1)米国との交渉とその異常性
先日の米国との関税交渉において、日本は対米関税を15%に引き下げる代わりに、5500億ドル(約80兆円)を米国政府の事業に出資するという合意を結んだとされます。この点について、米国商務長官ラトニック自身が「三菱など民間企業の出資ではなく、日本政府による直接投資である」と明言しています。したがって、この話は単なる噂ではなく、公式発言に裏打ちされたものと考えられます。
ここで問題になるのは、日本政府がトランプの任期中で米ドル建ての巨額資金5500憶ドルをどう捻出するのか、という点です。
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一般会計ベースでは、せいぜい数兆円規模しかドル余力はありません。
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GPIFや財投機関債も即時の資金化は困難です。
従って、現実的に使えるのは「外為特会(外貨準備)」しかありません。
日本の外貨準備は1兆2,000億ドル、そのうち米国債は7,000億ドル前後。今回の出資額5500億ドルは、この保有高の8割に相当します。
2)米国債をどう処理するのか? 日本の受け取るリターンは?
問題は、これだけの規模を「市場で売却」すれば金利急騰を招き、ドル体制を揺るがす点です。
そこで考えられるのは、FRBが日本保有分の米国債を直接引き受け、米国政府にドルを渡す特別スキームです。
これは、安倍政権と日銀が行った金融緩和に近い構造で、
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日本の外為特会から米国債が減少し、代わりに「米国政府事業への投資」が計上される。
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米国側ではFRBの資産に米国債が移り、財務省は資金を得る。
表面上は「日本の投資拡大」と見せかけながら、実態はドルの隠れた財政ファイナンスです。
日本の受け取るリターンですが、米国側の説明では、日本は投資利益の10%を受け取るとされます。
しかしこれは誤解しやすい表現です。
例えば:
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米国事業が5%の利益を上げたと仮定すると → 5500億ドル × 5% = 275億ドル
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日本に入るのはその10% = 27.5億ドル
これは、米国債利回り(3〜4%)で得られる利息数十億ドルよりもはるかに少ない額です。
つまり日本にとっては「投資」と言いながら、実質的には利回りを犠牲にした米国支援なのです。
3)メリットとデメリット
メリット:
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米国債市場に売り圧力をかけずに済む
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日本は名目上「投資」であり「援助」ではないと説明できる
デメリット:
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利回り低下:実利はほとんどなし
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透明性欠如:実態は米国への財政ファイナンス
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外交的リスク:日本が米国財政を肩代わりしていることは、中国やEUに批判材料を与える
結論:異常さを甘受するしかない
普通に考えれば、とんでもない話です。しかし米国の財政赤字は巨大化し、通常の市場調達だけでは維持できません。「普通の人がとんでもないという方法」でなければ、日本経済がどっぷりつかっているドル体制を維持できないのが現実です。
日本にとっては、実利の薄い属国的取引であり、金融自主性をさらに失うものです。しかしそれでも、米国の深まる金融危機とトランプが同盟国に対しても傍若無人な関税政策を持ち出す情況下、日本経済の傷を最小限にするには、この異常さを甘受するしかない。
──そのような構図が浮かび上がります。
(これは、チャットGPTが前回ブログ記事をフォーマッティングし直し、結論の最後の文章を少し変更した文章です)