今日のそこまで言って委員会で、原発(原子力発電所)での発電を全廃すべきかどうかについて議論があった。全廃すべきとの意見が大半だった。その中で、説得力がありそうな意見が竹中平蔵氏の「原発事故に対する補償金などを、保険金で賄うことを前提にコストをかんがえるべきだ」というのがあった。

 

その瞬間に誰かが、「保険金は無限大になるだろう」と言った人がいた。どちらも馬鹿げた意見である。「無限大になる」という表現はありえないだけでなく、後述のように、そもそも保険の対象になどになる訳がない。

 

例えば、英国でも新規原発を建設予定である。英国は民主国であり、コストとメリットの比較をした上で新設を考えている筈である。英国で計算が成り立つのなら、日本で絶対成り立たないと言うのなら、その根拠を示すべきである。机上の空論で馬鹿げた議論をナイーブな国民の前でするのは止めてもらいたい。https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000223732.html

 

原発存続は、国家の安全保障の手段との関係を含めて、その他の電力コストの変化や、CO2排出権に支払う金額など、原子力発電のコストとメリットの計算には、未知の因子が多数含まれる。その基本的な国政に保険をかけて行う国があったら、上げてみろと言いたい。そんなことがあり得るのなら、1941年の対米戦争も保険料の計算をして、ロスチャイルド系の保険会社に保険をかけてから行うべきだっただろう。

 

つまり、たまたま民間企業で経営する形になっているが、電力自給は達成すべき国家のインフラであり、保険の対象などになる訳がない。勿論、原発に代わる方法があれば、そしてそれが国家のエネルギー供給というインフラとして成立するのなら、少なくとも電力インフラとして原発に頼る必要がない。議論すべきはどの様にして電力を自給するかであり、原発を単独で切り出して、全廃すべきか継続すべきかという議論は、政治の議論ではない。(補足1)

 

 

勿論、高市早苗さんが言うように、小型核融合炉の開発は是非実現すべきである。もしコスト的に割が合わなくても、太陽光発電に余分の金を支払っているのだから、国民がコストのかなりの部分を負担する形でも実現すべきである。この場合は、放射線は出るが遮蔽可能であり、核廃棄物は出ない。

 

更に気になるのが、安全保障との関連である。伊藤貫さんなど多くの人は、核兵器の保持をしないで日本国の独立と安全保障を実現することは不可能であると考えている。中国や北朝鮮の核武装強化を考えれば当然である。その場合、原子力技術は無くしてはいけない。一定の規模での継続は必須である。(補足2)

 

ちょっとレッドラインを踏むかもしれないが、一言追加したい。私の個人的な意見だが、竹中平蔵氏や小泉進次郎氏父子などは、米国ウォール街の巨大資本が形成するグローバリスト組織に非常に理解を示している人たちだと考えている。米国ウォール街の人物にとっては、日本の原子力発電など最初からあってはならない施設なのだ。

 

 

補足:

 

1) 竹田恒泰氏が、脱電力という馬鹿げたことを言っていた。「電力の7割位が冷暖房に使われているが、冷暖房を電力で行うのはおかしい。何故なら、石油を燃やして熱を出し、発生した蒸気タービンで電力を発生し、それを再び熱にするのは、どう考えても非効率だからだ。」

この人はエアコンの原理を知らないようだ。ヒートポンプは、電力を熱に替える装置ではない。

 

2)竹中平蔵氏が役員を務める世界経済フォーラムは、単一権力のグローバル化社会を実現すべきと考えており、主権国家を否定したい一派である。かれらには原子力での国家防衛など論外だろう。