6日の記載のブログ記事に「chukaのブログ」さんから、コメントをもらった。それについての私の考えについて一つの記事として掲載します。尚、標題の(II)だが、その(I)は6日の記事を指します。
先ず、読みやすくするために、「chukaのブログ」さんからのコメントの内容を、以下にイタリックで再録します。(番号はこちらの判断で付けさせてもらった)
標題:「バイデン汚職には今の所根拠はありません」
① ABC,BBC動画のどちらもバイデン・ハンター疑惑は倫理的問題として取り扱っている。
② 子供が個人として高収入を受けてはならないという法はない。仕事の内容も雇い主次第。窓際族のようにオフィスに行くだけで給料が払われても違法ではない。
③米国は国連憲章に反して他国政府転覆を図ることはできない。
④いかなる収入であっても米市民は申告義務がありそれをしないと脱税となる。脱税には時効はない。
⑤大統領も含めて国家公務員は職務により私利を得る事が禁じられている。
以下、これらの指摘の内①—③について、私の考えを書く。④と⑤は日本にもほぼ当てはまる一般論なので、そのまま受け取らせて頂く。
先ず、コメントの標題に対する意見だが、「バイデン汚職には今の所根拠はない」という指摘だが、今のところ根拠がなくとも疑いは濃く存在する場合は捜査すべきである。疑惑については、先の記事で引用したABCの動画で語られている通りである。
①の倫理的問題として取り扱っているとのコメントだが、倫理とは何かという言葉の定義にもよるが、それが法に触れる可能性がないという意味なら、私はそうは思わない。捜査が杜撰な結果、有罪となっていないだけだと思う。(理由は以下の”②の指摘について”参照)
②の指摘について:
法の下に平等な社会では、経済活動は契約として行われる。正常な経済的契約は、(双方の期待を含めての)等価交換である。そこに、隠された内容があれば、それは闇取引と言える。その闇の部分に犯罪性が疑われれば、捜査されるのが当然である。(補足1)
ハンター・バイデンが、通常の経済的活動の報酬として説明が不可能なレベルの巨利を得た「時と場所」が、米国副大統領のジョー・バイデンの「時間的地理的行動の範囲」と一致している以上、ハンターの得た巨利とその国で絶大なる力を持つ米国副大統領の父親の仕事と関係があると疑うのが普通である。(補足2)
従って、chuka氏の違法でないというのは間違いで、違法性が証明されていないだけである。
一般に何らかの不法行為があったとして、地位により捜査が緩められるようなことがあってはならない。それは平等の原則という民主主義社会の根幹に抵触する。勿論、無限大の時間と予算を使って、捜査すべきというのではない。従って、十分な捜査がなされていたというのなら、それらを公開すべきである。トランプは、ウクライナでの捜査が不十分だと考えたとすれば、理由なしにCIAやFBIが動かないのはおかしい。
その捜査が国家的損失につながると判断される場合は、例外として国家元首が捜査の継続を中止することはあるだろう。しかし、国家元首が捜査すべきだと表明している以上、CIAもFBIも協力すべきであったと思う。独自の判断でそれらが動かないとしたら、それは国家の機能不全である。従って、犯罪があったと考えられる場所を統治する国家に、トランプがその捜査を要請することが違法であるとの理由が私にはわからない。
③「米国は国連憲章に反して、他国政府を転覆することは出来ない」とのことだが、国内法にその規定はないだろう。条約は、国際的慣例であるが、権力と権威の両方に裏付けされた国内法のような法律ではない。
そして、米国は少なくとも国連憲章前文に反する形で、リビアのカダフィ政権などを倒している。それは安全保障理事会の決議を経て成されたという強弁は成り立つが、棄権国を5つも出しながら空爆は、米国の“国連の私物化”的リーダーシップの下に行われたと見える。
補足:
1)ここで問題となるのは、「忖度」である。忖度とは、例えば政府要人が自分の方に大きな利益(広い意味の)が来ること期待していると推測される場合、形跡を残さない形でその利益を要人の方に流し、その後その要人から何らかの利益を期待すること。広い意味での闇契約であり、実証されなければ著しくバランスを欠いた契約に見える。
行状芳しくない息子が新たにファンドを立ち上げて、副大統領に随行してウクライナを訪問した様な場合、バイデンにより調査対象にされることを予測する者は、そのファンドに資金を放り込めば何らかの利益が得られると思うのも当然だろう。それはノーマルな経済的活動を装った賄賂である
2)バイデン前副大統領の補佐官とスタッフだった人物たちは匿名を条件に証言したのだが、副大統領執務室の中で、ハンターが取締役であることが利益相反にあたるかどうかという議論が、私的な会話という形ではあったが起きたという。http://suinikki.blog.jp/archives/80300496.html
もし一般の米国人に重大な犯罪の可能性があると思う人が大勢いるとして、トランプがその現場の国の政府に捜査協力を依頼するのは、批難されることではない筈。大統領選の候補者にジョー・バイデンがなっていない以上、一般人と同等に考えて問題は無い筈。何故なら、一般の米国人でも将来大統領選挙に出る可能性があるからである。
前回の記事で指摘したように、一般に疑いがあると考えられている事件の捜査は国家の利益に直接関係する。しかし、事件と直接関係がない国政選挙へ、その捜査対象が候補者になる可能性が存在するという理由で、国家元首が捜査依頼してはいけないという論理が私にはわからない。それは捜査を逃れるための立候補予告ととれなくもない。
すぐ上に引用した記事では、“当時ホワイトハウスは、ハンター・バイデンは民間人であり、副大統領はウクライナのどの会社にも支持を与えない、と発表していた。副大統領在任中、ジョー・バイデンはブリスマ社での息子の役割についてコメントしなかった。”とある。正に補足1に書いた情況である。