それは、「モンパルナスのキキ」として知られるアリス・プラン(Alice Prin)の写真。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240218/01/polyglotism/0d/97/j/o0300040015402827577.jpg?caw=800)
この「モンパルナスのキキ」と
ユトリロの母、シュザンヌ・ヴァラドンとは、妙に共通したところがある。
どちらも父親を知らず、母に連れられて地方からパリに出て、
貧しい幼少期をそこで過ごしている。
そして、人に知られるよすがとなったのが画家のモデルとなったこと。
シュザンヌは、ルノワールやロートレックなどモンマルトルにまつわる画家たちのモデルとなった。
特にエドガー・ドガによるシュザンヌ評の言葉、
「シュザンヌの肉体の堂々とした調和は健全で知的な精神をもった女性を暗示している」
モデルとして魅惑的な様子が窺える。
一方、モンパルナスのキキは、キスリング、モディリアーニ、藤田嗣治などエコール・ド・パリの画家たちやユトリロのモデルになった。また、シュルレアリストであるマン・レイの写真モデルともなった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240218/01/polyglotism/8f/8f/j/o0300040015402827576.jpg?caw=800)
これら2枚のキキの写真は、いずれもマン・レイが撮ったもの。
やはり魅惑的な女性であったと推測できる。
いくら、良き時代があったとしても人の栄枯盛衰は致し方ないとも言える。
その後、彼女の転落の人生を語るまい。
シュザンヌとキキ。
パリの北に位置するモンマルトルと南のモンパルナス。
19世紀と20世紀のパリを彩った二人。
それぞれが、それぞれに輝いていた、今は昔。
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<了>
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