やっぱり寅さんは変わり者 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

今や大陸移動説は、世界の常識になっているところがあるが、
これはドイツの気象学者アルフレート・ヴェーゲナーによって1912年1月6日に発表されたもの。
すぐに受け入れられたものではなく、むしろ、否定的な意見の方が多く、1930年、彼の死後はほぼ顧みられることはなかった。認められるようになったのは、戦後になってからのこと。

日本の寺田寅彦は、草創期からその説を支持した数少ない研究者の一人。
彼は、記紀の「国生みの神話」の存在からその説を支持している。
この寺田寅彦は夏目漱石の友人でもあり、
彼の小説『吾輩は猫である』に出てくる水島寒月や『三四郎』の野々宮宗八という名で出てくる珍妙な科学者は、この寺田寅彦がモデルだという。
寺田氏の科学者としての研究は、「金平糖の角の研究」や「ひび割れの研究」などがあり、
変わり者であったのは間違いない。
その寺田寅彦は、災害に対する意識は人一倍あり、
「天災は、忘れた頃にやってくる」という言葉を発した人として知られる。
彼は、関東大震災で被災し「天災」に関する箴言を数多く残している。
その一つ、エッセイ『天災と国防』で「日本のような特殊な天然の敵を四面に控えた国では、
日常の研究と訓練によって非常時に備えるのが当然ではないか」
と語っている。同感である。

明日、1月17日は、阪神大震災から29年が経ったメモリアル・デー。
さすがに29年も経つと、当時の記憶は次第に薄れてしまっているが、
当時、余震が何度も起きたせいで、人間・震度計みたいになったようなところがある。
こればかりは、いまだに健在で揺れた時に「今のは震度3ぐらい」などと、
見事に言い当てる。
記憶は薄れたと言えど、時に、崩れた家々や寸断される道路など
映像のように蘇ってくることがある。

寺田寅彦の言う『特殊な天然の敵』の存在は、
我々日本人がいつも意識しておかなければならないこと。
同じく彼の著書、『天災と国防』の中にある忘れられない言葉は、
「災害に何度あっても利口になれぬ」。

これでは、尊き犠牲は浮かばれない。

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<了>