落語だって「必死のパッチ」 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

「大岡裁き」なるものがある。
江戸町奉行であった大岡忠相(おおおか ただすけ) が活躍していたのは八代将軍・徳川吉宗の頃。
吉宗が進めていた享保の改革を町奉行として支える立場にあった。
江戸幕府が、いい制度を作り上げたとは思えないが、
時代の流れで制度疲労などが必ず出てくるモノ。
そこで、改革が必要となってくるのは当然のこと。
忠相は、ちょうど、その改革のただ中で江戸町奉行をつとめることになった。
同時代の人からも名奉行と認識されていたらしく、
『大岡政談』として写本や講談で人々に広がっていったようだ。
人情味あふれる庶民の味方としての裁きを行ない、生きている間から人気は絶大だった。

そんな『大岡政談』に残されている逸話の一つに、
一人の子を互いに実子と主張する2人の母親の話が出てくる。
大岡越前守は、「強く引っ張りきった者が母親だ」として、
子を真ん中にして、二人の母親に引き合いをさせた所、
子供が泣いて痛がるのを見て思わず手を離した女性を見て、越前守は「待った!」をかけ、
「手を離したソナタが、実の母親なり。
痛がる子供の手を離したのは、実の母親なればこその行為なり」とした。
お涙、頂戴(ちょうだい)の美しい話。
実のところ、親がどっちだったかは、不明だが、
人情で裁く、というところがこのストーリーの妙味。

また、落語に取り入れられた『大岡政談』の一つに「三方一両損」なるものがあるが、
落語の場合、美談だけではオチが成り立たない。
やっぱりオチがなければ、というところで、
最後に、この話に出てくる二人の登場人物に「メシ」を共にさせて、
お互い仲睦まじく「いっぱい食べなよ」と促しあい、
「多かあ (大岡) 食えねえ。たった一膳(越前)」 (=大岡越前)という言葉でオチ。
明らかに、オチをつけるために無理やり食事シーンを挿入したもの。

考えてみれば、落語も必死だ。

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<了>