キャメロン氏の後を継ぐべき英国保守党党首の選挙が9月9日に行われる。その立候補の締め切りが6月30日であったが、離脱派リーダーのボリス・ジョンソン氏(前ロンドン市長)は、立候補しなかった。離脱派からはマイケル・ゴーブ氏が立候補したが、ゴーブ氏はジョンソン氏が立候補した際の選挙参謀と見なされていた。
つまり、ジョンソン氏不出馬の理由として、参謀に裏切られたという言い訳が用意されていた。(読売新聞、7/2朝刊7面)英紙デイリーテレグラの報道によると、29日までジョンソン氏の出馬準備を手伝っていたゴーブ氏は、30日午前9時に出馬表明する直前まで、ジョンソン氏に伝えていなかった。二時間半後に出馬表明を控えていたジョンソン氏は、テレビでゴーブ氏の出馬を知ってショックを受けが。多くのジョンソン氏指示の議員もゴーブ氏支持に回っていて、手の打ちようがなかったという(以上、読売の記事から引用)。
しかし、仮にゴーブ氏の裏切りが事実であり、多くの議員の支持が得られない状況であっても、出馬すべきであったのは言うまでもない。経歴を見ると、ジョンソン氏はデイリーテレグラフ紙の記者を1994年まで勤めており、その内1988-1994年EC特派員となった。上記デイリーテレグラフの報道は、出馬して難題を抱えることを嫌ったジョンソン氏の代弁にしか聞こえない。
離脱派は、沼地に将来を託すビルを設計し、基礎を打ったことになる。そのような醜態をみるにつけ、世界の民主主義国と見なされる多くの国家の政治家のレベルが相当低くなっているのではないかと思う。暗雲が立ち込めてきた気がする。