私、プリプリのプリニウス。 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

プリニウスは古代ローマの時代に生きた人物。
ローマ帝国の提督の一人でもあった。
中でも、彼がよく知られるのは、全37巻にもなる『博物誌』を書いた人物であること。
彼は、政治的な立場もあるのにローマ帝国の各地を訪ね、
興味あるものを徹底して研究して、その真髄を探ろうとした。
それをまとめたのが、この『博物誌』。
彼は、西暦79年、ポンペイの町が滅んだヴェスヴィオ火山の噴火を知り、
勇敢にもそこを訪ねていったが、亜硫酸ガスにやられ、そこで息を引き取ることになった。
著述家の澁澤龍彦氏も彼に注目し『私のプリニウス』という本を出版している。


この『博物誌』の中の一節に、
「下書きのように書いた文字たちが自らの存在の意味を獲得しようと
夜な夜な、喧々諤々(けんけんがくがく)の議論を戦わせたりする」
という、そんな荒唐無稽(こうとうむけい)とも言える話が書かれている。
自分が書いた文字をぞんざいに放って置かれたばっかりに、
文字たちが、生みの親である「書き手」への復讐を目指すという話。
「書き手」も捨て置くつもりはないが、捨てられた文字たちの複雑な思いもわからぬではない。

江戸の俳諧師・松尾芭蕉の言葉に、
「文台 引おろせば 即(すなわ)ち反故(ほご)なり」という言葉を残している。
この意味は、俳句を書いたが、それは文台でしっかりと書き留められはするけれど、
そこを離れれば反古。すなわち、一つの紙のゴミとして捨てられるもの。
もう「その場は終わって、次」となるものだよ。
文台で清書されたものですら、もう忘れ去られるもの。次に向けて、歩むだけ。
ということらしい。

オリンピック選手も、メダルを取れば、一段落として、報われるが、
明日からは、もう、次に向けて歩むしかない。

報われる、報われないにしろ、
もう気持ちを変えて歩むしかないのだ。

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<了>