「申(さる)年」もあとわずか。やがて酉年 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

今年は「申(さる)年」だったが、もはや余す日も残り僅かとなった。
この年、人によってはいいこともあり、
悲しい思いをした人など様々だったろう。

思いを遂げられなかったり、深い悲しみを表現する言葉に
「断腸の思い」という言葉がある。
この言葉は、中国の故事から生まれた言葉で、
晋の武将桓温が船で蜀に攻め入ろうと三峡を渡ったとき、
とある従者がサルの子を捕らえて船に乗せた。その船を追って母ザルが
必死に百里あまりも追って、ついに船に飛び移ったが直ぐさま息絶えた。
母猿のはらわたを割いてみると腸がずたずたにちぎれていた。
というところから生まれた言葉。

サルと言えば、様々な妖術を使う孫悟空の話もあれば温泉に入るサルもいる。
今、世界的に有名になっているのが「地獄谷野猿公苑」。
温泉につかってホノボノとしたサルの写真が愛らしいとして、
最近は、このサルを見ようと海外からの観光客も多いそうだ。
サルの北限は、熱帯から温帯にかけて。
雪が降るようなところでサルを見かけるというのは、世界的に珍しいという。
そんな寒いところに生息しているならば、サルにしてみれば、
「コレが温泉に入らずにいられますか?」というところだろう。

松尾芭蕉の句に「初しぐれ 猿も小蓑をほしげなり」
とある。
この句では、(温泉のない)寒げな様子が偲ばれると解釈したいところだが、
この句の語るところは、もっと激烈なモノのようだ。
弟子の其角が書いた序には「サルに小蓑を着せて、俳諧の神を入れ給いければ、
たちまち、断腸の思いを叫びけむ。あたに、おそるべき幻術なり」
と表現されている。
この芭蕉の「初しぐれ」の中には、猿に託した、
凡人の見えない「断腸」や「妖術」がひそんでいるものらしい。
温泉につかってホノボノとしてる猿も「断腸」はともかく
「妖術」は持っているように思える。

あの温泉から出る時にバスタオルもなく、濡れた身体で
平気な顔ででてくるのはどうしてか?

「妖術」?


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<了>