1)人生をマイナスから出発するのが本来の人間である(四苦八苦の人生観)

日本人の文化の根底にあるのは、神道と大乗仏教である(補足1)。神道は、自然の恵に感謝する宗教だが、その裏には自然に対する怖れがある。日本はまた大乗仏教の国である。仏教では、生命あるものは等しく虚しい存在であると考える(色即是空)。つまり、我々全ての生命は、やがて消え去る虚しい存在であり、悲しい存在である。

日本文化は、その「怖れ」と「悲しさ」を原点に持つ。従って、日本人の他人との関係は、比較的消極的で淡薄だが、基本的には優しい。自分も他人もお互いに悲しい存在であり自然に怯える存在であるから、助け合わなければならないのである。それが台風などで被害にあった地域にボランティアに出る人の気持ちだろう。

ボランティアは西欧から学んだことだが、日本のボランティアとは参加する動機が異なると想像する。西欧のボランティアは、恐らく神の教えによって行う“隣人愛的行為”だろう。一方、日本のボランティアは、悲惨な情況を共有する互助の気持ちで参加する。

日本人は、人生において一般に悲観的だと思う。それは人間として生まれた瞬間に、悲しい存在だからであり、自然神を怖れる存在だからである。この「悲しさ」と「怖れ」を同時に持つ文化は、日本以外には存在しないだろう。日本は極めて特殊な国である。

このマイナスからの出発を意識する様になるのは、勿論、幼少期に親族等から受ける影響、つまり教育による。西欧の人たちも、マイナスからの出発だが、それは罪深き存在というヤハウェ神の教えに基づくだろう。従って、宗教の影響が残るとすれば、日本や西欧では、人間は原点からではなくマイナスから出発する。そして、中世の西欧でも、一昔前の日本でも、人々は暗さを濃く持つだろう。

ただ、西欧は人間復興(ルネッサンス)という文化運動を経験している。そして、中世は終わり、近代化の中で「神は死んだ」という人まで現れた。それらが、部分的であっても宗教からの開放だとすれば、西欧の人たちには、恐らくそのプロセスで楽観的で明るくなったと想像する。(補足2)

人生をマイナスではなく、ゼロ或いはプラスから出発する人たちは、東アジアに多い。(補足3)儒教の下にある中国や朝鮮半島の人たちである。彼らは従って、日本人よりも楽観的で明るいだろう。その一方、自分が苦境にある時、その原因を本来悲しく虚しい存在である自分自身に発見することが出来ない。自分が原因でなければ、他人が原因である。それが「恨の文化」の根本的な存在理由だと思う。

日本文化は、敢えて言えば「慈悲の文化」である。これは、西欧に住む人には、手前味噌のように聞こえるだろう。財布を落としたとしても、その財布は警察に届けられて落とし主に返却されるのは、落胆する人を憐れみ慈しむからである。道端に落ちている裸の500円玉を拾うかどうかの議論は、現在では日本以外には無いだろう。議論のサイトを(補足4)に引用する。

2)外交には相手国の文化を深く研究して考慮すべき:

この文化の違いに気づくことが、日本の近隣外交において重要だろう。現在の政治は、大衆の感情で動く。隣国の論理的思考が出来ない一般人は、自分たちが苦境に陥ればその原因を必ず他に求め、その”見定めた他”を攻撃する。それが「ハン(恨)の文化」であり、反日法を制定し、事後法でも気にせず適用する理由である。(補足5)

日本にとって、最重要課題の一つは中国とロシアの評価である。中国にも人生がマイナスから始まるという思想はないだろう。ただ、習近平氏は文化大革命のときに不遇の幼少期を過ごしている。その経験から、「ハエも虎も叩く」のであれば、それは評価できるのかもしれない。

自由主義経済と民主主義の国に変われば、日中友好は必然だと考えるのは早計だろう。それは韓国との現在の関係を考えればわかる。米国が孤立主義の方向を採り、世界のリーダーでなくなった時、中国の敵でなくなるだろう。その後、中国が苦境に陥った時、日中は今の日韓の関係のようになる可能性がある。

西洋はキリスト教の国であり、その条約という外交文化は、つまり、敵との妥協である。日本の国譲りも、徳川封建体制も、妥協の産物である。しかし、儒教の国は、易姓革命の国であり、定めた敵は殲滅する。妥協がないのが恐ろしい。(補足6)

現在、日本政府は中国に接近しつつある。中国の最新鋭の太原は自衛隊と合同訓練を行った。http://j.people.com.cn/n3/2019/1017/c94638-9623864.html その意味をロシアの新聞スプートニクの日本語版は論じている。日本の新聞にはこの件、殆ど議論されていない。https://jp.sputniknews.com/reportage/201910156757331/

ロシアと中国の文化を理解することの意味は大きいので、改めていつか勉強して書いてみたい。(20日早朝、編集;セクション2を補充、補足編集そして補足6を追加)

補足:

1)この大乗仏教の文化圏では、自分が他人を押しのけて利益を得るという、競争社会での成功に対して、低い評価を与える。そして、自分の能力や財力を誇る行為を、卑しい行為と見る。勿論、現実主義として先立つものは金だという考えは誰にでもある。しかし、それだけでは軽薄な人間ということになる。

2)日本文化の中にしっかりと根づいていた宗教も、徐々に希薄になってきている。それは若者たちを西欧人のように、明るく積極的にしているだろう。その傾向は、特に関西地方で歪な形で強まっている。テレビと“よしもと”の漫才の影響は大きい。人の頭を平手打ちする芸の人気も定着している。その様な場面のテレビ放映は、人の尊厳に無関心な若者を大勢生み出している。それがイジメにつながっている可能性が高い。

3)身分差が制度として定着している場合、プラスで出発する人たちも大勢いる。例えば、貴族である。また、優等人種であると信仰する人たちも、プラスで出発するだろう。その場合、敵や劣等人を殺害するような場合、信じられない程の残虐性を見せるだろう。北の隣国でのチャン・ソンテクの処刑では、全身がバラバラになったと報道されている。それは甲申事変での、金玉均の処刑と似ている。中韓で流布されている旧日本軍の残忍さは、彼らの常識で作られたと考えれば分かりやすい。 https://www.j-cast.com/2013/12/16191859.html?p=all

4)財布を拾ったとすると、現在でも日本では交番に届けられ、無事持ち主に戻る確立が70%位はあるだろう。それは、財布を落としたものは困っているに違いないという気持ちと、得る資格のない利益を得るのは不道徳であるという考えが、身についているからである。 https://oshiete.goo.ne.jp/qa/4940182.html

5)福沢諭吉の脱亜論に基づいて、この件を考察した文章がある。勿論、福沢諭吉は嫌韓ではなかった。李氏朝鮮を潰さないと朝鮮に未来はないと考える金玉均の留学を受け入れ、親しく付き合った。 https://www.news-postseven.com/archives/20180416_657811.html

6)朝鮮半島では、16世紀に李氏朝鮮の誕生により儒教と朱子学を取り入れ、仏教 は滅んだ。それ以降、歴史は易姓革命的になった。支配者が代われば、過去は全否定される。韓国の歴代大統領の悲惨な最後は、易姓革命的だと考えれば分かりやすい。

過去に書いた文章で比較的よく出来ているものを再録している。理由は、グーグルの方針で古い文章は検索にかからなくなっているからである。今も全くこの通りだが、老化でなかなか書けない。惜しいので、選んで再度アップする次第。(10月18日)

 

ジレッド・ダイヤモンド著の「銃、病原菌、鉄」(日本語訳)を読んでいる。文明の発展の歴史を科学的視点で詳細に述べた本であり、大変興味深い記述があちこちに見られる。その中の第13章”発明は必要の母である”(注1)の中に、私も日頃から思っていることに関する文章があり、それを基に本文章を書いた。


 それは、今回日本人3人がノーベル物理学賞を授賞した際にブログに書いたこと、“科学技術文明は無数の研究者の努力により現在の形になっている。そして、応用研究では特に膨大な数の研究者や投資者の努力(注釈4)で、商品にまで至る。その中でたまたま一里塚的な位置にあった研究者をノーベル賞委員会が選び授賞する”と関連することである。上記本にあった文章の引用し、更に私の考えを加えて先のブログの補足を書く。


 上記本の13章の中の「誇張された天才発明家」のセクションで、ワットの蒸気機関の発明の経緯を用いて、そのサブタイトルの意味を説明をしている。下にネットでの調査を加えて蒸気機関の発明経緯を書く。


 蒸気機関と言えば、ワットがヤカンから上がる蒸気が蓋を動かすのをみて、発明したという話を信じている人が多いかもしれない。しかし、蒸気自動車や蒸気機関車に至るには、上記のような長い歴史があったのである。しかも、ピストン運動を回転運動に換えるプロセスも、ワット以外の何人かが決定的役割を果たしているのである。


 更に、エジソンが発明した白熱電球も、1841年から1978年の間に色んな発明家が特許をとった白熱電球の改良型だった。ライト兄弟の有人動力飛行機も、その前にオットー・リリエンタールの有人グライダーやサミュエル・ラングリーのエンジン付き無人飛行器があった。


著者は結論として“あの時、あの場所で、あの人が産まれていなかったら人類史が大きく変わっていたという天才発明家は、これまで存在したことがない”。功績が認められた発明家とは、社会が丁度受け入れられる様になった時、既存の技術を改良して提供できた人であり、有能な先駆者と有能な後継者に恵まれた人なのである”と書いている。

それが、「誇張された天才発明家」の意味するところである。 


 ノーベル賞に輝いた3名の功績で誰もが知る様になった青色発光ダイオードであるが、それも量子力学とそれによる半導体の研究、半導体内での電子とホールの再結合蛍光の研究、点接触ダイオードや接合型ダイオードの発明、赤色発光ダイオードの発明、青色発光ダイオードに相応しい結晶の研究などが既にあった。そして、それを基にして、赤崎教授と天野博士が初めて青色発光ダイオード作成した。また、工業利用を可能にした中村博士の研究であるが、徳島の中小企業である日亜化学工業の創業者が、博士課程を修了していない中村氏に、米国留学のチャンスを与え、その後の研究に5億円の投資をし、青色LEDの開発研究を進めた結果である。このような長い経緯を知って、初めてこの成果が正当に評価できるのである。


 ところで、中村教授は米・現地時間の7日、自らが勤務するサンタバーバラ校で会見を行い、 学生からの“(研究に対する)モチベーションは?”という問いに対し、「怒り(anger)。とにかく怒りだ」と回答し、日本の研究環境について、「日本の会社で発明したとしても、ボーナスをもらうだけ。米国では会社を立ち上げられる」と苦言を呈したという。http://daily.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1413083146/

 

中村氏は、開発当時勤務していた中小企業のトップの理解を得て、研究者としての修行の機会と、多額の研究費を出してもらっている。その厚遇にたいして同僚先輩などから多少の妬みなどは当然あり得る(注2)。望み通りの研究成果を得ただけでなく、訴訟したとはいえ、8億円の報奨金を手にし、更に、今回ノーベル賞の栄誉を得た。上記のような発言は、私には全く理解できない。


 研究者と言えるレベルの人は知っていると思う: 分野が科学研究でも工業技術研究でも、その発展はまるで潮が満ちる様に、文明全体と相互関連して進むものであり、特定の個人が現在のノーベル賞授賞で受ける栄誉に相当する程に目立つ功績を上げて、進むものではないことを。将にそのことを、”銃・病原菌・鉄”の中で、ジャレド・ダイヤモンドが第13章の中で書いているのである。

 

現在、日本のノーベル授賞者数が中国や韓国に比べて大差があることを、まるで日本国とそれらの国の文化や文明に大差があるような報道が週刊誌等でみられる。敢えて言えば、ノーベル賞なんてそんな大した問題ではない。サルトルは1964年にノーベル文学賞に選ばれるが、「いかなる人間でも生きながら神格化されるには値しない」と言って、これを辞退している。

もし、ノーベル賞授賞が特定の個人の神格化なら、文明にとって意味がないか有害かのどちらかである。(Wikipediaのジャン・ポール・サルトル参照)


注釈:


1)通常良く言われるのは、「必要は発明の母である」である。しかし、この言葉で語られる発明は、大発明の中では少数派で、例えば米国による核兵器の開発がある。(”銃・病原菌・鉄”日本語文庫版、下巻、61-65頁、”発明が用途を産む”)
2)サイトにこの辺りの経緯が説明されている。http://biz-journal.jp/2014/10/post_6311_2.html
しかし、ここで書かれている怒りは、本分中の講演後の怒りとは本質的に違う。
 

1)ウクライナ疑惑を一般論的見地から見る:

今、米国はウクライナ問題で揺れている。トランプ大統領がウクライナの大統領選に勝利したゼレンスキー(Zelenskyy)に祝いの電話をしたとき、"おめでとう"の言葉だけでなく、ウクライナを舞台にした米国人の不正疑惑(補足1)を調査するように依頼したことが、憲法に違反するというのである。

 

その不正疑惑の主がバイデン父子で、バイデンは次期大統領選の有力候補とみなされているからである。しかし、その疑惑の対象が大統領候補になり得るので、捜査対象から外すべきだということにはならない筈である。バイデン父子の疑惑が明らかになれば、大統領選挙で有利になるかもしれないが(別に強敵が現れなければ)、不正を働く人が相手の選挙なら、有利になるのは当然ではないのか。

 

何よりも、不正が疑われる件に関して、事実の解明が第一である。もし、バイデンに不正の自覚がないのなら、そしてトランプがそんな方法で選挙を有利にしようとしたのなら、それは汚い選挙干渉だという批判が起こり、トランプにとっては非常に危険である。

 

従って、今回のトランプを攻撃する側(民主党支持者の)反応はバイデン側に不正があったという自覚があるからのようにも思える。 バイデンが、徹底した捜査でも真っ白になる自信があれば、そして実際に真っ白になればなおさら、次期大統領選に大変有利ではないのか?

 

また、そのトランプを攻撃する一派は、バイデン一家の不正への調査要求をちらつかせて、予定されているウクライナへの軍事費支援を遅らせたのではないかとトランプを攻撃している。しかし、それも明確に脅しの言葉が無く、それが実質的に被害を生じないレベルなら、問題にする程のことではないと思う。

 

それが問題なら、バイデン当時副大統領がウクライナに対して保証していた10億ドルの貸与を片手に持って、ウクライナ側に検事総長の交代を迫った可能性(トランプやジュリアーニらの指摘;補足2)に対し、バイデンやトランプ非難の側が明確にすべきである。

 

前回の記事にも書いたが、現状説明できない金を外国から政府要人の周囲がもらったのなら、それに匹敵する国益に反する取引があった筈である。それは物理法則を適用する場合に似ている。物体が運動エネルギーを持ったのなら、それは誰かが動かしたのである。動かした人がわからなくても、誰かが動かしたのは事実である。そのエネルギーに相当するのが、今回の場合ハンターらがもらった説明できない多額のお金である。

 

つまり、不正捜査の鉄則は、「誰かが不正な利益をあげたか」と「次に誰がその利益を上げたのか」をその順に明確にすることである。明らかにバイデンの息子(ハンター・バイデン)やケリーの義理の息子(デバン・アーチャー)には、十分説明できない利益が、支援対象であったウクライナの企業からもたらされただろう。それは、何処かで米国の国益を害している筈であり、何らかの不正はあったと考えるべきである。

 

ウクライナも米国の支援という利益があったのなら、自発的には米国高官の周辺の不正は喋らない筈である。つまり、構造として、そしてメカニズムとして、その種の疑惑は明らかになりにくい。ウクライナの前検事総長が直ちにバイデン父子の調査は不要であるといったのは、その国のエゴイズムに起因すると考えても間違いではないだろう。その調査依頼を多少の圧力を感じる形でするのは当然ではないのか?(補足3)

https://www.bbc.com/news/world-us-canada-49871909 

 

バイデンが大統領選に出る可能性も、何処かの一国民が大統領選に出る可能性も、ゼロではない。従って、バイデンが大統領選の候補者だからということを根拠にしたトランプ批判は民主主義の原則からみて非合理的である。そして、明確な理由なく大金が動いたことの裏には、物理的にと言って良い位の確実性で必ず不正がある。その疑惑解明よりも、トランプの電話での捜査依頼を憲法違反だといって騒ぐのはおかしい。

 

これらの背後には、トランプ批判の人々が「トランプは無法者」という色メガネを掛けて、政治を見ていることがあるように思える。この疑惑の元になった電話の内容は、ホワイトハウスから公開されている。NYタイムズは、言葉尻を捉えてトランプのウクライナ疑惑を批判しているが、バイデン父子のウクライナ疑惑を完全に見逃す不思議を消す努力はしていない。

https://www.nytimes.com/interactive/2019/09/25/us/politics/trump-ukraine-transcript.html 

 

2)ウクライナ疑惑の経緯について若干の追加

 

疑惑の具体的な話に戻ると、半日ほど前に出たFOXニュースでこの件が取り上げられている。それによれば、2014年4月16日にデバン・アーチャーはホワイトハウスでバイデンと私的に会っている。(ホワイトハウスの記録に残っていると書かれている)その二日後、バイデンの息子ハンターがブリズマの役員となり、更に三日後の4月21日にバイデンは、ブリズマに対する支援の約束を持って、ウクライナに向かったという。(John SolomonというFOXニュースの寄稿者)

https://www.foxnews.com/opinion/steve-hilton-ukraine-scandal-us-cash-gas-bidens-dems

 

この件、その後ウヤウヤになった理由は、バイデンがウクライナの検事総長Victor Shokin(2015/2/11 – 2016/3/29)を首にしたことであると、政治コメンテーターとして有名なGlenn Beck(Wikipedia参照)は動画で解説している。

https://www.youtube.com/watch?v=5nUZekJ3pfM

 

BBCは、前のウクライナ検事総長Yuriy Lutsenko(検事総長在任2016/5/12 - 2019/8/29)はこの件でバイデンを捜査する必要はないといったというが、何の為にこのようなニュースを流したのかわからない。情報を得たいのなら、当時検事総長だったVitaly Yarema( Jun.19/2014 –Feb.11/2015) 、Viktor Shokin (Feb.11/2015 – Mar.29/2016)、Yuriy Sevruk (Mar.29 – May. 12/2016)らにも聞くべきだろう。

 

既に、Viktor Shokinはバイデンにより首になった理由を明確に語っている。当然のことながら、バイデンは息子から疑惑が発覚するのを恐れたのだと推理している。それと同時に、既に述べたように米国の不正を暴くことはウクライナの得にならないので、政権側の人は米国の利益と一致すると考えなければ真実を語らないだろう。BBCの真意がわからない。文献①)

 

「ウクライナ政変に絡んで私腹を肥やしたバイデン親子の調査が大事か、ウクライナへの軍事費支援が大事か?」という問題だが、過去の捜査とリアルタイムの安全保障問題の比較であるから、前者を重視する考え方自体は、健全であると私も思う。従って、トランプはそれほど長期に亘って、軍事支援金を出さなかったわけではないだろう。

 

尚、以上の考察は「chukaのブログ」氏へのコメントとして書いた。その元の記事を以下に引用しておく。

https://83k2ho1ux7ti.blog.fc2.com/blog-entry-296.html

 

3)世界は混乱の入り口にあるのか?

 

米国の政治情勢は、定性的には、韓国の情勢に似ている。韓国では、クーデターの前夜的な雰囲気のようだが、米国もトップの地位の危うさという点では同様に見える。ただ、米国の場合は副大統領が後任として控えているので、トランプ以前の情況にまで完全に戻ることはないだろう。しかし、それはたいしたことではないのだろうか?

 

日本のトランプを見る有力な一モデルは、グローバリズムを推し進めてきた米国の影の勢力と戦っている大統領である。そして、もしトランプが失脚すれば、西欧近代国家の主権国家体制が崩壊に向かうという人類史の3年ほど前の情況に戻るのだろう。その時から10年ほどすれば、力をもって世界を支配するのは、経済的力をつけた中世的独裁国、つまり中国かロシアになるだろう。それは日本にとって悲劇的になる可能性が大である。

 

トランプ政権が米国民に対して明らかにしたのは、米国が国家という価値を認めない一派により影から支配されてきたことである。グローバリストと呼ばれる人たちは、国境の破壊を意図し、難民のような移民を世界中にばら撒いてきた。その姿勢は、かれらは国民国家を理解し、それを維持するという責任感を持たない人たちだからだろう。土着のナショナリズムを持たない人達が、巨大な経済的力と政治的力を隠し持った国が、米国であった。

 

トランプは、以前から一部で用いられているディープ・ステートという言葉を彼らに対して用いている。その中でより明確な姿を出したのが、ホンジュラスなどから米国に向かう難民を支援した団体である。未だにメキシコと米国の国境付近の町に住んで、彼らは悲惨な毎日を送っている。

 

この大量移民は、トランプを窮地に陥れようとする企みであることは、明らかなに見えるのだが、その解釈は捏造だとか陰謀論だ言われればそれまでである。その米国への移民希望の家族が「ニカラグアで暴力的に追い払われた。我々には帰るところは無い」と話す場面をテレビは映していた。大量難民発生のどの段階から米国の勢力が絡んでいるのかわからない。その図式は、北アフリカからヨーロッパへ向かう難民と相似的である。

 

トランプが、その支配を打ち破ろうとしていると言う説を精力的に主張しているのが、元ウクライナ大使の馬渕睦夫氏である。植民地と奴隷制の中世から、近代国家を経て、世界の先頭に発展した米国は、自由、民主主義、法の支配を外に向かって主張する世界の手本に見えた。その建前論は、世界の国々にとって目標であったが、その本質は上記の一派が支配する現実主義的国家であった。多くの国々にとっては、米国の現実主義のマネはできない。

 

つまり、自由、民主主義、法の支配の近代国家モデルの輸出は、それに相応しい文化を持たない国々に混乱を招く結果になるだろう。ウクライナのオレンジ革命を初め、カラー革命と呼ばれる多くの政変で、米国は中心的な役割を果たしたと言われている。このウクライナの政変でも、そのような不正が生じたのだろう。それを振り返る事なしに、トランプを批判するのは疑問に思う。

 

(16日早朝 全般的に編集;17日早朝 最初のセクションの語句編集)

 

補足:

1)1)この件、10月7日のブログにも書いたが、ここでも少し書く。2014年2月にウクライナのヤヌコビッチ大統領が亡命した直後の2014年4月に、当時の米国副大統領バイデンがウクライナを訪問した。それと同時期に、バイデンの息子のハンターと当時米国国務長官ケリーの(義理の)息子のデバン・アーチャー(Devon Archer)は、疑惑の中心であるガス会社のブリズマの役員になる。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/10/blog-post_7.html


デバン・アーチャーとハンター・バイデンはビジネスパートナーで、一緒にローズモント・セネカという会社を経営している。それから一年あまりの間に、彼らの周囲に千億円以上の金が流れた。 同様の疑惑が中国を舞台に存在するが、ハンターはもし父親が大統領なら中国企業の取締役を退任し、外国での仕事はやらないと言ったと報じられている。つまり、中国と民主党はズブズブの関係であることは、この事実からも明らかである。

https://www.washingtonpost.com/politics/hunter-biden-says-he-will-resign-from-chinese-company-board-and-wont-take-foreign-work-if-his-father-is-president/2019/10/13/fa79ec64-ec30-11e9-bafb-da248f8d5734_story.html

 

2)バイデン当時副大統領が、息子ハンターと、そのハンター・バイデン氏がどういう訳か突然に取締役になり多額の報酬を貰う事になったウクライナのガス会社のブリズマを刑事訴追から守るためということになる。

 

3)不正にならない圧力の範囲を想定する事は、「法の支配下の検察や司法」にも必要だろう。推定無実を相手にいかなる圧力も掛けるべきではないと100.00%主張するのは、現実主義的ではない。死刑を廃止し、且つ、犯罪の取り調べに圧力があってはならないという理想主義の主張は、現在の検察及び司法を機能不全にするだろう。現行犯を疑われた時点で、警察が射殺する欧米の姿勢は、その理想主義が招いた不正な警察の姿ではないのか。