どうしても反りが合わなく、会えば反目し合うということがある。
そんな人でも何か危機に及んだりすると、助け合ったりすることもある。
四字熟語の『呉越同舟』は
「仲の悪い者同士や敵味方が同じ場所や境遇にいること」
の例えに使われるが、もともとは故事から生まれた言葉。
熟語の中にある「呉」と「越」は中国春秋時代にあった国名で、
父祖以来の敵対関係にある国としても知られていた。
ところが、この仲の悪い者同士でも同じ船に乗り合わせて
難破の危機に遭遇したなら助け合うだろうという諭しから、
協力し合うことになる。
利害が一致すれば、どんなに犬猿の仲でも
協力したり助け合うことができるという意味となる。
アメリカ大統領の候補者選択の選挙戦で
これまで、有利に戦って来たトランプ氏だったが
ここに来て失速している感が否めない。
少なくとも共和党陣内に
このままトランプ氏に勝たしてしまうわけにはいかないという気運が漲ってきて、
それ以外の候補がトランプ氏阻止に協調しながら臨んでいるようだ。
「呉」と「越」が仇同士であったとしても、
大きな敵を破ることに関して協調していくという策をとったように、
かつて選挙戦て戦った敵同士であったルビオ候補が脱落した立場に立ってから
クルーズ上院議員支持に回るというところを見せたりする。
これに似たような言葉が、夏目漱石の『道草』の中の一節にある。
抜粋すると、
「離れれば、いくら親しくっても、それっきりになる代わりに、
一緒に居さえすれば、たとい敵(かたき)同士でも
どうにかこうにかなるものだ。つまりそれが人間なんだろう。」
すなわち、こだわりのある主義主張や
個人的な嗜好を唱えている人でも、時に及んでは
そんなモノをさておいて、打算に走ったり、
利益になることなら、どんなものにでも妥協するという姿勢を見せるモノ。
人間は、そんな小気味のいい”機微”を持っているものらしい...
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<了>