謹んで新春をお祝い申し上げます。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
本年も皆様が御健勝で御多幸でありますよう、心からお祈り申し上げます。
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それでは今年1回目の投稿。
1970年代
ポストマンシューズ
英国製
デッドストック
1970年代、イギリスで郵便局員に支給されていたサービスシューズのデッドストック、なるものを昨年末に購入。
真贋の程はわからぬ。
年末から正月にかけて慌ただしく
箱に入れたまま積んでいたが
ようやく落ち着き手に取ることができた。
新しい靴が手に入れば私はとりあえず履いてみるのだが…
痛ってぇ!
…なんか刺さった。
中を覗いてみると
すっげぇ釘。
さっき刺さったのこれ?
緑青が出てるから真鍮釘だね。
…そして一部のシミは私の血だ。
釘の先をうまく処理していないらしく
触ってみるとインソールが実にトゲトゲしい。
この靴は追加のインソールが必須のようだ。
中を覗いたことで
図らずとも製造元が判明。
ADAMS BROS LTD
む……?
…………………?
全く知らない。
むしろ あぁアダムスね!
なんて言い出す人がいたらビビるわ。
これはもうネットの出番だ。
《検索中》
いくつかのサイトを見てわかった事。
ロゴ下のRAUNDSはイギリスのノーサンプトンシャー州にある街。
大戦中はイギリス軍をスポンサーとして
軍用の靴を専門に製造していた工場がいくつも存在し
ADAMS BROS LTDはその中のひとつ。
ロゴ下の数字「1969」はsinceではない。
アダムスさんの創業は1904年だそう。
194?(読めん) など他の数字のスタンプも見られる事から別のなにかと思われる。
靴産業で栄えたラウンズも1950-1960年頃に衰退したのだそうだ。
…第二次世界大戦の終結と共に急激に軍用の靴の需要が減り、公共機関との取引をはじめたものの
それだけでは経営が成り立たず役目を終えた、といったところか。
この靴もポストマンシューズと言うより
本来は軍用だった在庫の払い下げなのだろう。
さて、大戦中に兵士の足元を支えた工場にて作られた靴の出来栄えはいかほどのものか?
◇◇◇
インソールの仕上がりっぷりで
既にわかってはいた事だが
作りは極めて雑だ。
まず靴の中を撮る時に外した
刀削麺みたいに太さが安定していないシューレース。
左右で長さが違う。6cmくらい。
そもそもどっちも短ぇ。
ソールを仕上げる染料がヒールベースはおろかトップリフトにまで及んでいる。
まあ、それが残ったままなのだからデッドストックの証明ではある。
釘の位置はかなり適当だ。位置とかステッチからの距離とかズレまくっとる。
おまけに釘の先はインソール上で凶器と化している。
こちらは保管の際についたキズ、との事だったが違う。
靴の製造過程でソールを縫い付けた後、余分な部分を削り整形する訳だが
下のお世辞にも上手とは言えない所にハサミを当ててみると…
ほら。
これはたぶん製造の段階でついたキズだ。
そこから続くのは
めちゃめちゃ攻めてる削りっぷり。
…攻めすぎだろ。
きっとこの靴はここから崩壊する。
ウェルトを削りきっているのでソール交換も無理だ。
羽根の補強のボックスステッチ。
そこからぴょーんとのびてる余った糸が…
下で縫われてるっていうね。
…逆側の靴はどうなってるだろう?
(;^ω^)……
これ普通に納品してたの?
やはり戦時中は細かい事気にしてる場合ではなかったのか?
…いや、違う。
たぶんこれ検品で弾かれたやつだ。
故に40年以上、人の手に渡ることなく
デッドストックになってたのか。
なんの変哲もない量産品で職人の技術も未熟。
そこで検品に落ちた私より年上のブーツ。
…つまりはとても私の好みの靴って事だ。
出会えた縁に感謝しつつ大事に履いていこう。
今年の足元の主役はこいつできまりだ。
ではさっそく履いて夜の散歩にでも出かけるとしますか!
なんか今年もおもしろい出会いがありそうだ。
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どう変化したかは1年後に!
って締めようとしたけど
この靴1年もたない気がする。











