微妙なことがトラブルメーカーだった?! | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

ギリシャ神話に出てくるゼーロス(Zēlos) は熱意や競争心、対抗意識が強い戦闘の神。
そして、激情型の性格を持っているとされる。
英単語の"zeal" やフランス語の"zèle" の語源となっているが、
どちらも熱意を表わす言葉。
熱い気持ちが競争心となった場合、嫉妬という感情に陥りやすい。
「嫉妬 (Jealousy)」の語源も辿っていけば、このゼーロス神に通じるとも言われている。
この「嫉妬」によく似た感情に「羨望」という感情がある。
「羨望」は、憧れや羨(うらやむ)感情を表わす言葉で、
これは、対象とするものとは、大きくかけ離れた状態にあるため、
精神状態は客観的視点を保てる状態。
これに対して「嫉妬」は、客観でいられなくなった状態ということもできる。

このたび、アメリカの科学アカデミーに
「乗客同士のトラブルの一因がファーストクラスの存在にある?」
とする論文が提出された。
これは、飛行機内のトラブルで、ファーストクラスとエコノミークラスの入り口を
分けた場合と、入り口を一つにした場合との比較を統計したもの。
入り口を一つにした場合の方が、あきらかにエコノミークラスで
乗客同士のトラブルが増えるという統計結果が出たという。
入り口が一つということは、エコノミークラスの座席に着くために
ファーストクラスの座席の横を通過していくことになる。
このことが、微妙に精神に影響するようだ。
この論文をまとめたトロント大学のキャサリン・ディセレス准教授は、「人は貧しさや
不平等を感じると、それが行動となって出てしまう傾向がある」と解説している。
厚遇の差を、見たり触れたりしていない状態ならば客観的に捉えられるが、
それが目に見える状態となると感情が抑えられなくなるということらしい。

17世紀のフランスの貴族であり文筆家のラ・ロシュフコーは、かなりの皮肉人間。
『箴言集』なるものを書き、今日に至るまで幅広くその著書が読まれている。
「嫉妬」について書かれた箇所に
「嫉妬は疑いから生まれてくる。疑いから確信に転じるや否(いな)や、嫉妬は狂気と化す」
とある。
飛行機内で、かけ離れた状態ならば疑いは生じないが、
その様子を垣間見せられ、厚遇の差が確信となり、
それが、
狂気を呼んでくる、となるようだ...


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<了>