両者の大きな違いは、作風。川柳には、チクリと風刺が入っている。
同じく江戸時代に流行したものに狂歌があった。
これは、短歌などと同じ、五七五七七の三十一文字で表すもの。
川柳と同様に風刺的要素がある。
最も有名な「狂歌」は、幕末に詠まれた
「泰平の眠りを覚ます上喜撰たった四杯で夜も寝られず」というもの。
この意味は
「銘柄『上喜撰』のお茶を4杯飲んだところカフェインが強く不眠になった」
と読めるものだが、ウラの意味で言えば
「天下泰平だったところに黒船と呼ばれる蒸気船が、わずか四艘やってきただけで、
幕府の高官たちは、右往左往して、夜も眠れないほどになっているぞ」
となる。
船の数え方は『一隻、二隻』の他に『一杯、二杯』と数える。
そして、お茶の銘柄として『喜撰』があった。
これは、百人一首にも出てくる詠み人・喜撰法師にちなんだお茶。
それの「上もの」として『上喜撰』と洒落込み、「蒸気船」とを引っ掛けている。
その辺りを駆使して詠まれた一首。
なかなか風刺も利いて、見事な作。幕臣の間部詮勝(まなべ あきかつ)が詠んだとされる。
そのほか、江戸の時代で最も有名な狂歌師は蜀山人。
こちらも、実際の身分は、幕府の役人だったという。
身分を大ぴらにすると障(さわ)りがあるかもしれないので、うまく立ち回っていたようだ。
この蜀山人の辞世の歌は
「今までは 人のことだと 思ふたに 俺が死ぬとは こいつはたまらん」
という一首。
「死」は、誰にとっても一生に一度。
生きている間は、他人事だったのに、自分が死ぬなんて。
というところのようだ。
当方も、浮かれている間に、もはや、それらしい年齢に差し掛かってきた。
他人事だったが、迫ってくるものも、やや感じるようになってきた。
この蜀山人は、日本で最初に珈琲を飲んだ人だと言われている。
彼の書になる、その時の印象。
「紅毛船にて「かうひい」というものを飲んだ、焦げ臭くして味ふるに たえがたし」
とある。
否定的に捉えているが、これも生きていればこそ実感できるもの。
痛みも苦しみも、苦味もあってもいい。
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