昨年の12月7日、ドイツの新聞Die Zeitのインタビューで前首相のメルケルが、「ミンスク合意(2014年9月)は最初から実行する予定はなく、ウクライナを軍事的に強化する為の時間稼ぎだった」と告白した。その発言を、フランスの前大統領も追認したようだ。

 

ミンスク合意とは、東部ドンパス地方でのウクライナ政府軍と現地のロシア人軍事組織との戦闘に関する停戦合意である。両勢力の夫々後見国であるヨーロッパ主要国及びロシアが参加して、ミンスクでの会議に参加し、停戦条件としてドンパス地方の自治権を認めるなどを約束したのである。

 https://twitter.com/TaranQ/status/1600910411804868608

 

この件知ったのは、昨日公開された及川さんのyoutube動画である。これまで知らなかったという正直な言葉とともにその意味が解説されている。特に新しいことはないが、メルケルの告白とオランドの追認で、グローバリストらの企みを攻撃する論理が、陰謀論で退けられないことになった。https://www.youtube.com/watch?v=O99pg7YZjN
 

 

 

ドイツの新聞Die Zeitによるメルケル首相へのインタビューが報じられると、Twitterのあるスレッドにおいて、何人かがこの件を議論している。(補足1)その中で大統領になる前のゼレンスキーによるロシアとウクライナに関する関係と米国の介入に関する(演技の中での)発言が引用されている。https://twitter.com/TaranQ/status/1600910411804868608

 

その言葉の中に、ウクライナ民族主義者とロシア人との軋轢をウクライナ側から表現したきわどい言葉や、我々の最も大事な大統領はオバマであるという言葉などがあり、彼らの本音が語られている。誰か十分に理解できる方に解説してほしいと思う。(補足2)

 

兎に角、米国のネオコン民主党グローバリストには、この戦争を早く終わらせるつもりは毛頭ないことが今回のメルケルの告白(或いは告発)で更に明白になった。このままグローバリストの路線を受け入れて居れば、現在のロシアは潰れ分解するだろう。


プーチンとその周囲がそれを受け入れるとは思えない。残された最後の手段である核攻撃を始める時が近づきつつある。日本がこのまま米国に隷属する姿勢をとれば、ウクライナの二の舞になるだろう。それら全ては、米国民主党のシナリオだろう。世界平和は共和党の勝利にかかっている。
 

補足:

 

1)真実には人々の間に広がる圧力はない。その一方、利益を伴った嘘には強力な広がる圧力がある。「米国の代表的な嘘」と題して2021年5月7日の記事に書いた事実も、全く広がる力はない。

 

2)この中でゼレンスキーは、「私のサラリーは少ないが、それは問題ではない。何故なら、我々はあのロシア人達から金と彼らの所有物を奪うことが許されているから。以前には、ユダヤ人にとっても同じであった。しかし、”ウクライナ民族主義者”のコモロイスキー(彼を大統領にしたウクライナの大富豪、アゾフ大隊の創設者)はそれを禁止した。私は、ロシア語をわすれるために至る所に居るアメリカの傭兵の助けで英語を勉強している。」などと言っている。その言葉で、聴衆が大笑いしていることが残念ながら十分理解できない。ここで、Banderitesという言葉をウクライナ民族主義者と訳したが、これは、ウクライナの右翼指導者でテロリストのStepan Banderaに因んだ名称である。



 

拉致問題を解決することが真の独立国として日本を再興することに繋がる。その最初にあるべきは、現在の国際社会の理解であり、その更に第一歩は国際法の意味の理解である。

 

日本国民の多くは、国際法の意味を誤解している。その誤解に乗じて、竹中平蔵氏は「国際法は国内法に優先する」とあるテレビ番組で言っていた。その様な発言をするのは、彼が世界経済フォーラム(WEF)の理事であり、正真正銘のグローバリストだからである。

 

WEFの関係者は、ウクライナのゼレンスキー大統領を含めて(補足1)、全ての主権国家が潰れて世界帝国になればよいと思っている。新型コロナで始まった世界戦争が本格的となれば、最後には、拉致問題は日本や北朝鮮といった主権国家とともに消失するだろう。(補足2)

 

現状の主権国家体制の下では、国際法は単に“お付き合いの作法”であり、強制力を伴った「法」ではない。北朝鮮の日本人拉致は、国際法に照らせば犯罪であるが、それを根拠に批判しても被害者の奪還には繋がらない。国際法には、何の効果もない。

 

本来、その解決には軍隊を用いて戦闘を覚悟して取り戻すか、相手国に返した方が自国の為だと思わせるかの何方かで為される筈であるが、それは被害を大きくする可能性が高い。もっと賢い方法は、朝鮮戦争の終結、日本の北朝鮮承認などを含めた、北朝鮮のソフトランディングである。

 

北朝鮮を作り温存した責任は米国にある。何故なら、トルーマン政権が朝鮮戦争を終息させないことで、北朝鮮を温存したからである。それは、東アジアにおける米国の存在理由が欲しかったからである。(補足3)

 

上記賢い方法で拉致問題を解決するには、日本国の実質的な独立が必須だろう。日本が真に独立する知恵と覚悟を修得し、且つ、日本を“実質的友好国”として独立させる米国の決断が肝心である。しかし、米国にネオコン政権(現民主党政権)が続く限り、それは期待できない。

 

彼らは、現状EUも支配下に置いている。これらの“友好国”は、米国に隷属させられている。米国元国務長官のキッシンジャーはこの情況を皮肉を込めて指摘した。「アメリカの敵になることは危険かもしれないが、友人になることは致命的である」

https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/22937

 

米国をあてにするなら、トランプ流の共和党政権の誕生を待つしかない。一方、歴代の自民党政権は、日本に原爆を投下し破壊しつくした民主党の米国に協力する形で政権を維持してきた。そして、拉致問題を放置して来た。


以上から、拉致問題の解決と日本の真の独立のためには、国際関係の現実と日本の近代史を知り、その上で独立国にふさわしい政権を樹立すること、更に、米国においてトランプ流の共和党政権の誕生に期待し、それが叶った時には伴に主権国家体制の維持のために努力することだと思う。


安倍元首相は、ロシアを利用して日本の実質的独立から拉致問題の解決まで考えて居た可能性が高いが、自民党政権としては例外的だろう。2014年に既にこの問題をとりあげ、本ブログサイトでの文章としている。それをそのまま再掲する。

 

 

本セクションの補足:

 

1)この一月に世界経済フォーラムの会議(ダボス会議)に参加して、戦後復興までのプランを主張するようだ。https://news.yahoo.co.jp/articles/741b4792e1b1746f8203c729b54df1e2fd52c928

 

https://www.youtube.com/watch?v=0WbZyPHMmmg

 

2)その過程で、多くの命が失われるとすれば、拉致問題など吹っ飛んでしまう。そうならないことを願うのみである。その願いが叶う前提は、米国にトランプ流の共和党政権が誕生することだろう。先ず、明後日の下院議長の選挙が気になる。共和党一部の反乱で民主党がとれば、終わりかもしれない。

 

3)北朝鮮は、トルーマンの戦略として東アジアに誕生したと言える。トルーマンは、朝鮮戦争に勝利する直前、マッカーサーに進軍を禁止し連合国軍最高司令官を解任した。トルーマンは、朝鮮戦争を未解決なまま残し、日本が再びこの地域の覇権国とならないよう、そして米国の敵対勢力が東アジアを中心に生まれない様、米軍を駐留させ続けた。

 

§2. 北朝鮮の崩壊は日本の利益にならない。 (2014/11/3

 

拉致問題の解決は、北朝鮮が欧米諸国や日本などを含めた国際社会で承認されるという形でしか解決されないと思う。つまり、日曜朝のテレビ番組で元外務省の田中均氏が「大きな図で考えるべき」と言っていたのが正しいと思う(1)。

 

 日本の評論家は、北朝鮮による拉致を犯罪だと捉えているが、その理解はイスラムのテロリズムを犯罪だと考えるのと同じで、一般人の誤解を産む。北朝鮮と日本の間に国交がない以上、通常の法治国家内での犯罪と捉えるのは間違いで、戦争時の民間人被害に近いと思う。実際に、拉致被害者は韓国へのスパイ養成の為に使われている。 

 

 つまり、日本にまともな国防意識がなかった事が、自国民を他国に拉致された原因である。日本政府はその責任に言及しないし、日本のマスコミは正常に機能していないので、そのことを避けて通る。拉致被害者を取り戻すとすれば、戦争再開か平和条約(2)締結による終戦しかないのではないか。平時国内での犯罪行為のように考えて、その対策として拉致被害者奪還を考えるような構図は、本質的におかしい。 

 

 国連において北朝鮮の拉致問題などを非難し、北朝鮮を追い込むのは良いが、それに対する逃げ口を用意することも大切である。もし、北朝鮮が崩壊(3)した場合、その前に小型化した原爆が何カ所かに飛ぶかもしれない。また、北朝鮮の再建過程までの、難民流入、日本の治安悪化や経済的負担は相当なものになるだろう。

 

 日本は、北朝鮮をソフトランディングさせることを、拉致問題よりも優先して考えるべきだと思う。それには、米国や中国の力、そして、韓国の同意が必要である。韓国は、まともな国家となりある程度経済発展した北朝鮮と合併して、統一朝鮮という民族の夢を果たす為に、日本や米国と力を合わせるべきだと思う(4)。

 

補足: 

 

1)確か、11月2日の時事放談だったと記憶している。拉致問題は、核兵器放棄と国際社会への復帰と同時に自動的に解決する。 

 

2)ここでは、日本と北朝鮮との間の基本条約である。この締結には、韓国との基本条約の中の、「韓国を半島唯一の政府とする」という条項を変更しなくてはならない。 

 

3)ここでの崩壊の定義は、クーデターではなく、キム王朝が玉砕的手段で韓国やその他の敵国に攻め込むことをである。北朝鮮も、日本の戦争末期やイスラムのテロリズムから、玉砕的攻撃を学んでいると思う。 

 

4)韓国の一部に、クーデターか何かをきっかけにして統一し、核保持国になろうとする野心があるかもしれない。日本はそれを最も警戒すべきである。その為にも、北朝鮮の核抜きでの承認と経済援助を目指すべきであると思う。

 

 

馬渕睦夫さんの天皇制に関する議論は、恐らく保守系右派に共通だろう。馬渕氏は、「天皇は日本国民をまとめる存在であり、統治すると言っても西欧の国王のような存在ではない。その原点に、ニニギノミコトが日本(豊葦原瑞穂の国)に降臨された時にアマテラスに授けられた神勅がある」と仰る。https://www.youtube.com/watch?v=76isINej6L8 (画面アップ出来ず)

 

アマテラスは、天壌無窮の神勅など三つの神勅を授けた(補足1)。その中の「就でまして知らせ」という言葉は、「日本に行って治めなさい」と言う意味である。この“やまと言葉”のシラスは、統治するというより、国の民をまとめるという意味である。

https://note.com/onoteru/n/nff122e981bd3

 

馬渕睦夫氏は国学(或いは水戸学というべきか)を高く評価する保守右派であることを自認されているのだろう。国学(ウィキペディア参照)が儒学や蘭学に対抗する為に発展したと言われるように、上記神勅が一般に議論されるようになったのは、明治以降、西欧の政治思想(共和制や共産主義)に対抗する為だったことをもっと重視すべきだと思う。

 

昭和の軍部の暴走やそれに平行する皇国史観において、この神勅が果たした役割を考えると、天皇制についての上記のような理解が広まれば、再びその惨禍を繰り返すことになるように思えてならない。

 

私は、江戸時代までの天皇制は、明治維新の際に消えたと考えて居る。つまり、「君臨すれども統治せず」という伝統的な天皇制は、「明治憲法第1条:大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス、第3条:天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」で明確に変更されたと思う。

 

薩長のクーデター政権が自分達の正統性を主張するために利用したのが天皇という存在である。錦の御旗の偽造が象徴するように、薩長ではなく徳川慶喜を評価する孝明天皇が死没した後、彼らは日本を乗っ取ったのだ。(補足2)

 

戦後、憲法において天皇を日本国の象徴とすることで、天皇の役割を変更した。GHQの指示ではあったが、今ではその天皇制は定着している。それにも拘らず、延々と2600年“天皇のシラス国”が続いていると考えるのは欺瞞である。

 

日本の政治の現状が問題だとしても、天皇制を利用して国民に国家への意識を強めようとするのは邪道だと思う。今の政治家の体たらくは、政治家に責任をとらせるべきである。

 

 

2)天皇制と国家有機体説

 

昨日、浜崎洋介氏と茂木誠氏の話合い(議論ではない)を聴いた。この話合いでは、西欧の個人主義と社会契約説の批判に始まり、国家有機体説を持ち上げている。そこでも天皇は日本国をシラス存在だという伊藤博文の言葉の高評価に至っている。

 

 https://www.youtube.com/watch?v=B0BCbH8wcSM

 

国家有機体説は、国家の様々な役割を分業的に受け持つ形で諸機関が形成され、国民はそれらと結合した形でしか存在し得ないと言う考えかたである。つまり、国家においてそれら諸機関と国民は不可分であり、独立した個人を前提に国家を考える社会契約説的な理解は誤りだというのである。

 

この社会契約説批判(動画の9分あたり)はおかしい。何故なら、社会契約説は歴史的なもので、現在社会のモデルではないからである。つまり絶対王制に対する“アンチテーゼ”としての役割を果たすことが社会契約説の歴史的役割だったと思うのである。

 

つまり、社会契約説を「変だ可笑しい」と批判するのは、弥生式土器をそんなもの使い物にならないと言って批判するようなものだろう。(補足3)

 

この後、彼らの話し合いは、社会契約説のルソーの背景にあったと思われるデカルトの思想批判に続く。デカルトの理性を信じる姿勢が社会を理解運営する方法となって、人類に幾多の悲劇をもたらしたと浜崎氏は仰る。これが変なのは、理性だけが世界の理解を受け持つのではないことを考えればわかる。

 

理性は自分が自分の外の世界を理解する為にあり、言葉が用いられる。一方、感性は自分と外界との接触で生じる感覚で、伴に世界を知る為の道具である。我々は、その二つの道具で世界を分析理解して生きているのである。デカルトもその片方だけで、自分を含めた世界(つまり国家)を理解しようとした訳ではない筈である。

 

国家を単に国民とその繋がりを要素とした有機体として考えるのも、当然一つのモデルであるが、それだけで国家のあるべき姿と考えるのは間違いである。もしそうなら、我々は国家が消滅するまで戦わなくてはならない。それまでに、個人の私権を制限され、兵役等でどれだけが死亡することだろうか。(追補)

 

その危険性を感じるのが、国家有機体説と天皇をシラス存在として考えるモデルを結合させて、近い将来の日本のあるべき姿と考える右翼の政治姿勢である。

 

今回はこれで終わる。次回は出来ればグローバリゼーションについて考えてみたい。

 

追補)最も大切なのは自分の命と暮らしであり、そして全ての国民の命と暮らしである。それが今後成立しそうにないなら、国民は革命を目指すべきである。そして、国家は再生しうる。しかし、有機体は全体としては再生しない。それが明確に国家有機体説の限界を示している。革命の時を説明できるのは、社会契約説の方である。

 

補足:

 

1)葦原の千五百秋の瑞穂の国は、是、吾が子孫の王(きみ)たるべき地なり。 爾皇孫(いましすめみま)、就でまして治(しら)せ。 行矣(さきくませ)。 寶祚の隆(さか)えまさむこと、當に天壌(あめつち)と窮り無けむ(きわまりなけむ)。

 

2)孝明天皇は暗殺されたという説がある。これについては、「孝明天皇を祀る官営神社がなかったのは何故なのか?:孝明天皇暗殺説と明治天皇すり替え説」に書いた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12466516110.html

 

3)二年半ほど前に私も本質的に同じ考え方を書いたことがあった。それらは「国と国家のあり方について考える:(1&2)国の動物モデルの詳細」である。

https://amehttps://ameblo.jp/polymorph86/entry-12588475327.html

blo.jp/polymorph86/entry-12588961158.html

 

(翌日早朝編集、追補追加して最終稿とする)