早朝より西宮えびす神社では「一番福」の福男を目指して5,000人が参加。
クジを引き当てたツワモノたちが本殿を目指して駆け上った。
この神社の祭神は商売繁盛の神様とされる「えびす」様。
このえびす神社は全国に、3,500社ほどもあるという。
各社には「夷」「戎」「胡」「蛭子」「恵比須」「恵比寿」「恵美須」「恵毘須」
などの名が宛てられている。
東京の恵比寿は、この神社由来というより、ヱビスビールの工場ができたことにより、
その名が冠せられ、かつての寒村だった地域が、今やオシャレで高級な地域となっている。
えびすの恩恵という話もある。
このえびすさんは元々イザナギ、イザナミの嫡子。
ただ、生まれたが体が弱く蛭(ひる)のようなブヨンブヨンした身体であったところから、
「蛭子」と名付けられ、海で彷徨っていたが、
流れ着いた地が西宮えびす神社があるところだという。
トレードマークは、狩衣に釣り竿、そして笑顔。
海の幸を運ぶ運の強さが商売繁盛に結びつくとして、もっぱら商売の神で人気を誇っている。
4年ほど前、すなわち、新型コロナ前の頃、散歩を兼ねて取材に行ったことがある。
福男は午前6時の開門と共に走り出すものだが、門前に並ぶ順序が決められるのが深夜12時。
約5,000人が順序よく並び、クジを引ことになるが、これが大仕事。
ここでアタリを引けば、門前に並ぶことができるが、
外れればスゴスゴと帰ることになる。
門前に並ぶことができると言っても、第一陣に入れないと、まず、福男になれない。
福男圏内の第一陣はわずかに108人。
大きな一歩は、コレ。
「運」なしには、福男にはなれない。
えびすさんも元々、生まれた時に、助からないとして海に流された。
いわば、蛭のような子供として見捨てられた存在だった。
ところが、海の幸を従えて帰還。
決して恨むことなく、満面の笑顔。
いわば、敗者復活の神といったところである。
被災された方も、そんな復活の福が訪れることを願ってやまない。
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