修正:
以下の今朝投稿の文章には、基本的な誤解があった様ですので、ここに修正点を書きます。ただ、削除せず、旧原稿はそのまま残しますので、旧稿をご覧になってからこの修正に戻っていただきたいと思います。
広辞苑(第二版)によると、縦断は(1)たてにたちきること;(2)たて、又は南北の方向に通り抜けること;とあります。従って、気象協会の定義は広辞苑を最高の権威とすれば、正しいことになります。また、東西に走る道路があれば、「横断歩道を縦断した」と言う日本語も正しいことになります。もちろん、”「横断歩道」における横断の定義と、「縦断した」という場合の縦断の定義は、同一の定義方針に基づいていないので、あなたの反論は成立しません”という非難は理解します。
縦の定義ですが、同じく広辞苑によると、(1)上から下への方向、また長さ。(2)前から後の方向、(3)南北の方向またはその距離、(4)たて糸の略、とある。つまり、水平の置かれている太さ1ミリで長さ1メートルの糸があった場合、その糸の縦方向の長さは1ミリと言っても、広辞苑の定義により正しいとされるのです。
ギブアップです。(7月18日午後7時15分追加)
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台風11号が日本海に去ったが、今朝までこの台風の報道に関する疑問が残った。それは、「台風11号は中国地方を縦断しました」という「台詞」を何度もNHKニュースで聴いたからである。一度目はアナウンサーが日本語を間違っていると思っただけだったが、二度目から三度目になると、間違っているのはアナウンサーではないと思うようになった。
つまり、原稿がそのように用意されていると思う様になったのである。そして、今朝、”台風 縦断 横断”でネット検索すると、気象協会は「台風が南北に日本列島を横切ることを縦断、東西に横切ることを横断」と呼ぶことにしている事が解り、流石にNHKのアナウンサーは凄いと思う様になった。http://www.weblio.jp/content/横断、縦断
横断という言葉が、日常最も頻繁に用いられるのは、勿論横断歩道という言葉においてである。道が仮に東西に走っている(この表現も変だ)場合でも、横断は南北に行なう。何故なら、縦とは長い方向を言い、横は短い方向を言うからである。
上記報道における表現は、気象協会で台風の進路表現について最初に考えた方が、用語の定義を(通常の日本語の縦横の定義に会わせることに)失敗しただけであり、誰かがそれを改めれば良かったのである。気象協会の人たちは、超保守主義なのか、”台風の縦断と横断”の定義をした人に遠慮してなのか解らないが、本当に不思議だ。
日本列島は弓なりの形をしており、縦の方向が地域によって変化するので、誤解をさけるためにそのような表現になったと上記サイトには書かれている。しかし、その言い訳は成立しないだろう。弓なりになった道路を車にはねられないで渡るには縦断なのか横断なのか、誰に聞いても答えは明らかだからである。
理科系の人で、地球を常に頭に描いている人は、このような間違いをする可能性はあるだろう。しかし、気象予報は一般の人に対して行なうのであり、一般人の縦と横の感覚に合わせるべきなのである。この”間違い”が、現在まで延々と気象協会に残り、更に、NHKで原稿を書く人とそれを読む人、つまりアナウンサー、を素通りして、そのまま視聴者に渡されるというのも、日本の不思議なところである。大部分の日本人は超従順なのか、バカというべきか、迷う(補足)。
ただ迷わず言えることは、この台風に関するの報道を通して、言語に習熟していない日本人(或いは、不完全な日本語という言語)のことを再度確認したということである。
尚、日本語の不思議或いは不十分な点については、HPのサイトをご覧頂きたい。
補足:
このような文章を書くとき、「バカなどという表現を使う方がバカなのだ」という声が聞こえてくる様に感じる。しかし、この表現を使わないストレスに耐えられなかった。