G7首脳会議から急遽ワシントンに戻ったトランプ米大統領は、SNSでテヘラン市民に退避するよう呼びかけた。また、米空母ニミッツが中東に向けて航行しているという。米国によるイラン攻撃が近いようだ。

CIARay McGovern氏が、ペルシャ湾近辺で米国艦船を例えばイスラエルに攻撃させ、それをイランによる米国への攻撃と宣伝して、対イラン攻撃の口実とするかもしれないとツイートしているという。所謂偽旗作戦である。

 

 


この件を心配して報じた以下のyoutube動画を引用する。

https://www.youtube.com/watch?v=J6AncAFa-wc

 

(以上)


中東問題を考える基礎としてイスラエルの核兵器開発の経緯や現状についての知識が重要である。現在、イスラエルが核兵器を持つことは公然の秘密とされているが、我々一般市民にはそれ以上の知識を持つ人は多くないだろう。(補足1)

 

今回、インドのニュースサイト“FirstPost”によるその解説動画を見つけた。信憑性が高いと感じたのでその内容を要約して下に記す。私にはこのような知識がなかったので、今後のためにまとめておこうと思った。https://www.youtube.com/watch?v=PdcjH3KxIag

 

 

1948年、イスラエル初代大統領のDavid Ben-Gurionは第一次中東戦争ののち、核兵器開発をすべきと考えた。彼は協力者としてドイツ出身の化学者であるErnst David Bergmannを見つけ出した。そしてBergmann は、1951年にイスラエル国防軍の科学部門のトップとなり、IAECIsrael Atomic Energy Commision)のヘッドとなった。彼はイスラエルのオッペンハイマーと呼ばれている。

 

1955年にBen-Gurionが権力に復帰したのち、核兵器開発はShimon Peres(補足2)が中心になって再開された。1957年、フランスから4㎏のプルトニウムと数十名の技術者の派遣を受け、ネゲブ砂漠の中にあるDimonaに 原子炉と再処理工場の建設を開始した。

 

1960年米国はこの計画を察知し、アイゼンハワー大統領に問い詰められた。米国は核兵器の拡散を防ぎたいと思っていたからである。その時、イスラエルは平和目的(原子力発電所)だと言って、核兵器開発の事実を隠した。その言い訳はその後のイスラエル国会での説明にも用いられた。

 

アイゼンハワーの後任であるケネディ大統領は米国による査察を強引に要求し、イスラエルに同意させた。米国の査察団は196119621964年とイスラエルを訪問した。其のたびごとにイスラエルは何とか誤魔化した。

 

その裏で原子炉の設計図や重水の調達をおこなった。(補足3)ハリウッド映画のProducer であるArnon Milchanをスパイにスカウトし、米国の関係者から設計図などを手に入れ、重水はノルウェーの協力によって英国への輸出の荷の中から提供された。
 

1967年には核爆弾は完成した。(補足4)1968年までに米国は状況を完全に把握していたが、NPT(核兵器不拡散条約)の議論中であり、イスラエルの核保有を明らかにすることや対応などについては何もできなかった。

 

NPTにアラブ諸国は署名したが、イスラエルは署名しなかった。イスラエルの核兵器保有を明らかにすれば、NPTの破綻を意味するので、米国はそれを秘密にすることになった。

 

ただ、イスラエルは確認の核実験をする必要があったが、近くでは不可能なので、南アフリカの南方洋上で行った。当時南アフリカは人種差別主義者が政権を握っており、イスラエルはその政権の重要なサポーターだったから、容認したのである。その代わりに、南アフリカに核兵器製造ノウハウを手に入れた。

 

米国の衛星は、核実験を示す二重の閃光を確認した。その後1986年に、Dimona1977年から1985年の間働いていたイスラエルの技術者モルデハイ・バヌヌ(Mordechai Vanunu、通称:モルデハイ・ワヌヌ)が、退職前に撮影した多くの写真とともに英国メディアにリークした。モルデハイはその後Mossadにローマで逮捕され、18年間収監された。


 

補足:

 

1)イスラエルの建国から中東戦争については、20231015日に勉強したことをブログ記事にしている。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12824593742.html

 

2)1984-1986, 1995-1996に首相となる。1993オスロ合意でノーベル平和賞。

 

3)Michael Collins piper著「ケネディとユダヤの秘密戦争」という本には、イスラエルと中国の核兵器共同開発、それがケネディ暗殺の真因だったとある。1960年ころユダヤ勢力が米国で大きな力を持っていたが、それでも現在とは違って大統領府の支配にまでは至っていなかったことが分かる。

 

4)ここまでの解説を聞いた限りでは、その核兵器は長崎に投下されたプルトニウム型である。原子力発電ができれば、核廃棄物からプルトニウムが分離できる。原子力発電所からでる核廃棄物には、残存ウラニウム(大部分はU(238))、U(235)の核分裂で生じた物質(セシウムやヨーソの同位体など)、それにウラン238が中性子一個吸収したプルトニウム239が存在する。一般にウラン型原爆の材料であるウラン235を濃縮するより、核廃棄物からPu(239)を抽出する方が簡単である。

(14:00、編集および補足2を追加)
 

 

イスラエルによるイラン核施設への攻撃が始まった。国防長官や国務長官などネオコンに乗っ取られたトランプ政権は、大統領を不十分な情報下において、このイスラエルの対イラン戦争に同意したのだろう。バンス副大統領も何も出来ないだろう。

 

一昨日、米国軍の家族などの中東からの撤退が指示されたので、攻撃があるものとおもわれていた。イスラエルがイランを攻撃するには米国の兵器や情報が必須であり、この攻撃は米国が協力していることを示しているとスイスのある学者が証言している。

 https://www.youtube.com/watch?v=LEPIAs3Wj2M

 

 

これは米国の戦争ではないと苦しみ紛れの言葉を発するトランプ大統領の姿は、イスラエルロビーに首根っこを押さえられたジョージ・フロイドさんみたいに見える。(2024-04-11の拙サイトのブログ記事をみてもらいたい)

 

諸悪の根源は英国がイスラエルをパレスチナの地に作ったことである。そして、英米を中心とした金融資本による所謂Deep Stateがイスラエルを応援することである。米国大統領が実際に米国民のために米国の政治を支配している訳ではないという米国のダグラス・マクレガー 大佐の以下の証言を聞くべきである。 https://www.youtube.com/watch?v=H2BRJ97Y9jU

 

 

この戦争は恐らく相当長期間続くだろう。その結果、米軍は中東に縛り付けられ、東アジアが空白地帯となり、中国が覇権拡大のチャンスを迎えることになる。台湾進攻となれば、日本は終わる。そのように伊藤貫氏が語っている。

https://www.youtube.com/watch?v=QsoxvnPvXaY

 

 

コロンビア大のジェフリーサックス教授が欧州議会などで演説したように、要するに米国はすべてイスラエルのために戦争してきたのだと思う。下のブログ記事の後半を見てもらいたい。

 

 

 

この現代史について何もしらない自民党をはじめとする日本の右翼は、CIAの撒く餌で生きている粗野で無知な人たちなのだ。そのように伊藤貫さんの上の動画にコメントした。

(EOF)