ムダを省き、経済効果を高めることが、
すべての価値の指標だとするところがある。
これと、まったく相反する考え方に、『無用の用』というのがある。
「無用のものの中にこそ、本当の有用なものがある」
という考え方。
これを説いたのは、紀元前3、4世紀頃の中国の思想家の荘子。
その一つの喩えに、
「一つの大きな木を指して、
これが、このように大木となり、木が作る木陰で皆が暑さをしのげるのも、
この木が材木になるような役に立つ木でではなかったからこぞ、みんなの役に立っている。
役に立たなかったからこそ役に立つ」というもの。
その点、アーティストもそんなような世界がある。
シュルレアリストとして知られるサルバドール・ダリは、奇妙な言動と奇行で知られている。
実際にダリに会った人物によると、
会ったとき、はいているスラックスの尻の部分に大きな袋をつけていたという。
奇妙に思って、何が入っているのかを訊いたところ、
「言葉がいっぱい詰まっているんだよ」
と得意げにニヤッと笑ったという。
ダリの論文に、「言葉は口から出る屁(へ)」であり「屁は尻から出る言葉」
と表現しているくだりがある。
そうすると、袋の中には、言葉が詰まっているのではなく、「屁?」
彼には、こんな人を食ったような話がゴマンとある。
彼の説によると、人間の中には、「形態の呪縛」といったものがある。
それを、はずすことがシュルレアリズムなんだ、ということらしい。
彼の代表的な絵で言えば、溶け出した時計の絵がある。

ソリッドで定刻を刻んで行くのが時計というものの役目。
それが溶け出している。
彼の絵の中には、『無用の用』の世界が詰まっていそうだ。
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<了>