ずっと以前に読んで、再び読み返したことすらない小説だが、
妙に心に残っている。
簡単に、この小説のストーリーを紹介すると、
これは、作者(太宰治)への手紙文で構成されている。
「手紙の主が、したためたことは、戦地から復員してきた私は気力が失せており、何にも身に入らない。それならば、いっそのこと、と思い死を決意した。
その瞬間、「トカトントン」という金槌で何かを叩くような音が耳元に聞こえてきた。
それが聞こえてくると死ぬ気力も情熱や感性も冷めてしまい、やるせない空虚な気持ちになった。
気を取り直して仕事に励もうとすると、
また「トカトントン」という音がどこからか聞こえてくる。
恋愛に熱を上げたりした時もそう。
その音が聞こえてくると生きたり行動する気力さえも一瞬にして消え失せてしまう」
というもの。
太宰治『トカトントン』太宰治の小説として、『人間失格』や『斜陽』などを読んだ憶えがあるが、
記憶に残っているのは、この『トカトントン』。
なぜ記憶に残っているのだろうか?と思えば、
おそらく、一つには、「トカトントン」というタイトルの音の響き。
このリズムを感じさせるカタカナ表記も大いに寄与していると思える。
もう一つには、誰しもこれと共感する世界を持っているものなのかも知れないこと。
一所懸命になったりするとそれに対する反作用が生まれてくる。
それは、外部の要因ではなく、心の内から。
当方は、ほぼ毎日、外部が闇といった深夜にブログを綴っている。
そんな時、耳元で聞こえてくる、トカトントン、、、
コイツとの戦いだ。
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<了>