ブリュッセルでのテロで日本人2名が巻き込まれたと、外務大臣がテレビカメラの前で報告していた。今朝の読売新聞朝刊によると34人が死亡したとあり、大規模なイスラム国戦士によるテロらしい。今年は大変な年になりそうである。
 
海外でこの種の事件があると速報の段階で直ちに、被害者に日本人が含まれていたかどうかの報道が準ヘッドライン的になされることに対して、私は何時も不自然な気持ちになる。
 
一つには、その事件で関心があるのは邦人の安否だけであるような印象を、見る人に与えることである。もし、この種のテロへの対応を国際的に連携して考える立場に日本国もあるのなら、先ず邦人の安否に関心を示すような報道は避けるべきだと思う。
 
もう一つは、邦人の安否に対して、外務省は十分な対応をする体制にあるのか、あるいは対応してきたのかという疑問である。例えば、国際テロ組織に監禁されている安田さんのケースや、イスラム国に殺された後藤さんのケースが記憶に新しい。彼らの救出に外務省がなんらかの努力をしたのか?その対応は公表されているのかという疑問である。
 
つまり、この種の政府声明や政府要人によるカメラの前での報告は、被害にあった人やその家族へのメッセージではなく、政府はしっかり対応している(するのだ)という有権者への宣伝行為ではないのか。実際には何もやらないくせに、あるいは、事件の原因の一旦を担っているくせに、と言いたいのである。
 
後藤健二さんのケースでも、週刊ポストの記事では、そもそも外務省は誰一人、現地に入り込んで邦人救出に動いておらず、外国の仲介者に任せていた。その(邦人救出の)本度は疑わしい。

外務省のHPで後藤健二で検索しても、事件後の2月10日の会見では:
今回の邦人人質殺害事件につきましては,政府としてあらゆるルート,チャンネルを活用し全力で取り組んできたわけですが,結果としてこうした結果に終わってしまったことは極めて残念です。そして,今後検証も重要な課題であると思っています。本日第1回の検証委員会が開催される予定です。(要約)とあるが、その後の検証結果はHPにはない。

更に、後藤健二さんのケースでは変な噂が存在する。それについては、引用したサイトを見て欲しい。http://critic20.exblog.jp/23387686/ 

私自身の経験を少し。ソ連時代(1987/9)に仕事でノボシビルスクに出かけたことがある。その際、経由地のモスクワに約束の迎えが来ておらず途方にくれたことがある。二日目に日本大使館に相談したが、「あなたのパスポートは公用ではありませんので、私どもには何も協力できません」と言われた。