コクーン(繭)の中で暮らす人たち | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

「求められると会いたくなく、
つれなくされると会いたくて堪らない」
プルーストが書いた文をつらつら見ていると、こんな一文が出てきた。
その後に誰が書いたのか一連の文が続いていた。
今日的な興味を惹くものだった。
その文を抜粋すると、
「ヒトという霊長類の末裔は巨大化した脳の使い方を誤り、
常に妄想と幻に怯えながら生きてゆかなければならなくなった。
人間は未熟なまま生まれるために他の動物のように生後すぐに自立できずに、
長い育児期(コクーンの時期)を要する。
この期間は親が用意した安全快適な空間(繭)で過ごすことになる。
そこは、いわば果てしない幻想空間となる。
それが幸いではなく、災いして、その空間からの離脱が容易でなない。
他者のいない私的領域は快適だが、
そこを出て改めて異性を認知しなければ生殖もおぼつかない。」

まるで「引きこもり」をイメージするものであり8050問題へと続く話のようでもある。
引きこもりは平安時代にも記述がある。
戦闘に駆り出される時代ではなく、
どちらかと言えば平和でヒエラルキーのはっきりした時代に出現するもののようだ。
親が提供した快適空間である一つの部屋(繭)の中で、
巨大化した脳を持て余しつつ、さまざまな幻想の去来に身を委ねる。
今どき、その幻想を増幅させるものはいっぱいある。
ただ、残念ながらコクーンを作ってくれた「親の死」以外に、
自ら外に出てくる因子は格段に少ない。
幾分ブラックジョークでもある。

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<了>