以来、これまで10を越すシリーズの上映があり、
そして、このたび最新作『フォースの覚醒』が12月に公開されることになった。
最初の上映から数えると40年近い歳月が流れたことになる。
この間、多くの熱狂的なファンも誕生した。
その中の一人、子供の頃からこのシリーズの熱狂的ファンだった
ダニエル・フリートウッドさん(32歳)が、
今年の7月に結合組織のがんのため、余命2カ月と診断された。
もちろん一般人。
その彼が12月公開とされていた最新作『フォースの覚醒』を
「死ぬまでに同作品を見たい」と語ったという。
彼の願いをかなえようと、
インターネットで嘆願運動が巻き起こり、様々な支援の輪が広がり、
11月3日に完成前の映画がフリートウッドさん宅で上映されたという。
多くの人の支えがあり、叶ったということでもある。
この『スター・ウォーズ』シリーズは、当初より、なかなか凝った構成になっていて、
登場する一切のものには生活感や歴史を感じさせる「汚れ」すなわち
「ウェザリング」が施されている。
黒澤 明氏は、この映画に対するコメントで「汚れがいいね」と言ったという話がある。
黒澤氏と言えば、『七人の侍』の中に小屋が燃えるシーンが出てくるが、
燃やした小屋の火の上がり方が意に添わないと言って、再びセットを作り、
火の手が上がるシーンを撮り直したというエピソードを持っている。
その彼がその点において、『スター・ウォーズ』シリーズに賛辞を送ったというほどの、
こまやかなところに神経が行き届く作品とも言える。
シリーズの幾つかの作品を見たが、
たしかに、そういった細かいところの配慮が行き届いた作品づくりをしているとも言える。
民俗学者として名高い柳田国男氏が著した『東野物語』の中に、
「我々が空想で描いてみる世界よりも、隠れた現実の方が遥かに物深い」という一文がある。
これは「人間の空想で作り上げる世界より、隠れた現実をこと細かく
探る方が、多くのものを発見する」ということなのだろうが、
『スター・ウォーズ』シリーズという作品も素晴らしいとは思うが、
作品の背後には涙を誘うような話など、たしかに物深いものが存在しているようだ。
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<了>