この風刺画、どー見える? | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

今日は、オノレ・ドーミエ(Honoré Daumier) の風刺画集を見ていた。
フランス人ドーミエが活躍した時代は、1830年の7月革命を前後する時代。
その当時、新聞は一般化していたが、写真の発明前夜といった時代で、
目で訴えるのは石版画(リトグラフ)が中心だった。
その絵は、写実性と誇張とで人を惹きつける世界があった。
特に、7月革命で王となったルイ・フィリップ1世に対する舌鋒が急であったことから、
政府から睨まれ、規制を受けることになった。
そのルイ・フィリップを風刺した、彼の傑作と思えるカリカチュアの一つがコレ。
副題Lafayette!...Attrappe, Mon Vieux
この意味は、「ラファイエットは、くたばったぜ、ざまあみろ」というもの。
このラファイエットは、フランス革命時の軍人で、のちにアメリカに渡り軍功を高め、
フランスに帰ると当時ブルボン王朝になっていた政府に対して、
反政府軍の将軍として活躍し、1830年の7月革命を果たした立役者となる。
そのお陰でルイ・フィリップは王となったが、本人の人気が上がらず、
「ラファイエットを王にせよ」という動きが活発化する。
ところが、その折り、この老将軍のラファイエットは急死する。
その時の様子を描いたもの。画面の奥では葬列。
画面中央で葬儀屋の格好をして手を合わせるラ•フランス(洋梨)のような男こそ、ルイ・フィリップ。
そして、死を悼んでいるのではなく、合わす手の隙間から覗くのは、ほくそ笑んでいる表情。
「ラファイエットは、くたばったぜ、ざまあみろ」というもの。

江戸カルタの「に」は、「憎まれっ子、世に憚る」。
その如く、嫌われているのに、
1848年ナポレオン3世による2月革命で倒されるまで18年間、
世に憚った王とも言える。

18年間、風刺カリカチュアを育てた功労者とも言えそうだ。

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<了>