今朝、トランプの大統領選逆転の可能性がかなり出てきたという記事を書きながら、舌の根が乾かない内にこのようじゃ文章を書くのは非常に残念である。ただ、この結論は最近の殆どの記事で予想してきたことである。それは裁判所に高度な政治判断を求めるのは無理だということである

 

ニューヨーク・タイムズなどの報道によると、テキサス州司法長官が4つの州を訴えた件、連邦最高裁で却下された。理由は原告にそれを提訴する資格がないということで、署名のない短い声明文が公表されたようだ。全くの門前払いである。

https://www.nytimes.com/2020/12/11/us/politics/supreme-court-election-texas.html

 

 

火曜日のペンシルベニア州の共和党員からの同様の提訴も、既に連邦最高裁は却下した。つまり、裁判所はこのような重大な政治的な意味のある判決を避けるのである。https://www.npr.org/2020/12/08/944230517/supreme-court-rejects-gop-bid-to-reverse-pennsylvania-election-results

 

例えば、日本の最高裁は1959年の砂川事件裁判で自衛隊の違憲判決を避けた。憲法9条は明確に武力の保持を禁止している。しかし、そのような高度な政治判断は、政治家がするべきであるとして、違憲判決を避けた。その論理は、統治行為論という言葉で語られている。(ウィキペディア参照)

 

この米国の大統領戦でも、トランプが早期に敗北宣言をすれば、大きな不満が渦巻くだろうが、内戦にはならなかっただろう。或いは、早期に戒厳令を布いて、人身保護法を停止し、インチキ裁判を徹底的に捜査しておれば、米国は騒然となるだろうが、FBICIAがもっている多くの証拠により、如何にひどい選挙であったかが明らかになったかもしれない。

 

すでに何回か書いたように、裁判官は法律家であり政治家ではない。高度な政治判断は、国家元首が本来すべきである。トランプ氏は、最高裁の判断を錦の御旗にして、選挙結果をひっくり返そうとしたが、それは元々筋の悪い作戦だと思う。

 

何故なら、何度も同じことを言って恐縮だが、それは裁判官という専門家に、国を割るかもしれない高度に政治的な判断を強制することになる。それは畑違いの要求である。政治は大衆と様々な力の総合として動く。論理ではないと思う。

 

これでバイデンが正式に大統領につくだろう。

 

ただ、バイデンは望まれて大統領になるのではない。しかも中国やウクライナなどでの多くの犯罪に絡んでいる可能性がたかい。恐らく、短期間の内にバイデンは大統領の座から引きずり降ろされるだろうと思う。

 

それが、今回のトランプ支持派の怒りを多少とも鎮めることに使われるのではないだろうか。既に、ハンターバイデンの税務調査が始まっているのは、それを暗示している。まだまだ米国には嵐が吹き荒むだろう。(おわり)

テキサス州の司法長官Ken Paxtonによる最高裁への4州の提訴は、トランプ大統領の訴訟参加と、Ken Paxtonの訴状の主旨に賛同する20州を含めて、大きな規模になった。方や民主党側も22州を反対側に集めて、全米を二分するソフトな内戦になった。このように合衆国分裂が予想される場合、少し考え方が変わってくる。

 

テキサス側の20州とテキサスに反対する側22州の資格は、当事者ではなく法廷助言人(amicus curiaeアミカス・キュリエ)であり、裁判所の要請などがあれば意見書の提出などをすることができる。この裁判を最高裁が取り上げて、判決を出すかどうかは未だわからないが、恐らく判断を逃げることはないだろう。米国の憲法は、50州を束ねる根拠であり、その判断次第では、米国の分裂は実際に起こるだろうと予想されるからである。

 

1210日の午後3時の期限で、4州(ペンシルバニア州、ウイスコンシン州、ジョージア州、ミシガン州)は最高裁の要請に従って、テキサス州司法長官の訴状に対する反論を出している筈である。

 

https://www.youtube.com/watch?v=CM45JLHh-wE

 

 

 

この訴状がテキサスから出されたことには深い理由があると、解説するのがHarano Timesの動画である。テキサスは1836年にメキシコから独立し、テキサス共和国となり、その後合衆国に併合された。Harano Timesは、このテキサスの行動は、メキシコの憲法ではなく、合衆国憲法を選択したということであると解説する。

 

これら4州は、立法機関である州議会ではなく、行政と裁判所で大統領選挙の投票形式を大幅に変更したことを、合衆国憲法違反だと告発したのである。それは当選する大統領が誰になるかに影響する可能性があり、当然テキサスの利益にも大きく影響する。

 

4州の反論が吟味されて、週明けには、正式に訴状の受理が決まるだろう。判決の結果がどちらにしても、このまま米国が元の鞘に納まるとは思えない。米国という法治国家の見本だった国で、連邦最高裁判所はその存在意義が問われている。米国が既にソフトにではあるが二分された現状では、日本の最高裁のように、屁理屈(統治行為論)で判断を避けることはないだろう。

 

テキサス司法長官の訴えには説得力がある。立法は議会の仕事であり、選挙の方法の改訂は法に定めるべきことだからである。(補足1)

 

民主主義の成立には、単に有権者が選挙に参加することだけでなく、有権者が政治を真剣に考えて投票するという暗黙の義務の遂行が要求される。大統領職の重要性を個人の能力の範囲でしっかり考えて、一票を投じる努力が要求される。

 

伝染病が流行っていても、その論理には変化がない。郵便投票でも、有権者が積極的に投票するという意思が確認される方法が確立されていれば問題はないが、例えば、113日以降に到着したものも有効とするというのは、上記民主主義の考え方に反する。

 

もし最高裁の判断が、テキサス司法長官の勝訴となっても、敗訴となっても、暴動などが発生する可能性がたかい。その結果、最終的にはトランプ大統領は戒厳令を布くだろう。今回のテキサス司法長官の裁判が行われたとして、彼が勝訴した場合、戒厳令下で軍の完全な協力がえられるだろう。

 

 

 

 

テキサス州務長官の提訴が、棄却された場合、合衆国憲法に従うという統合参謀本部議長の言葉から考えて、一抹の不安がある。勿論、現職の大統領が戒厳令を出せば、それに軍が従うのは、憲法の規定だろう。

 

しかし、最後の憲法無視が、米軍によりなされる可能性も皆無ではない。それは、既にバイデンが書類上次期大統領に決定しているとの屁理屈的な解釈も、国民を欺く理由として可能だからである。

 

補足:

 

1)ペンシルベニア州共和党が、郵便投票の利用拡大を認めた制度が州法に違反すると主張し、最大約250万票を無効にすべきだと訴えた。その郵便投票は、バイデン氏支持者が多く利用した。ペンシルベニア州は、11月下旬にバイデン氏の勝利を認定したが、共和党の訴えが認められれば一転してトランプ氏が勝利する可能性もあった。しかし、連邦最高裁判所は8日、大統領選をめぐり東部ペンシルベニア州の郵便投票の一部を無効にすべきだとの共和党の訴えを退ける判断を下した。

 

この最高裁判決の根拠は、大統領選の選挙人選定は、州の自治権の範囲内だということだろう。つまり、州法に違反するとして提訴しても、それは州の裁判所の案件である。

今回の裁判は、全くことなる論点からテキサス州は提訴している。

思いがけないニュースが飛び込んできた。それはテキサス州の司法長官が、ペンシルバニア州、ウイスコンシン州、ジョージア州、ミシガン州を、「新型コロナ肺炎の流行を理由に州議会の法改訂を経ずに選挙制度を変更したこと」が合衆国憲法に違反するという訴訟である。

 

 

 

合衆国憲法には、疫病を理由に選挙制度を変えても良いという規定はないと、Harano Times で語られている。そして、その選挙制度が理由で当選する人物が変化し得るので、それがテキサス州民の利益を損ね得る。そのことは、原告となる資格をテキサス州に与えると言う論理である。(補足1)

 

このテキサス州の提訴に同意する声明が17の他の州から続々とだされたことを、ダラスの新聞「The Dallas Morning News」だけでなく世界的な米国の経済誌Forbesも報じている。

 

 

後者によれば、

 

Texas Attorney General Ken Paxton filed a lawsuit Tuesday in the Supreme Court against Michigan, Pennsylvania, Georgia and Wisconsin, alleging that the states’ election results should be invalidated because of fraud and irregularities that occurred as a result of the states expanding their voting rules amid the Covid-19 pandemic.

 

上記英語文の要約:テキサス州司法長官のKen Paxtonは火曜日、連邦最高裁に4州を相手にする訴状を提出した。その訴えの主旨は、コロナの流行を理由に投票ルールを拡大したため、インチキなどでそれらの州の選挙結果の有効性が損なわれたことである。

(尚、上記4州の司法長官らから、訴状に関して激しい批判がなされている。しかしそれらは、かなり感情的なものであるので、ここでは省略する。)

 

憲法上は、州を代表する選挙人は州の法令に従って選ぶことになっているのだから、上記訴状の論理が最高裁に通じるだろうか。各州で選ばれた選挙人が同じ一票を持つという点までしか、連邦裁判所は関与しない可能性がたかいと思う。しかも、その選挙制度を州の裁判所で合憲だと判断した場合、それを覆す判断を連邦最高裁がするだろうか?

 

この件、何時も引用する及川さんの動画でも取り上げている。

 

 

そこで紹介されている訴状紹介の本質的な部分は、Harano Timesのものと同様で、テキサス州が提訴する根拠として紹介されているのは、やはり、「合衆国国民の権利の平等に反する」ということである。

 

ここで注意したいのは、新型コロナ肺炎のような特殊な疫病の流行を合衆国憲法制定時に想定していないだろうという点である。合衆国憲法は、選挙人の選任を州の自治権の範囲としているのなら、特殊事情を背景に選挙の方法を改めることを禁止してはいないだろう。

 

一般的に、憲法が想定しない事態に対処する場合、リーダーシップを発揮するのは国家元首の役割だろう。それ故、選挙の例えば数ヶ月前に、この非常事態を理由に選挙制度を変えてはならないという内容の大統領令が、合衆国憲法に違反しない形で出せなかったのだろうか? 選挙が終わった段階では、上記論理で最高裁に提訴するのは、受理を勝ち取るための十分な理由にならない可能性が高いと思う。

 

また、「合衆国の国民は平等の権利を持つ」という規定が合衆国憲法にあるとしても、それはどこまで及ぶ国民の権利なのか? 

 

例えば最終的に下院が大統領を選ぶケースでは、カリフォルニアの人口が非常に多いにも拘らず州として一票として数えられる。従って、大統領を選ぶ権利の国民一人あたりの平等は、憲法の原則にはないだろう。つまり、憲法に書かれている国民間の平等は、国家と社会のシステムに関する部分には及ばないだろう。

 

このテキサス州の訴えに同調する州が17出ているが、その州の数が過半数近くなるのなら別だが、そうでない場合にその訴えを最高裁が受理しないと予想する。それは、前回書いたように、“国を割ることになるかも知れないという政治的な判断”は国家元首がすべきであり、最高裁の仕事ではないと判断される可能性が高いからである。

 

この件、日本の最高裁が自衛隊違憲の判決が出せない理由を考えれば参考になるかもしれない。つまり、行政の最高レベルの判断に最高裁は関与できないという統治行為論(補足2)なる考え方である。憲法は国家元首の下に位置する。国家元首が戒厳令を布告することで、憲法に記載の基本的人権すら一時停止できるからである。従って、国家元首がどちらになるかの遷移状態において、その方向に関して決定的となる判断を最高裁に求めるのは無理がある。

 

追捕:私個人としては、トランプを応援している。ただ、法廷での闘争には限界がある。元海軍と陸軍の中将二人が進めるように、戒厳令を布いて、選挙をやり直すしか、トランプが勝利する筋書きはないだろう。それはこの10日ほど書いてきたことである。

 

(15時30分、編集)

 

補足:

 

1)Hirano Timesが、連邦最高裁が似た判断を嘗て行ったとして言及したのが、ブッシュ・ジュニアとアル・ゴアの選挙戦での訴訟である。フロリダ州の県の間で選挙の制度が違うことが争われ、結局ブッシュが勝ったという。しかし、この場合、どちらが大統領になっても、米国の屋台骨に影響する効果はなかっただろう。この違いについては、下の統治行為論に関する記述を読んでほしい。

 

2)統治行為論は日本独自の理由かもしれないが、最高裁側の「国家元首或いは主権者がするべき判断を押し付けられてはかなわない」という考えは万国共通だろう。