ネタがなくても書かねばならぬ | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

落語家は、一つの話を何度も語ることによって
次第に自分の味が出て、自分の持ちネタに仕上げていく。
その様子を、小説家の大佛次郎(おさらぎじろう)は、
「噺家(はなしか=落語家)は、同じ噺(はなし)を大切な家具を愛好するように
長年にわたり布巾をかけ、かわいがって光沢を出している」と表現している。

挙げてみれば、林屋正蔵(彦六) 『文七元結』、三遊亭 圓朝 怪談『真景累ヶ淵』
桂米朝 『地獄八景亡者戯』などがある。
この噺家のこのネタは最高だと思えるモノをそれぞれに持っている。
桂枝雀の著書に「桂枝雀と61人の仲間 」というのがあるが、
このタイトルにある仲間は、人間ではなくネタの意味で、
61にしぼってそれ以上にネタを語らないとしていたようだ。

ところが、ブロガーというものは、これとは全く逆の歩みをしている。
書いたものを愛好するどころか、毎日、追われるように書き散らして、
書いたものを顧(かえり)みる事すらしない。
昔に書いたものは、日付がつけられて、はるか彼方に保存されているだけ。
落語家のような姿勢とは、かなり違う。

一方、落語は、ネタもわかっているのに、
この噺家の語りについ引き込まれ聴き入ってしまうもの。
六代目の三遊亭圓生が、落語の極意として弟子の先代の圓楽に語った言葉、
「笑いがないのに お客を厭(あ)きさせず、最後まで話を聞かせるのが最高の噺家」とある。

この極意を落語家からブロガーに置き換えると、
「面白いネタでもないのに読者を厭きさせず、最後までブログを読ませるのが最高のブロガー」
ってか...?

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<了>