「這(は)い出よ かいやの下の 蟇(ひき) の声」というのがある。
芭蕉の句の中には何の変哲もない句に見えるものがある。
これもその一つ。
ところが、そこには構造的に、隠れた作為が施されているようだ。
「かいや」というのは、蚕(かいこ)を飼っている養蚕家の館を意味する言葉。
この句の意味は「養蚕家の館の下から 這い出て鳴けよ ヒキガエル」
蚕は5月初旬に幼虫を育て始め、7月初旬に繭を作るもの。
その期間、蚕は、ひたすら桑の葉を食べる。
皇室で蚕を飼っているという事はよく知られている事だが、
昭和41年に、美智子皇后の詠まれた歌に
「夏の日に 音たて桑を食(は) みゐし蚕(こ) ら 繭(まゆ) ごもり 季節しずかに移る」とある。
かなりの食する音を立てているものらしい。
逆に「ヒキガエル」は、基本的に夜行性の動物。
春に一度冬眠から醒めるが、再び意識的な冬眠をして、7月の初旬までは声すらたてない。
うるさい蚕と静かなヒキガエル。
芭蕉が、この養蚕家を訪ねたときは、蚕が音を立てて食べていたのに、
次から次へと繭をまとい、次第に食む音が聞こえなくなってくる。
そこで芭蕉先生は、静かになった館で、
「さあ、今度は君の番だよ」と言って、床下をツンツンしながら、
ヒキガエルの様子を覗き込んでいる句という事らしい。
「上で籠(こも)りに入れば、下では籠りから出てくるもの」
すなわち「一つが籠れば、次が出てくる」。
今、参議院選挙の選挙戦が繰り広げられている。
3年ごとに半数が改選となり、それぞれ6年の任期を得ることになる。
この句の如く「一つが籠れば、次が出てくる」というところ。
3年毎に、無風選挙と激しい選挙戦が繰り広げられる状況が交互にやってきている。
その面で言えば、今回は、波乱含みの選挙ということになる。
そう言えば、様々な新党がつくられ、
「さあ、(籠りから醒めて) 今度は君の番だよ」ということらしい。
籠りから醒めたヒキガエルには「毒」があるもの。
各政党の「毒」を含んだ舌戦が展開されている。
1票をめぐる戦いもあと1週間。
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<了>