見たな〜!覗き見は犯罪デス。 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

ユトリロの母シュザンヌ・ヴァラドンは、何か底知れぬ魅力を持った女性であった。
18歳の頃のシュザンヌ・ヴァラドン
この一枚の写真から掻き立てられるのは、「美しい」というより「ただならぬ雰囲気を持つ女性」。
危険で妖しい魅力に溢れているとも言える。
男は、この手の女性に魅かれるところがある。
シュザンヌは1883年、この撮影の頃、18歳にしてユトリロを産んでいる。
シュザンヌは、誰が父親とも知れぬ子を産んだり、男遍歴の浮名を流していたが、同時代、同じモンマルトルを根城にしていたエドガー・ドガは彼女を見逃すはずもなく、ルノワールも彼女をモデルとして裸婦像をはじめ、数多くのシュザンヌを描いている。

そして奇妙な出会いがもう一つ。
同じアパルトマンに住むロートレックと出会う。

ロートレックといえば、ムーラン・ルージュのポスターなどで知られる画家。

画家というより、カリカチュアっぽい画風のポスターで一時代を築いたとも言える。

そんな二人は、いつしか同棲することとなる。
その頃、ロートレックが描いたシュザンヌ。

『二日酔い』というタイトルがつけられている。
虚な視線と持ち崩した雰囲気の横顔。

シュザンヌの本当の名はマリー。シュザンヌと名付けたのは、このロートレック。
旧約聖書の外典ダニエル書に登場する女性シュザンヌ(Suzana)に準えたもの。
そこで描かれているのは、水浴中の姿を覗き見られ長老たちから関係を迫られた女性像。
それは、ルノワールなどの画家を意味し「お前はまるでシュザンヌだ。それを名乗れ」
と言われたのが逆に気に入って、シュザンヌを名乗ることになる。

そして、このロートレックとの関係も終わることになるが、
シュザンヌが持つ魔性の遍歴はまだまだ続く。

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<了>


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