親密な関係を築くべく演出すべきだと思う。
 
 
 
補足:
1)5人は、栗戦書67、汪洋62、趙楽際60、王62、韓正63である。夫々についての詳細は、ニューズウイークの記事にある。李戦書は古くからの有人で、王寧は前政権時から中枢で仕事をしてきた知恵袋的存在だという。中国に詳しい川添恵子氏は、この二人が習近平の両腕だと表現していた。同氏によれば、趙楽際は、習近平の祖父と趙楽際の祖父の兄弟が関係深い間だという。また、韓正は江沢民はだったが、北朝鮮利権がなく、習近平に忠誠をちかっていると言う。