相撲は神事でもあり、決してプロレスではない:日本相撲協会はルール改正すべきであり、適当な措置を取らなければ政府は公益法人の指定を取り消すべきである
 
1)今日の白鵬と勢の相撲は非常に後味の悪いものとなった。白鵬は立会い後すぐ、左からの張り手を放ち、その直後カウンター気味に、右肘によるカチ上げで顎から顔面を狙った。カチ上げは普通胸を狙うが、顎から顔面を狙う白鵬のカチ上げは、他の力士の相撲では見たことがなく、まるでプロレスかボクシングのようである。まともに顎に当たった白鵬のカチ上げにより、勢はその場で倒れてしまった。
 
解説の北の富士さんによると反則ではないとのことであるが、我々の感覚では異様な相撲である。いずれ重症のけが人が出るだろう。もちろん、スポーツだから怪我はつきものであるが、今回のようなケースで怪我をすれば、それは本来の相撲による怪我ではなく無駄な怪我となる。このような醜悪な相撲は、日本人力士は決して取らない。モンゴルと日本の文化の差を感じる。
 
相撲協会はルール改正を考えるべきである。そうでなければ、神事としての現在の大相撲のあり方に疑問がでるだろうし、観戦していても気分が悪い。この件、以前にも書いたが、その後相撲協会が何か検討したという話は聞いていない(もちろん、しらないだけかもしれないが)。
 
2)相撲協会は外人を入れ始めた時点で、興行による利益優先に姿勢をかえた様に見える。もしそうなら、政府も相撲協会も新たな対応が必要である。
 
政府は、日本相撲協会に対して、公益法人としての指定を続けるかどうかの議論が必要である。公益法人で検索すると、日本相撲協会の事業の目的として「国技である相撲道の伝統と秩序を維持し承発展させるため」と書かれている。外人力士を多数いれて最高位の全てが外国人であるような現状は、国技である相撲道の伝統と秩序を維持継承することになるのか? また、今日の白鵬のような相撲が日本の相撲道の伝統といえるのか?政府は公益法人としての指定について再審査し、その結果を公表すべきである。
 
一方、日本相撲協会も、日本の伝統文化の継承という点で外人を多数いれることが妥当かどうか、説明すべきである。もし、公益性よりも興行による利益を優先するのなら、公益法人としての資格を返上してまともに税金を支払うべきである。

現在のような大相撲の継続をよいと考えるとしても、外国人力士が多く平等に参加できるように、髷や廻しのあり方を再考するとか、身長差や体重差が大きくなった場合でも無駄な怪我を力士がしないように技に関するルールを新たに分かりやすく定めるとか、考えるべきだと思う。